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2006年10月

オウムガイの美しさ

対数螺旋といえば、オウムガイです。

Cimg0191 これは、昨年東急ハンズで購入したものです。オウムガイは、磨くとこのようなパール光沢が現れます。綺麗ですね。怪しい美しさです。しつこいといわれるかもしれませんが、オウムガイに黄金比があるから美しいのではありません。

Cimg0188 オウムガイはタコやイカの仲間・頭足類で貝ではありません。オウムガイやアンモナイトの祖先としては直角貝Orthoceras)が考えられていますが、この殻は円錐です。円錐であれば、プロポーションを変えずに殻も身体も成長させることが可能です。錘状のものを立てて水平方向で切れば、どこで切っても、元の形と相似形になります。

錘状のものをコンパクトに丸めれば、対数螺旋になるわけです。対数螺旋が相似三角形を使って解析できる理由です。

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対数螺旋の滑り台

対数で遊ぼう、などという世間様にはあまり受け入れてもらえないであろう妄想を抱いて、「Spiral」とういソフトウエアを作っています。対数螺旋の性質を、三角形の相似だけで調べようという試みです。

Ls 世の中には色々な人がいるもんだと思いますが、対数螺旋の遊具(滑り台)を作った人がいます。群馬県宮城村総合運動公園にあるようです。右が、その図面です。中の赤色の線は、「Spiral」で描いたものです。

螺旋の性質

Rs3 1.相似三角形での表示

1.076。30度回転ごとに1.076倍の相似三角形を描いて、その頂点を結ぶ曲線。

Rs2 2.極方程式での表示こちらを参照

接線と中心線とのなす角=82.0度

アンモナイトの対数螺旋に、82度付近が多いように見えます。

こちらに動画があります。滑走感覚をちょっとだけ体験できます。でも加速感や遠心力の感覚は、滑って見なければ分かりませんね。

タワーを回りこむ部分が対数螺旋、それにクロソイドを繋げ、直線部に接続しているとのことです。

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札幌ドームもトラス

日本ハムファイターズの拠点・札幌ドームは、札幌市の羊が岡に巨大な三葉虫のような形で建っています。

建設時には、私の知り合いの鉄骨屋さん検査屋さんも、忙しい思いをしたようです。

Sapd この屋根、トラス構造でできています。竹中建設のページ。大成建設が、日本ハムファイターズの屋内練習場を建設したようです。そのトラスの写真(pdf)があります。

Googleで「トラス」をキーワードに検索をすると、60万件ヒットしたうち、一番最初に私が書いたページが出てくるのには驚きました。

つまようじブリッジコンテスト」は、トラス構造をどのように作るかの争いになっています。この10年の歩みは、まるで生物の進化を見るようです。

ブリッジコンテストは、レギュレーションや使う材料によって「つよいかたち」は変化します。そこが面白いところです。「つまようじブリッジコンテスト」にもゴールはあるはずです。そのゴールは、何かとてもシンプルな原理のところにありそうで、面白いなぁ、と思っています。

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おめでとうファイターズ 北海道のミラクル

いやー、優勝しましたね。日ハムが札幌を本拠地にすると聞いたときには、正直札幌ドームが満席になることはありえない、と思っていました。

それが、応援が日本一を後押しした、といわれるほどの盛り上がりですから、嬉しい予想外れです。ドームが振動するほどの応援に、強度は大丈夫かの声が出るほど。それに対する札幌ドーム側のコメント。

「揺れているが、震度3程度、震度7に耐えられるように設計されているから大丈夫。スマップの時にはもっと揺れますよ」

おー!なかなか説得力のあるコメント。でも、震度3の揺れが1時的にではなく繰り返されるとしたら、金属疲労は大丈夫か、と心配になります。

第3戦の時は、このブログで知り合った271828 さんと、札幌の居酒屋にいました。試合の経過で、店に響き渡る歓声。すごかったですね。

駒大苫小牧、旭山動物園に続く北海道のミラクル。こうなれば、カムイロケットも続いてほしいものです。

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ターボジェットエンジン J34

J341 実習室にあるJ34ターボジェットエンジンです。圧縮機(コンプレッサー)のケースがはずされていて、ディスクとブレードが見えています。

同じエンジンのカットモデルは、現在苫小牧市科学センターに貸し出しています。同館の1Fに展示中。

日本初のジェットエンジン ネ-20を3DCGで再現する作業をしていますが、このときこのエンジンが身近にあることがとても役立っています。

写真で、後方のシャルピー衝撃試験機の後ろには「つまようじブリッジコンテスト」の歴代優勝作品がみえています。

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Egg dropをTV番組で

TVチャンピオンという番組から企画の相談を受けています。

つまようじブリッジコンテストをヒントにして、身近な材料で力に耐える構造について、楽しみながら競う番組ができないか、ということです。

その中で、つまようじエッグドロップという競技ができないか検討をしています。

エッグドロップは、中に卵を入れて高所から落として卵が割れないような保護容器を工夫して作る競技です。紙で保護容器を作るのが多いようです。

その場合、要点は2つ。

1.空気抵抗を多くして、落下スピードを抑えること。

2.地面に衝突したときに、容器の変形もしくは破壊によってエネルギを吸収して、卵に衝撃力が伝わらないようにすること。

私も、かつて紙で経験しました。紙ですと、1の対策が有効でした。パラシュート型や、回転翼をつけてオートローテーションによって揚力を発生させたり、という工夫が見られました。

これをつまようじでやろうとすると、1の対策はほとんど無理でしょう。2の対策のアイデア勝負になります。米国で実施例がありました。

TVチャンピオン制作会社の女性担当者は、熱心でこまめにやり取りをしながら彼女自身良く勉強をしています。しかし、上層部の説得に苦労をしているようです。ゴールデンタイムの番組にするには、考慮しなければならないことも多くあるのでしょう。それにしても、力学に関する競技の面白さを伝えるのは難しいのだなぁ、と改めて感じています。まぁ、粘り強くやってみましょう。

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JAXA(5) 超音速エンジン試験施設

高度15000m、最高速度マッハ2の超音速でエンジンの性能を試験する施設です。

Jaxa13 超高音速実験機に搭載するエンジンの試験をするための施設だそうです。

ここまでできる試験設備は、ここと日本では北海道の千歳にあります、との説明を聞いて学生はびっくりしていました。

Jaxa14 そういえばこの学年には、言ってなかったかも知れなかったな、と反省。エンジンの開発にかかわっている卒業生が良く来ているのだけれどなぁ。

カプセルの中で、高高度・超音速環境を作るのだそうです。エンジンの性能はつまるところ推力(スラスト)で示されます。このスラストはエンジン架台についているロードセルで測定されますが、ロードセルの中にはコイルバネが入っているとのことでした。

Jaxa15 コントロールルームです。現場の様子を写すモニターと、各種データが表示され処理されます。

私が面白いと思ったのは、モニターの表示がアナログ計器風に作られていたことでした。

Jaxa16データはデジタルで伝えられてくるでしょうから、数値で表示するほうが手間がかからないはずです。研究者の単なる趣味なのか、あるいはデータ判断に関する人間工学的な配慮なのかは、聞きそびれました。

私は、超音波探傷器をパソコン上に作るときに、デジタルデータをアナログ的に見せるのに苦労した思い出があります。また、航法計器ですが、こんなのも作りました。苦労はしたけれど、楽しかったですね。

ココログが48時間のメンテナンスで、記事の更新ができないということでした。ずいぶん長いな、と思っていました。メンテナンスが終わったはずなのに、またさらに1日記事の更新ができない期間がありました。niftyさん、う~ん、どうしたの?

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航空機用新素材と航空機事故

 昨日JAXA「複合材技術開発センター」の訪問記を書いたときにAmerican Airlines Flight 587の事故について触れました。

Aa587  2001年11月、事故が起きた当初は、9.11テロの直後で場所もニューヨーク、JFK空港を飛び立ってすぐの住宅街に墜落したことから、テロが疑われました。テロの可能性がないことが分かった後は、エンジンの故障か脱落が原因として疑われました。エンジンはガソリンスタンドに落ちていました。しかし、調査が進むと、炭素複合材(CFRP)の垂直尾翼が破壊したことに起因した墜落であることが分かってきました。新素材が絡んだ初めての大きな航空機事故でした。

Aa587  今回、リンクを貼ってからサイトを良く見ると、2004年にNTSBの事故報告書が出ていることが分かりました。

斜め読みをしただけですが、事故原因は、疲労割れではなく、過荷重による垂直尾翼の破壊だったとのことです。乱気流に巻き込まれた際にクルーがラダーの操作を誤り、垂直尾翼に設計時想定外の過荷重がかかり、破壊したとのことです。JALのジャンボ機通過後の乱気流だったようです。

垂直尾翼が吹っ飛んだという点では、1985年のJAL123便の事故、1989年のUA232便の事故と共通しています。この事故では離陸直後で高度が低かったので、あっという間に墜落しています。

Aa587fg このような新たな事故に関しては、米国では航空当局自身が調査の経過・報告書などを、その間の議論を含めてWEB上に公開しています。

 直接の事故原因でないとしても、破面解析の結果非破壊検査の結果などを図や写真を含めて公開しています。こんなアニメーションまで公開しています。Aa587ut

 超音波探傷の結果です。破壊箇所の周辺に層間剥離があったようです。

事故を「恥」と考えて隠そうとするか、「次の事故をなくすための新たな知見を得るチャンス」と考えるか、大きな違いがあるように思えます。

 写真はNTSB(National Transportation Safety Board)のサイトに掲載されていたものです。

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JAXA(4) 航空機用新素材研究

JAXAの「複合材技術開発センター」に行ってきました。先ほどNHK教育の番組「サイエンスZERO」を見ていたら、眞鍋かをりが訪問してレポートしていましたね。

炭素繊維複合材(CFRP)が航空機材料として多く使われるようになってきています。次世代旅客機であるボーイング787ではほとんどCFRPです。

Jaxa8ここのセンターでは、様々な研究を行っているようですが、メインは、CFRPの強度に関するデータベースを作ることだそうです。

Jaxa10 引張り試験をしているところです。CFRPは温度や湿度によって強度が大きく変化します。この試験機では、後方にあるボックスが出てくることで、温度は-70~+150℃、湿度は30~95%、の範囲で環境を変化させて試験ができます。

破断した試験片です。試験片は長方形の板状で、チャックではさむところには、紙やすりで巻くようにしてありました。金属の引張り試験のように断面積の小さい部分を作らないのですね。

Jaxa12 複合材ですから、繊維方向をどのように組み合わせるかによって当然壊れ方も違ってくるでしょうが、この写真では、最大せん断応力の面で壊れていますね。この写真だけで1時間の授業ができそうです。

Jaxa11 CFRPで作った翼構造のモデルです。

軽くて丈夫、成型も難しくない、良いことだらけにみえるCFRPもこれから多用されていくことによって、思わぬことが原因で壊れることがあるかもしれません。あまり知られていませんが、9.11テロの2ヵ月後、ニューヨークの住宅街に墜落したAmerican Airlines Flight 587 の事故は、史上はじめて複合材の破壊が起点となった旅客機事故でした。事故原因の解明もその後の対策も、もちろん設計でも、信頼できる材料のデータベースが不可欠です。

他の見学場所に比べて、どう見ても地味でしたが、ここが一番興味深かったという学生もいて、それがなんだか嬉しかったですね。

私としては、CFRPの非破壊検査は超音波がメインになってきますから、その研究も行われていると聞いていたので、それが見れなかったのが残念でした。

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JAXA(3) 研究開発用飛行シミュレータ

パイロットの訓練に飛行シミュレータを使うのはいまや必須です。エンジンが火災を起こし停止してしまった、油圧系統・電気系統が切断されてコントロールが効かなくなった、といった状況を実機で飛行中に起こして訓練するのは、大変な危険を伴います。各航空会社は、保有している機種ごとのシミュレータを持っています。

Jaxa6 与えられた条件の下でクルーがとった処置がコンピュータで計算されて次々と結果を示して行き、瞬時の適切な判断と行動が取れるように訓練されます。

このときに、体感を伴うことによって、よりリアルな訓練ができます。したがってシミュレータのコックピットは、アクチュエータによって傾けられたり振動を加えられたりします。

Jaxa7 今回、シミュレータのコックピットの中に入れていただき、羽田空港を飛び立って東京湾を飛行する体験をさせてもらいました。

Jaxa5 滑走路でスラストレバーを引くと、グーンという加速感がありました。立っていた学生は「おう!」と思わずのけぞる。説明によると、このとき前を上げてう後ろを下げるように傾けているのだそうです。中に入っているとそのように傾いているとは感じられない。水平方向の加速感です。視覚による錯覚なのだそうです。

Cimg0110 そのことをさらにはっきり分かったのは、ヘリコプターのシミュレータ。こちらはコックピットを動かすアクチュエータはありません。その代わり、全視界を覆うスクリーンがあるだけです。これで新宿の高層ビルの間を抜けて、東京都庁の屋上に着陸する体験をさせてもらいました。すごい迫力。終わったときはほとんど船酔い状態。人間の錯覚を利用した体感の実現も研究課題のひとつだということです。

1985年にJAL123便が御巣鷹山に墜落して420名の方が亡くなりました。このときジャンボ機は油圧系統が切断されて、コントロールが効かない状態でした。

この事故の4年後、1989年に米国オハイオ州でDC10が垂直尾翼にあったエンジンのファンディスクが破壊して吹っ飛び、やはり油圧系統が切断されてコントロール不能になるという事故がありました。(概要はこちら、同じサイトですがこのまとめはデタラメ、英文FAA事故報告書)このときは、近くの空港に着陸することができました。着陸後横転して火災になり犠牲者が出たものの、半数以上の乗客が助かりました。

JAL123便の事故の教訓が生かされて、パイロットが訓練されていた結果でした。ほとんどの人が生涯遭遇することがないであろう状況に備えて、パイロットたちは訓練されています。また、その訓練がより実効性があるように研究している人たちもいるのですね。

ちなみに、JALのシミュレータ部門には教え子がいます。私にSHADEの面白さを教えてくれたM君です。

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つまようじブリッジ 新しい競技台

一般参加要綱を発表しました。昨年250キロの記録が出て、それ以上の錘を架けられなかったため、2組を優勝としました。

競技台をどのようにするか、この1年検討をしてきました。錘をつるす方法は限界かと、油圧もしくは空圧のアクチュエータを使う方法も検討しました。

荷重をどのように表示するかがまず問題でした。圧力を荷重に換算するか、ひずみゲージを貼ったロードセルを作ることで可能です。しかし、どちらも見た目でピンきにくい、校正が必要、という欠点があります。しかし最大の欠点が、壊れ方の迫力に欠けることです。グチャグチャと壊れることが多くなります。

Bridgecontest_image5 何とか、錘をつるす方法をとれないかと考えました。そこでの最大の問題は安全性。できてみれば、なんだそれという感じですが、動滑車を使うことにしました。動滑車を使うと、錘の2倍の荷重を架けられるけれど、錘の動く距離は2倍になります。そこで、吊冶具を変えました。

2006n このために、作品の中央に穴を開ける必要が出てきました。今年のレギュレーションの最大の変更点です。これが強度にどのように影響するか、アイディア勝負になります。

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JAXA(2) 極超音速風洞

音速を1としたときの比速度をマッハ数といいますが、JAXA航空宇宙技術研究センターにはマッハ数が5、7、9、10を出せる極超音速風洞があります。

Wtt1 常温ですと空気中の音速は秒速340mですからマッハ10というと3400m/sになります。時速に直すと約12000km/hになります。

Cimg0084このような高速の空気流をどのように作り出しているかというと、風船を膨らませて(空気を圧縮しておいて)口を開放すると空気流ができますが、その方法と原理的には同じでした。

Cimg0080まずは空気を圧縮しておきます。ただその圧力は20MPaといいますから、通常の大気圧のおよそ200倍、200気圧というとんでもない高圧にしています。他方球形の真空槽を設けておいて、それに向けて一気に空気を流します。

面白いと思ったのは、マッハ10を作るノズルの上流側に空気の加熱器があることです。ノズルでは断熱膨張が起きますが、このとき温度が低くなりすぎて空気が液体化するのを防ぐために、あらかじめ加熱しておくのだそうです。あらかじめ加熱しないと一部空気が液化した霙のような流れができるということですね。この加熱温度が絶対温度で1500K(ケルビン)、摂氏に直すと約1230℃です。この1230℃というのは陶器を焼くときの最高温度の目安です。

外部から熱を加えずに気体の体積を膨張(断熱膨張)させると温度が下がります。この原理は身近なところでは冷蔵庫やエアコンに使われています。

Cimg0083風洞の中に飛行体の模型を入れて、圧力や温度を計測します。衝撃波の様子はシュリーレン法で、温度上昇は赤外線カメラで観察しています。

マッハ10の風洞で、通風時間は1回60秒とのことです。

Cimg0076 写真の飛行体はスペースシャトルのような形をしていました。スペースシャトルが大気圏に再突入するときに、機体が高温にさらされますが、高温になる原因は空気摩擦というより高速になることによる空気圧力の上昇による熱なのだそうです。

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JAXA(1) 航空宇宙技術研究センター

調布にある宇宙航空研究機構(JAXA)の航空宇宙技術研究センターへ行ってきました。

予定の時間より少し早く着きましたので、許可を得て展示場を見学をしていました。ほどなく、寺田博之博士が出てこられて、挨拶もそこそこに学生たちを集めて、説明をし始めました。

Jaxa1 寺田博士は、小型超音速実験機のまえで、この研究の目的、実験機の性能などを説明した後、2002年オーストラリアで実施した実験の失敗に触れて次のように語っていました。

「緻密な検討、周到な準備をしてたのだけれど、にもかかわらず、思いもよらないところで配線が数ヘルツの低周波で共振してショートをして失敗してしまった。ないほうが良いに決まっているけれど、このようなこともありうるのだということを知っておいてほしい。」

航空機構造の研究者として航空機事故の防止のために40年余り一線で研究をされてきた方が、これからを担うであろう若者に静かにしかし熱く語りかけておられました。学生たちも、いつになく真剣な表情で聞いていました。カメラを向けてこの光景、美しいと思いました。

寺田さんは、現役時代に世界の航空機事故に関するデータベースをまとめる仕事をしています。それをベースにしているのでしょう、現在「失敗知識データベース」で、航空機に関する部分のほとんどの執筆者です。余談ですが、「失敗知識データベース」の中にある航空機に関する記述で寺田さん以外の方が書いているものには、いい加減なものが多くあり注意が必要です。中には、失敗学の失敗といっても良いほどひどいものもあります。

寺田さんの著作について

寺田さんからは、「この施設でエンジニアの卵が見て学ぶには時間が短すぎる。」とお叱りを受けていました。実際に行ってみて、実感しました。すごいボリュームです。

学生たちは、それぞれに感動をしていました。実は私自身も、大変面白く、いくつか眼からうろこ、というところがありました。

これから何回か連載で見学記を書きます。施設の紹介ではなくて、私の勝手な観点から面白いと思ったことに絞って書きます。予定は、次の4項目。

*極超音速風洞

*超音速エンジン試験

*研究開発用飛行シミュレータ

*複合材技術開発

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国家試験会場で同窓会

Cimg0020 昨日は、航空工場検査員国家試験の受験。東京タワーのすぐ下が、会場です。徳川家の菩提寺である増上寺を抜けて、会場へ行きました。

受験後の学生の顔は、様々。結果が出る1月を楽しみにしておきましょう。

Cimg0021 現役の学生だけではなくて、毎年卒業生が受験に来ます。再チャレンジするもの、ジェットエンジンを扱う航空機用原動機から回転翼や航空機など他の部門に拡張を狙ってくるもの、これも様々です。

Cimg0017 今回は、三菱重工名古屋航空宇宙システム製作所で技術職として活躍している3人が来ていました。「写真を撮るぞ・・・」と言ったら、「あっ、あのブログに載せる気でしょう。」「見ているのか。本当に載せるぞ。」

当初はそのつもりは無かったのですが、その場ののりで掲載することにしました。卒業生も見ている人がいるようです。

「仕事をしながらの勉強は大変です。」わかりきったことだけれど、異口同音に彼らの口から出てくる言葉です。

本日東京は雨。これからJAXAへ。

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さんまの塩焼き定食

古い話ですが、久米宏のニュースステーションという番組に「最後の晩餐」というコーナーがありました。もしこれが最後の夕食だとしたら、あなたは何を食べますか、という問にゲストが答える形で、死生観を味覚に絡めてさらりと話題にするものでした。

自分だとしたら何かなぁ、と考えながら見ていました。すぐには思いつきませんでしたが、目を瞑って考えをめぐらせると、美味しかったものが次々と浮かび上がっては消えてゆき、「焼きさんま、大根おろし、シジミの味噌汁」が最後に残りました。釧路市の漁師町に育ちましたから、貧乏家庭の定番夕食でした。脂の乗ったさんま、辛みと香りのある大根おろし、滋味のしじみ、いろいろなものを食べてきましたが、やはりこれです。食べ終わったら骨をストーブの上に乗せて、こんがり焼けたら、バリバリと食べる。香ばしくて美味しかった。

そういえば、絵を好きになったのも、皿の上の秋刀魚、からでした。

Cimg0011上京しています。ホテルの近くの定食屋のおすすめメニューが「さんま塩焼き定食」でしたから、迷わず食べてきました。もちろん最後の夕食ではないはずです。

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センスと教育

科学ブログでこのところ3位から6位をいったり来たりしていました。そのライバル(?)のなかに「鴉工房」という名のブログがあります。恐竜などを描く画家であり美術の先生ということで、スケッチがたくさん掲載されており、気に入っていて時々訪れていました。

そこに先月末「美術教育の犠牲者」という記事が載って、たくさんのコメントがついていました。美術教師の仕打ちがトラウマになり「美術教育は不要」という考えから、自分の子どもにも絵を描かせない、という人の投稿をきっかけとした議論です。センスは、教育できるか、が論点のひとつです。

私も、コメントを書きました。しかし、そこで交わされている議論にかみ合うようなことはかけませんでした。結論的なことを書くのは、私にとって少々重過ぎる。でも何か言っておきたくなった、というところです。

技術教育でも、センスの有無は問題になります。

明日、学生を連れて上京します。航空工場検査員国家試験(航空機用原動機)の受験です。彼らも一生懸命勉強をしていましたが、さあどうなるか。

受験が終わったら、JAXAへ見学へ行きます。

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小中学生のブリッジコンテスト

ブリッジコンテストの英語版のHPを作っています。時々質問がきます。

先日は、カルフォルニアの小学校の先生から、小学生向けのブリッジコンテストについて教えてほしいというものでした。

Building_toothpick_bridges 米国では、小学校高学年から中学生向けにつまようじブリッジのガイドブック(「Building Toothpick Bridges」)が出版されています。この本、図画工作でも理科でもなくて算数のプロジェクト「Math Project」シリーズなのです。かの先生には、この本を紹介しました。知っていたのかなぁ。

青少年のための科学の祭典千歳大会では、つまようじブリッジコンテストの決勝戦を行うと同時に、小中学生向けのつまようじブリッジの作り方と競い方を発表し、実際に作ってもらおうと思っています。

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純国産ジェット旅客機

 昨日純国産ジェット旅客機開発の計画があると書きましたが、それを紹介したHPです。

A00a 国産小型旅客機技術の研究

(環境適応型高性能小型航空機のイメージ図:JAXAのHPより)

三菱重工が機体を石川島播磨重工がエンジンを作る計画のようです。それぞれの得意分野というところでしょう。

JAXAや物質・材料研究機構(旧金材研)も参画するようです。船頭多くして船山に登る、とならないよう、ぜひ成功させてほしいものです。

来週JAXAの航空宇宙技術研究センターを訪問します。計画の一端を見ることができるでしょうか?

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