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エキスポランド事故 ほかに亀裂が

ペアで運行されていた「雷神号」の軸に亀裂が見つかったと報道されています。

私は、以前にも書きましたが、調べればほかの軸にも疲労亀裂があるだろうと予想していました。1本だけというのは意外に少ないなという印象です。(詳細に調べたのかなぁ?)

今回見つかった亀裂のある軸と、亀裂のない軸の違いを周辺の状況を含めて現場を調べると、本当の原因が見つかるだろうと思います。

報道では杜撰な検査と叩いていますが、果たしてそうでしょうか。私は、3日間の講習で資格が与えられる「検査員」に見つけられる亀裂ではなかったのではないかと見ています。

今回見つかった亀裂は、事故の箇所と同じということです。だとすると、ナットをはずして、ねじの谷のところです。10mmを超えていて、そこが怪しいとわかっていればおそらく目視でも見つけられるかもしれません。鋼の割れはコントラストが低くて漫然と見ていたのでは大きなわれでもわからないことが多いです。

では、どのくらいの時期に、どの程度の割れがあったと予想できるでしょう。

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これは、疲労破面のストライエーションを観察することで推測することが可能です。

しかし、現時点でも平川さんに教えていただいた方法で、亀裂進展の割合はパリス則から予想できます。
Crosssectional_shape3 直径はどうも33mmのようです。2mmの亀裂が20mmに達する時間(繰り返し数)に対して3mm、5mm、10mm、15mmから20mmに達する割合を計算することが出来ます。そうすると曲げ応力として3mmで65%、5mmで35%、10mmで11%、15mmで3.4%となりました。(平川さんの計算と多分材料定数の取り方の違いだと思いますが若干のずれがありますが、大きくは違わないと思います)

2mmから20mmまでの進展が10年だと仮定すると、5mmまで6.5年、10mmまで8.9年、15mmまで9.7年かかることになります。10mmからで約1年、15mmからですと4ヶ月で破断ということです。

2mmから20mmまでの進展が5年だとすると、当然その半分です。疲労破面が大きいですが、ある程度大きくなってからの亀裂の進展は速いことがわかります。

探傷検査としては年1回の検査であれば、3mmに達する前に検出しなければならないでしょう。
磁粉探傷であれば、可能です。しかし、何度も言っていますが、3日間の講習で仕立て上げられた「検査員」では無理です。

ここで行っている計算は、大雑把な予想で、いくつかの仮定が入っていることをお断りしておきます。

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コメント

おはようございます。
詳細な記事ありがとうございます。

>調べればほかの軸にも疲労亀裂があるだろうと予想していました。1本だけというのは意外に少ないなという印象です。

多分目についたやつだけ検査したのでしょう・・彼ら(大阪府警)にしてみれば1本あれば十分ですから

>3日間の講習で資格が与えられる「検査員」

もしかして、そんな人たちが子供たちの命を預かっているのですか?(大げさですが)

投稿: 和太郎 | 2007年6月25日 (月) 07時31分

こんにちは、またまた続編が出てきましたね。他にも食肉偽装(食品工業展で肉関係の食品機械も見学しました)、ガス爆発(ガスの配管関係の研究室に出入りしています)など、身近な話題が大きな問題としてとりあげられることが多くなっています。正しく報道されるとよいのですが、また犯人捜しだけで終わってしまうのでしょうか。

投稿: KADOTA | 2007年6月25日 (月) 07時39分

和太郎 さん

>もしかして、そんな人たちが子供たちの命を預かっているのですか?

それに関して書いた記事にリンクを張っておきました。非破壊検査をなめているとしか思えません。

KADOTA さん
このところニューストップになっている「食肉偽造」のミートホープは我が家の近くです。
「混ぜればわからない」は名(迷)言かもしれません。姉歯設計に通ずる発想ですね。
20年程前には、可燃性ガスと酸素濃度を多点同時連続計測するシステムを計測器メーカーの協力を得て作ったことがあります。
私たちは、危険と隣り合わせの生活をしていますから、科学的知識が倫理観が問われていると思います。どちらも怪しくなっているようで・・・。

投稿: SUBAL | 2007年6月25日 (月) 22時09分

なんか、やれやれというアクシデントなのか隠蔽の露呈が出てますね。倫理的視点から見てもここまで沢山でてくると、一寸違う見方が出てきます。曰く、経営者の資質というところを論議する必要が有るのではないか。各々の資質はなんだろうか・・・というところをもう一度クリアにしないと難しいですね。
非破壊検査にせよ、爆発防止にせよ機材は結構市販されていますが、使い方などの基礎知識自体が現場担当者がマスターされていないという問題点を日々感じています。(後者に関しては連続計測の機材の入手は有る程度の専門家でなければ選定さえしにくいという問題も悩みのたね)

投稿: デハボ1000 | 2007年6月26日 (火) 22時44分

渋谷の温泉施設の経営者は、どうも自分が扱っているものの危険性を自分が認識できていないことを自覚できない、という様子でした。(無知犯)
苫小牧の食肉業者は、「食中毒を起こしたわけではない、あなたたちだって安い肉を喜んで食べてたじゃないか」というのが多分本音でしょう。危険性も良く知りながら、人をだましてでもぎりぎりをやろうとした、と見えます。(確信犯)
さて、エキスポランドの経営者はどちらなのでしょう。


>非破壊検査にせよ、爆発防止にせよ機材は結構市販されていますが、使い方などの基礎知識自体が現場担当者がマスターされていないという問題点

かつて、日本クラウトクレーマーという会社は「超音波探傷器を使える人を作る」というのを営業政策のひとつとして展開しました。何を隠そうドイツ仕込の教育を(無料で)1週間受けて、私は超音波探傷を仕事とする自信がつきました。もちろんそのときに身に付けたものは、ほんの出発点に過ぎませんでしたが・・・。そのときの講師と20年後、日本非破壊検査協会で「超音波探傷入門」の本を作るときに一緒に仕事が出来たのも幸運でした。

>後者に関しては連続計測の機材の入手は有る程度の専門家でなければ選定さえしにくい


専門家ではありませんでしたが、必要なシステムはありませんでしたから作らざるを得なかった、というところでした。

投稿: SUBAL | 2007年6月27日 (水) 02時39分

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