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「超音波診断法事始」(その2)

和賀井敏夫著「超音波診断法事始」には、超音波による人体内部の診断法を開発する過程が書かれています。

超音波診断装置も金属の超音波探傷器もベースとなる部分は、同じです。パルスの超音波を発信して受信するパルサーレシーバーと、表示部分です。表示部分のベースは、オシロスコープです。

Ut 右の図は、私がパソコンの中に作った仮想超音波探傷器です。縦軸が音圧をあらわし、横軸は時間軸ですが、時間軸の校正を行うことで反射元までの距離として読むことができます。この表示はAスコープ表示といいます。

Aスコープ表示の情報に、探触子の位置情報などと合わせて画像を作ると断面などの「絵」を得ることができます。

医療用の超音波診断装置は、このAスコープの情報を輝度変換をして、断面画像として表示するのが普通です。

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Wagai2 和賀井氏の著書には、手作業で輝度変換で断面画像を得る過程が書かれています。(左の図)

当初はCRT(ブラウン管)に表示される波形をトレーシングペーパーで写し取ったといいます。

反射信号の解釈をめぐって頭を悩ませている過程も書かれています。臓器の何かからの信号と考えていたら、検体と水との間を往復する多重反射であったとか・・・。

このあたりは、私は情景が目に浮かびました。Aスコープ表示で表示される信号の正体がわからず、あれこれ悩んだ経験を持っているからです。結局なあ~んだ、ということも。

現在の医療で超音波診断装置を操作している人たちで、Aスコープ表示を読める人Aスコープで悩んだ人は、ほとんどいないでしょう。

この本は、後進のためにと書かれていますが、一番ためになり有意義に読めるのは医療関係者ではなく、非破壊検査にかかわる技術者ではないかと思います。

臓器の音響インピーダンスを得るための測定も、実に面白い。追実験をしてみたくなるほどです。

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