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航空機用新素材と航空機事故

 昨日JAXA「複合材技術開発センター」の訪問記を書いたときにAmerican Airlines Flight 587の事故について触れました。

Aa587  2001年11月、事故が起きた当初は、9.11テロの直後で場所もニューヨーク、JFK空港を飛び立ってすぐの住宅街に墜落したことから、テロが疑われました。テロの可能性がないことが分かった後は、エンジンの故障か脱落が原因として疑われました。エンジンはガソリンスタンドに落ちていました。しかし、調査が進むと、炭素複合材(CFRP)の垂直尾翼が破壊したことに起因した墜落であることが分かってきました。新素材が絡んだ初めての大きな航空機事故でした。

Aa587  今回、リンクを貼ってからサイトを良く見ると、2004年にNTSBの事故報告書が出ていることが分かりました。

斜め読みをしただけですが、事故原因は、疲労割れではなく、過荷重による垂直尾翼の破壊だったとのことです。乱気流に巻き込まれた際にクルーがラダーの操作を誤り、垂直尾翼に設計時想定外の過荷重がかかり、破壊したとのことです。JALのジャンボ機通過後の乱気流だったようです。

垂直尾翼が吹っ飛んだという点では、1985年のJAL123便の事故、1989年のUA232便の事故と共通しています。この事故では離陸直後で高度が低かったので、あっという間に墜落しています。

Aa587fg このような新たな事故に関しては、米国では航空当局自身が調査の経過・報告書などを、その間の議論を含めてWEB上に公開しています。

 直接の事故原因でないとしても、破面解析の結果非破壊検査の結果などを図や写真を含めて公開しています。こんなアニメーションまで公開しています。Aa587ut

 超音波探傷の結果です。破壊箇所の周辺に層間剥離があったようです。

事故を「恥」と考えて隠そうとするか、「次の事故をなくすための新たな知見を得るチャンス」と考えるか、大きな違いがあるように思えます。

 写真はNTSB(National Transportation Safety Board)のサイトに掲載されていたものです。

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