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エキスポ事故 破断箇所の写真公開だが・・・

エキスポランド事故の破断した車軸の写真が、やっと公開されました。

Exshaft この写真は6月4日に北海道新聞のニュースサイトに掲載されていたものです(6月7日現在削除されています)。でもどうして、破面そのものの写真ではないのだろう。取材した記者も、90度回してといってほしい。その破面の様子から、多くのことがわかるのです。記者も、そのくらい勉強をして取材してほしいものです。情報の価値は半減どころではないのです。

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この写真からいえることを考えて見ます。

(1)疲労の起点は、ねじ底ではなくて、断面が変化する箇所のアールの太い側のように見えます。(曲げ疲労をしめしている?)(6/5追記:その後公開された破面を見ると、私のこの見解は割れの始まりと終点を見間違っていることがわかりました。疲労の起点はねじ底からです。)

(2)最終破面は、45度せん断力方向に走りねじ底に至っている。(材料が比較的やわらかい延性材料である特徴を示している)

(3)疲労破面が断面全体の少なくとも半分以上を占めているように見える。2/3という報道もある。(小さな応力が長時間繰り返しかかる高サイクル疲労を示している)

いかがでしょう。疲労の専門家が見たらもっと色々なことがわかるでしょう。

それにしても、今回破断したところのひとつ手前の段のところ、ほとんどアールが付いていません。このあたりで破断することは想定していないですね。

Expoimage10 も うひとつ気づいたことがあります。この軸は図面にある軸とは形が違います。バギー車本体に挿入されている部分がテーパーになっていません。(左の図は図面から起こしたものです)

こちらのCG(最初に作った車軸のCGです)に近いものです。図面から起こしたものに比べると細くなっているように見えるのは気のせいでしょうか?

View5228725これは、WEB上の報道にあった写真(左)を元に作成したものです。この図面と実物のずれは何を意味しているのでしょう。

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コメント

SUBALさま こんばんは
破面そのものの写真も大阪府警は公開した模様です。探すのですがなかなか見つかりません。。。どうも情報操作があった模様です。リンクが途切れています。

投稿: 和太郎 | 2007年6月 5日 (火) 00時24分

SUBALさま たびたびです。
追加の情報です。
大阪府警が公開した写真は4枚です。
検査機関に提出するための公開らしいです。
①写真の画像(マスコミ公開)
②破断面(軸側)
③破断面(ナット側)
④車輪ユニット(全体像)
以上4枚です。

http://www.chugoku-np.co.jp/NewsPack/CN2007060401000516_National.html
中国新聞の内容によると東京の検査機関に出すそうです。

また何かありましたら連絡します。

投稿: 和太郎 | 2007年6月 5日 (火) 00時32分

SUBALさん、おはようございます。
写真、朝のWeb朝日で見ました。

これだけでは本当に「よくわからない」ですね。

ちょっと見える限りの破断の外周部分の様子から、ねじり破壊の傾斜にも見えちゃいます。

面そのものの写真を公開することが、そんなに問題のあることなのか、疑問ですね。

投稿: 平田敦 | 2007年6月 5日 (火) 09時14分

軸の横から見た破面写真を拝見しました。お説の通り、正確な判断にはもう少し斜めから見た写真が欲しいですね。ただ、写真から見る限り、き裂はねじ底を起点とする、曲げ疲労のようです。ただ、わずか10度程度、き裂が横断面から傾斜していますが、これは通常ですとわずかに捩り応力が作用したことになりますが、なぜトルクがかかるのが分かりません。
図面から、ねじ部にかかる応力を計算しますと、(軸径50mm、車輪と破断部の距離200mm,軸荷重をPtonと仮定すれば)16.3kg/mm2×Pとなります。いま、Pを300kg(乗り物と乗車人)とすれば、応力は約5kg/mm2となります。ジェットコースタなので、荷重は上限に両振りするとすれば、ねじ部の高サイクル疲労限度5kg/mm2に等しい応力がかかっていたことになります。
設計時に、この実働荷重をどの様に評価していたか、疲労安全率を幾らにとっていたか、刑事責任としてstate of the artが問われることになります。
また、超音波探傷で、ねじ底に出たき裂を検出するのは2~3mmの大きさにならないと現場では無理でしょう。しかしそれ以後のき裂速度は速くて、1年間隔の検査で事故が防ぐことができたか、これもstate fo the artの問題でしょう。き裂の速度も仮定を入れれば、計算できますが、ここでは長くなるのでやめときます。
もっと詳しい写真と、設計荷重を知りたいものです。

投稿: K.Hirakawa | 2007年6月 5日 (火) 10時54分

こんにちは
今朝の読売新聞で破面の写真公開していました。軸側とナット側の面が並んでほぼ水平に撮影されています。シロクロなので良くわかりませんが最終破壊面は伸び切れたような(ねじ切れた様な)形状になっています。(下部?)

投稿: 和太郎 | 2007年6月 5日 (火) 12時21分

ありました。。。
http://osaka.yomiuri.co.jp/tokusyu/expo/20070605kf01.htm
じっくり見て考察お願いします。

投稿: 和太郎 | 2007年6月 5日 (火) 12時24分

和太郎さん。読売新聞大阪版で破面を見ることが出来ました。情報有り難うございます。
破面を見る限り、起点はナット側のねじ底で、通常のボルトの疲労に見られるように、起点はねじの2山の底のようです。曲げ疲労で、捩り疲労は有りません。先ほど、コメントした応力で破壊したようです。本件これで決着です。後は、state of the artsによって、誰に責任が有るかと言うことです。

投稿: K.Hirakawa | 2007年6月 5日 (火) 16時04分

和太郎 さん
情報ありがとうございました。

K.Hirakawa さん
分析コメントありがとうござます。
ビーチマークがかすかにしか見えないということは、応力振幅の変動はあまり無かったと見てよいでしょうか。
それにしても、この箇所に曲げ応力がなぜ生じたかが解決されていないと思います。
わたしの推測が当たっていれば、頻繁な点検は次の事故要因を作ることになるのですが・・・。
改めて記事にしてみます。

投稿: SUBAL | 2007年6月 5日 (火) 20時00分

皆様こんばんは
K.Hirakawaさん お役に立てて光栄です。
http://news.tbs.co.jp/part_news/part_news3578890.html
にて今日放映されたニュース映像(動画)のなかで車輪ユニットの画像も鮮明に写っております。

圧入部にテーパーがないので少しの緩みで応力が折損部に集中しそうな設計ですね。
仮にテーパーがあれば応力分散できたのにと思ってしまいます。

それに風神雷神余計なものいっぱいついていて重そうです。人間退けて1車両300kgはあるでしょう(乗車感想)

投稿: 和太郎 | 2007年6月 5日 (火) 20時52分

SUBALさんの執念が、破面を公開させたのではないでしょうか。ご苦労さまです。
破面がsmoothなのは応力が疲労限度ぎりぎりなの低い値で、き裂が極めて緩やかに進展したからでしょう。
何回も抜き差しで検査したとは考えにくいのですが、むしろ殆ど検査していなかったのでははないでしょうか。

和太郎さんの圧入部にテーパが有れば、云々のご意見は、私には何のことか分かりません。テーパが有ればどうして応力が分散されるのでしょうか。教えてください。圧入部が緩んでいたので、ねじ部で荷重を負担したと言うことなら納得です。

投稿: K.Hirakawa | 2007年6月 5日 (火) 21時49分

K.Hirakawaさん
まず、正直うまく説明できない事をお許しください。(技能をも打ち合わせていないと言う事です。)

曲げの応力と言うのは力点が存在すると思っていました。
テコの原理です。
圧入部に微細なガタやずれがあったとして
力点からの作用点の角度をテーパーの角度が受けうるのかな?って素人ながらに思っていました。
力は車輪側にかかるので...(汗;)
的外れお許しください。

ところで
破面を画像処理したところナット側に縞模様が2/3のあたりまであります、特に最終破面の手前でよりはっきりしてきます。
余談ですが。

投稿: 和太郎 | 2007年6月 5日 (火) 22時17分

K.Hirakawa さん
ありがとうございます。新聞やテレビで色々なことが言われていますが、 K.Hirakawa のおかげでここのブログが、最も早く正確な情報を発信できたと思います。
私は、明確な根拠はないのですが、少なくともメーカーであるトーゴが倒産するまでは、まじめに分解して点検していたと見るのです。
しかし「検査員」は3日間の講習で資格が与えられるひとです。適切な非破壊検査がされたとは思えません。初期の疲労割れを検出できる検査をしていないにもかかわらず、抜き差しだけはまじめにしていたという推測です。
その現状は、現在も変わっていないのでは、私がここまでしつこくこの問題を取り上げている所以です。

平田さん
遅くなりました。画像処理をして見ますと、破面が痛んでいるのがわかります。もしかしたら公開を渋った理由かも。公開した写真はコントラストが低くなるようにして、痛みを目立たないようにしたのではないのかと疑っています。

投稿: SUBAL | 2007年6月 6日 (水) 23時51分

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