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エキスポランド事故 壊れたのは車軸だったのか?

報道では、車軸が疲労破壊したとされています。このブログでも車軸と表現してきました。

こちらの記事で、車軸とはいえないのではないかと指摘しています。車輪ユニットとバギー車を接合するボルトではないか、年に1回の探傷検査するとされるJISの規定では、この事故で破損した箇所は対象外と読めないか、ということです。

Jet なるほど、言われてみるとそうかもしれません。私も、当初は車軸といわれているのだから軸に車輪がついていると思っていました。5月12日に軸のCGを作ったあたりから、へんだと思い、取り付け部の様子を知りたいとブログに書いてきました。この軸の取り付けの様子と機能を確信したのは、5月20日ある方からの個人メールによる情報ででした。その後、CGで「車軸」の取り付けを作り、このブログに公開してきました。その後も「車軸」という表現を使ってきました。軸は回転はしませんが、車輪ユニットにはベアリングがつけられていて、わずかに回転してアップダウンやカーブの変化を吸収しています。(画像をクリックしてください。簡単なアニメになっています)

リンク先の記事の筆者が指摘しているように、確かにJISが亀裂点検をすべき箇所である「車軸」から今回の「ボルト」は外れていると読む解釈は成立しそうです。

でも・・・・

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この車輪ユニットとバギー車の取り付けを見て、車輪がついている車軸に探傷検査が必要とされるときに、今回の軸(ボルト?)は対象外と考えるとしたら、機械工学は何のためにあるのかと問いたくなります。少なくとも、この分野の技術に携わる者としての基本的な資質にかけると思います。

ここに基準や法令を遵守するということと、技術者としての責任ということの重なるところと重ならないところがあるように思います。

ただ、ここに問題が2つあります。

(1)技術がわからず法令や基準を遵守さえしてれば良いのだ、とする圧力に抗しえるようなJISなり法令なりの文言になっていないことは問題。

(2)現場の保守点検に携わる人が、構造や疲労破壊などの「教養」をどの程度身につけているのか。「これは危ない」という問題意識がわいてこなければ、「技術者としての責任」もくそもない。

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コメント

>「ボギー軸は、5~6年たつとはめ合い部分が摩耗しているものがあった。接着剤ですき間を埋めたりして補修した」と証言する。解体点検の際は油圧式機械やハンマーを使って車軸を抜いたり、差し込んだりするが、摩耗が進行し抜けやすくなっているものもあったという。

圧入が確実に出来ているなら、まず嵌めあい部分が「磨耗」することはあまりありません。ただ、勘合部がフレッチング磨耗を起こしているとなるとそこから磨耗/がたを生じているという可能性があります。(これはどちらからかが真円度が出てないとか、衝撃荷重を受けると生じるのですが、このメカニズム自体は仮説段階を出ていません。普通はこれがあった段階で試作段階なら即、対策となります。また圧入作業の繰り返しによるへたりもありうるですね。)
もちろん、圧入が不完全なら管理者のようにカンチレバーのようになって切削屈曲部の応力集中があることになります。

このような状態変更に対して、「接着作業OR充填作業を行う」というのは、一寸設計者としては考えたくない非常識な作業です。但し、メンテナンス技術者がそういう認識をする可能性はあります。それは設計思想がメンテナンス作業者に不足していたといえるとおもいます。(実際、それに対応したデブコンという商品名の鉄並みの強度を持つかなり特殊な接着剤が用いられます。けどそれは変性エポキシベースなんですよね。また接着部の界面がちゃんと食い込んでいたか・・・ということで暫定対策なんです。今回の補修レベルだとそれさえも使っていたか疑問ですけど)

ただ、厄介なことに、メンテナンスの勘所が伝承されていなかったということ(設計者は危ないところというのは、それなりにメンテナンス周期などで書き示すもの)です。ところが業務継承したメンテナンス会社からは指示がなく(指示を受ける体制になく)独自でやっていたというんですよね。それも問題ですが、これでは管理者と、メンテナンス技術者の資質ということになってしまいます。この「資質」は、どのメンテナンス会社でも困ってるところでして、大概の会社はオンコールで設計者に問い合わせるのでしょうが、それが出来なかったという問題点もあるんですね。
(妄言失礼致します。)

投稿: デハボ1000 | 2007年6月 6日 (水) 02時07分

写真を見ましたが、新聞によっては「錆びていない」とかいてあるみたいです。しかし、亀裂源がフレッチング磨耗を起こしているに相当する錆びのレベルはこの程度でも起こりうると考えます。

投稿: デハボ1000 | 2007年6月 6日 (水) 07時38分

デハボ1000 さん こんばんは
デブコンをつけたとしたら、次の点検のときに大変でしょうね。常識的には圧入している箇所が疲労亀裂がないか心配なところですからねぇ。

破面が「曲げ疲労」であると確定できましたので、破断箇所になぜ曲げ応力なのか、という視点で考えています。

起点はねじの谷で、教科書通りの応力集中箇所ですから、疲労の起点でのフレッティングは問題になるのかなぁ。材質欠陥の可能性もありますが、あの箇所に曲げ応力がかかってしまった、この点が本質的な問題であると考えています。

投稿: SUBAL | 2007年6月 7日 (木) 00時08分

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