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浸透探傷検査の実際

Ptmiyoshi 非破壊検査の領域で、待ち望んでいた本が発刊になりました。書名は、「浸透探傷検査の実際」(アグネ技術センター)。著者は長年原子力発電所などの検査技術の向上に取り組んでこられ、(社)日本非破壊検査協会の元会長でもある三好滋氏です。

浸透探傷検査は、強磁性体である鋼以外の金属(オーステナイト系のステンレス、アルミニウム合金、チタニウム合金、耐熱合金)の表面に開口したきず初期の疲労割れなどを検出するのに有効な方法です。

毛細管現象を使います。

はけとウエスと洗浄剤・たわしやブラシなど、親しみやすい用具を使う方法もあるために、「簡単な検査」という誤解をする人もいます。

実際には、経験と手わざと判断力が最も要求される検査方法です。中でも、浸透指示を観察してそれが何ものかを判断解釈するには、幅広い知識とともに経験の蓄積がものをいってきます。

実際の検査現場で検査技術者は、きずを検出して基準に従って分類するだけの仕事をしている場合が多いでしょう。「原因調査」はやられない場合がありますし、やる場合でも現場の検査技術者に知らされないことのほうが多いのです。また、「原因調査」をする人は、現場で欠陥が見つけられる様子を知らないこともあります。これでは、年数を重ねて多くの現場を踏んでも、経験は技術として蓄積されてゆきません。

三好氏は、専門である冶金学の知識をベースにして、数多くの現場事例を集積してこられて、講習会ではその一端を披露することはありました。

私は、年に数回お目にかかることがありますので、一般の技術者が参考にできるように出版してください、とお願いをしてきました。「こういうものは文章化するのは難しいのだよ」と言われていました。今回、170枚を超える写真とともに筆者の長年の研究成果がまとめられています。

検査技術者はもちろん、構造物の安全にかかわっている方に、手の届く範囲に本書を置くことをお勧めします。

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