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アルキメデスとクレーン

ティモシェンコの「History of Strength of Materials(材料力学史)」を読み直してみたら、最初のページにこんな記述がありました。

 Archimedes(287-212 B.C.) gave a rigorous proof of the conditions of equilibrium of a lever and outlined methods of determining centers of gravity bodies. He used his theory in the construction  of various hoisting devices. The methods used by the Greeks in transportung the column and architraves of the temple of Diana of Ephesus.

アルキメデスは梃子の原理を証明し重心を決める方法の概略を示した。彼は、その理論を使って様々な吊り上げ装置を作った。その手法をギリシャ人は、エフェソスのディアナ神殿の柱と台輪を運ぶことに使った。

"Archimedes crane"で検索してみたら、こんな面白いページを見つけました。アニメーションでよく分かります。ここにも。クレーンではありますが、船で攻めてくる敵を港で転覆させるための武器だったのですね。戦争のとき以外は荷揚げ装置として機能したのでしょう。

アルキメデスは、パルテノン神殿建設以後の人ですね。パルテノン神殿で使われたとするクレーンと比べると、先のページのクレーンは、てこの原理が意識的に適用(計算書)されていることが分かります。

パルテノン神殿では、すでにクレーンが使われていたとするならば、アルキメデスの発見とされる梃子(てこ)の原理や物質の重心というあたりは、建設現場での失敗や工夫の中で醸成されていた、と想像できないでしょうか。

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科学技術」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。ティモシェンコとは懐かしいです。この本は英語版をもっていて読んだことがあります。

クレーンの話が盛りあがっていますね。とても奥が深いです。

それにしてもクレーンの記事ですぐにクレーンの広告が入るGoogleもすごいですね。

投稿: KADOTA | 2006年9月19日 (火) 08時26分

KADOTA さん こんばんわ
ティモシェンコの本は、訳本が品切れになっていまして、やむなく英語版を買いました。
このブログでは、同年代の博識おじさんたちに助けられて、黄金比の話から、パルテノン神殿の柱の継ぎ方、さらにクレーンまで、面白く流れています。
特に、日本製チタニウムのジョイントが失敗だったらしい、という話はとても興味深いです。
実際には無理でしょうが、「材料力学失敗史」なんて本があると、材料力学も面白くなると思うのですが・・・。

>それにしてもクレーンの記事ですぐにクレーンの広告が入るGoogleもすごいですね。

チタンの話題では、チタンの加工会社のCMが入ってきます。思わず見てしまいます。


科学ブログランキングでは、KADOTAさんに追いつきそうで追いつけません。

投稿: SUBAL | 2006年9月19日 (火) 19時41分

SUBALさん、こんばんは。

私は運よく『材料力学史』の邦訳を持っています。改めて絵を見ていますが、例の『建築書』は後からイラストが付け加えられたのではないでしょうか?
ドラムに孔を穿ちピンを刺して釣り上げたら、その孔をどう埋めるのでしょうか?古代の人はもっと賢かったに違いないです。

ティモシェンコを検索すると最近はウクライナの美人首相のことばかりですね。
学者のティモシェンコには"AS I REMEMBER"という自伝があります。波乱万丈の人生。また読み返そうかな。邦訳された『チモシェンコ自伝』(東京図書、1978)も何故か持っています。

投稿: 271828 | 2006年9月20日 (水) 19時18分

271828さん う~ん 鋭い突っ込み。
>ドラムに孔を穿ちピンを刺して釣り上げたら、その孔をどう埋めるのでしょうか?

これ、今は書かずに少し調べてから、と思っていましたが、やむを得ません。半煮えのまま書きます。

私信で北川さんから“The Architecture of the Temples and Other Buildings”という論文を紹介してもらいました。その中の一節。

「(ドラムの)上面に下部が少し太くなった直径13センチx深さ5センチのシリンダー状のソケットがある。このソケットの周りに浅く荒削りの径30センチの陥凹がある。これは、丸いベースが、たぶん鉛で安定化されただぼ付ソケットの上に一旦置かれ、その後取り除かれたことを示している。」

円柱か角柱かの違いはありますが、ドラムの中央にあいている穴(empoliaを入れる穴です)のことです。下部が少し太くなっているって、変だと思いませんか。私は、ここに吊冶具を入れたのではないか、と想像したのです。可能かもしれないと、冶具案をいくつか考えてみました。

かの中央のダボ穴は、用途が3つあった。ひとつは運搬時の車輪の軸受、もうひとつは組み立て時の吊冶具用、もうひとつはドラム同士のジョイント受け。下部が少し太くなっているから、empoliaを入れるときに鉛を使って(下の広がった部分の)隙間を埋めて安定化をはからなければならなかったのでは、と想像しました。

ですから、穴は埋める必要はない、ということで。

石を吊るには周囲に突起を伸ばして曲げをかけて吊るよりは、うまい冶具さえあれば安全なのでは、と考えたのです。

ただ、根拠の乏しい想像をあまり書いてもなぁ、と考えて控えていました。

投稿: SUBAL | 2006年9月20日 (水) 20時24分

>こんにちは。ティモシェンコとは懐かしいです。この本は英語版をもっていて読んだことがあります。

大学の時の教科書(英文のまま)教官はこの本の日本語訳を酷評してました。
そういえば目の前の書架にあるから今度改めて読んでみようかな。

投稿: デハボ1000 | 2006年9月28日 (木) 03時59分

デハボ1000 さん はじめまして
幸か不幸か私は、邦訳版を持っていません。
教官の方は、どういう観点で酷評していたのでしょうか。
誤訳は論外として、変な訳は時々ありますよね。
Stress Intensity Factorに応力拡大係数という訳語をあてたのは、誰なんですかね。日本語の文字に引きずられるとイメージがわきません。引きずられるほうが悪いのかもしれませんが・・。

投稿: SUBAL | 2006年9月28日 (木) 20時50分

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