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超音波の定義(2)

JIS Z 8106:2000 「音響用語」を手に入れました。」(当初8106を誤って2300と書いていました。訂正しました。)

「超音波音 可聴音の上限周波数(およそ16kHz)以上の音響振動」

超音波ではなく超音波音です。対応する英語も、「JIS Z 2300」が「超音波:Ultrasonic wave」に対して「JIS Z 8106」では「超音波音:Ultrasound」です。

非破壊検査の分野では超音波はUltrasonic waveですが、医学の超音波検査ではUltrasoundです。

えっ!なにが違うのという感じです。同じStressを機械工学では「応力」というのに対して土木工学では「応力度」というのに事情が似ているのでしょうか?

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でもいずれにしても「聞くことを目的としない音」という定義は出てきません。

Wikipediaでは、「超音波 (ちょうおんぱ) とは、人間の耳には聞こえない高い振動数をもつ弾性振動波のこと。狭義には周波数が16kHz以上の音波を言い、広義には人間が聞くことを目的としない音波のことを言う。」となっています。履歴をのぞくと、今年の4月に後半が付け加えられています。

英語版のWikipediaでは「Ultrasound is sound with a frequency greater than the upper limit of human hearing, this limit being approximately 20 kilohertz (20,000 hertz).」です。

丹羽氏の叙述は、「計測が目的の音→聞くことが目的ではない音」につながっているようです。「聞くことが目的でない音」に対する対概念は「聞くことを目的とする音」となるでしょう。

「聞くことを目的とする音」を改めて考えてみると、なんかへん、良くわかんないです。

聞くという行為は本来受身であって、「聞くことを目的する音」というのは可聴音の中では狭い範囲になります。例えば、風の音も人の話す声も聞こえてくるが、コウロギの声を特に注意して聞こう、というときのような・・・。

まぁとりあえずJISでは、「聞くことを目的としない音を広義の超音波とする」という定義はなさそうです。こういうのは、一般に広く使われ始めるとJISだってそのうち変わってしまいますからねぇ。

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コメント

超音波の定義って禅問答みたいですね。私は煙に巻かれてすっかりわからなくなりました。(自分もパイプで一服)
文章で解り易く説明するのは難しいんですね。
16KHzとか20KHzを電磁波にすると空間を伝わりだす様ですが、超音波だとどれ位の距離を伝わるもんでしょうか。
 可聴音だと大正時代、東京湾(東京港・晴海辺りでしょうか)の汽船の汽笛が中野坂上辺りで聞こえたという話です。

投稿: クマ | 2006年12月29日 (金) 03時29分

クマさんおはようございます。
私も規格の制定にちょっとだけ首を突っ込ませていただいたことがありますが、用語については慎重で、他の規格を引用するかそれができないとすると禅問答のようになります。

>16KHzとか20KHzを電磁波にすると空間を伝わりだす様

そうか、電磁波だと周波数が高くなると空間を伝わるようになるのですね。

超音波が空間をどのくらいの距離まで届くのかの限界は、今私はわかりません。基本的には発信する超音波のエネルギーの大きさに依存します。
ただ、液体中・固体中と比較して空気中は超音波は伝わりにくいほうです。
ロボットの目として使われている超音波で数m、液面計に使われているのでその数倍というところが空中の超音波として多く使われているところです。

投稿: SUBAL | 2006年12月29日 (金) 09時32分

SUBALさん、おはよう。

> 同じStressを機械工学では「応力」というのに対して土木工学では「応力度」というのに事情が似ているのでしょうか?

 私は「応力度」に賛成。応力は2階のテンソル量ですが、ある面が指定されれば力/面積で定義されます。異なる量から誘導されるのは「度」で表すと誤解がないのです。密度や速度も同じですね。

 一方、同じ量から誘導されるのは「率」です。金利とか成長率などですね。ひずみは(伸びた・縮んだ長さ/元の長さ)なので「ひずみ率」と教えると学生も頭に入りやすいと思いますが、どうでしょうか?
 率は同じ量から誘導されるので単なる数値、無次元です。この意味で平面角を表す「ラジアン」は長さ/長さなので率の仲間と言えるでしょう。

投稿: 271828 | 2006年12月31日 (日) 04時20分

271828 さん

う~ん、なるほど。一理ありますね。
もう少し用語が学習者にとって理解しやすいように整理されるとよいのになぁ、と思うことはあります。
Strainは機械工学では「ひずみ」で土木工学では「ひずみ度」です。これでは引き分けですか?英語の語感では、StressとStrainが区別しにくい、という話も聞いたことがあります。
定義というお約束事で動くので、年中使う専門領域の学者先生には何の問題もないのでしょうが・・・。
こういうのは、声の大きい権威のある人が言ってしまうと、少々変でも通ってしまう、というところがあります。
「聞くことを目的としない音=広義の超音波」説には、北の大地から大声で異議を唱えたいのです。まだ間に合いそうな気がします。

投稿: SUBAL | 2006年12月31日 (日) 09時39分

SUBALさん

> 英語の語感では、StressとStrainが区別しにくい、という話も聞いたことがあります。
 きっとそうだと思います。ガリレオの『新科学対話』(岩波文庫、リクエスト復刊が出ています。買うなら今です)の第一日と第二日では材料力学が議論されています。彼はかなりいい線まで行くのですが、結局「応力概念」を正しく定義できたのは約150年後のヤングやコーシーでした。なぜでしょう。
 ガリレオは希臘の伝統から異なる量から新しい量を作り出すことが出来なかったのです。ずっと比例を使って議論しています。これは第三日から議論される動力学を見ても分かります。等速度運動の定義を比例でやるので、読むに耐えません。x=vtという表現形式は極めて近代的なのです。

投稿: 271828 | 2006年12月31日 (日) 19時08分

応力は、材料力学の最初にσ=W/Aで出てきて、まぁソンなもんか、という感じでした。が、考えれば考えるほど難しいというか面白いですね。このブログのタイトル「かたちのココロ」はこの応力の理解をひとつの極として意識しています。

投稿: SUBAL | 2006年12月31日 (日) 20時55分

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