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航空工場検査員国家試験結果発表

昨年10月に実施された航空工場検査員国家試験の結果が発表になりました。東京タワーの直下にある機械振興会館が毎年会場です。

私のところでは、13部門あるうち航空機用原動機部門(ジェットエンジンの部門)を受験します。

今年全国で合格者が26人でしたが、そのうち私のところの学科の学生が11人でした。42%の占有率ということになります。

国土交通省ではなく経済産業省が航空機製造事業法に基づいて実施する航空関係の国家試験です。概要はこちら。今回の結果はこちら

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これをはじめたころは暗中模索でした。資格試験ですから「傾向と対策」の調査研究は徹底してやりました。専門学校の教員ですからね、この辺はプロです。でもやればやるほど傾向と対策ではうまくいかないことが解ってきました。

農業をやったことはありませんが農業にたとえると、傾向と対策の徹底は肥料と農薬で収量をあげる方法でしょう。土作りと品種改良を同時に強力に行わないと届かないことが次第に明らかになりました。これは面白いと思いましたね。

最初の年、今から9年前は、課外で取り組みました。「こちらも暗中模索だけれどやってみようというやつはいるか」と声をかけたら15名を越える学生が手を挙げました。「T塾」と名づけて土曜日に勉強会をしました。ここでは、誰かが教えるのではなくたとえば「推力について」というテーマでグループ発表をして、徹底討論をするというやり方をしました。

半年の勉強期間を経て初めての受験。このときは、私も含めて全滅。でも試験会場から出てきた学生たちの口から出てきたのは「今回は受かっていないけれど、先生大丈夫、いける、向こう岸は見えていた。」というものでした。長時間勉強をして、それなりのお金をかけて上京して、結果がだめそうでも、恨みごとを言う学生はいませんでした。正直その言葉にぐっと来ましたよ。その後2桁の合格者を出すまで7年かかりましたが、彼らのチャレンジ精神で拓いた地平が間違いなくベースです。

数年に一度まぐれのように受かるのでもダメだし、出来のよい子が一人二人受かるのでもダメなのです。歯ごたえはあるが、頑張ればみんなにチャンスはある、受かる、ようやくここまできました。

私も勉強しました。非破壊検査の教員ですが、ジェットエンジンについてずいぶん勉強させてもらいました。航空機用原動機と発動機制御装置については資格ホルダーになっています。なんでもそうですが、勉強は突き詰めると面白いですよ。

えっ?今回私の結果はどうだったのかって?航空機部門で、7科目すべて合格しなければ部門合格にはなりませんが、「航空機の理論」はまぐれで受かりましたが、「プロペラの理論」がダメで不合格でした。あと1科目。10月のはじめは9月末原稿締め切りだった「超音波」本の第5章を必死で書いていました。ちょっと弁解モード(汗)。

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コメント

こんばんは。
非破壊検査技術者の資格試験は勉強をちゃんとすれば合格できる試験だと思うのですが、合格率は低いですよね。仕事を抱えながら勉強するのは確かに大変です。でもそれ以前にテキストの内容が「高級」過ぎて難しいという意見も聞きます。これくらいの文書を読む能力がなければダメと門前払いをされている気になるようです。もう少しとっつきやすいテキストがあれば資格者も増えるんだろうに、と思っています。先生の学科卒業生から将来そんなテキストを執筆する人物が現れるのを期待しています。

投稿: niwatadumi | 2008年1月15日 (火) 22時39分

niwatadumi さん
非破壊検査のテキストや試験問題には私も色々意見がありますし、ことあるごとに発言しているのですが、なかなか変りません。

問題点は

* テキストの執筆者・試験問題の作成者が学者・研究者が多くて、資格試験を受けたことが無い人が多いこと。

* 高卒の物理知識のレベルを高校の物理の教科書のレベルだと誤解している。履修率の実態を知らない。だから大学の1~2年(それもかなり昔の)を対象にした内容でよいと考えていること。

* 試験問題を事後も非公開にしている。時代に逆行。

それとあえて付け加えれば、体系がある理系のテキストを執筆する場合、「難しく」書くのはある意味簡単なのです。やさしく書くには底力と覚悟が必要なのですね。私は覚悟だけでやっていますが(笑)。

>学科卒業生から将来そんなテキストを執筆する人物が現れるのを期待

多分そんなに遠い将来の話ではありません。すでに、JSNDI主催の講習会の講師・指導員をやっているのがおります。今苦労をして勉強をしていますよ。
私ですらちょっと前まで「若手」といわれた中では超若手でしょう。彼以外にも、わからせてなんぼ、という人はまだ少数ですが、「若手」を中心にしていますので、徐々に変っていくでしょう。

投稿: SUBAL | 2008年1月15日 (火) 23時13分

すごいですねー合格者の半数程度が航空専門学校の学生さんだなんてー

資格試験はやった分だけ自分に返ってくると思います。自分がやらなかった時は問題がチンプンカンプンだし、それになりにやっていった時は問題を解くのが楽しくてしかたがありません。

学生のころにあまり勉強に熱心ではなかった自分への課題として、資格試験はこれからもチャレンジしていこうと思っています。確かにやればやるほど・・・っていう大変さとおもしろさがありますし。
しかしやたらと覚えるのに時間がかかってしまうのに、脳みその衰え?年齢のせい?が悲しいです。(笑)

投稿: murakami | 2008年1月16日 (水) 22時21分

murakami さん

働きながら勉強をするのは大変ですが、その分身になるような気がします。学生さんはいいですよ、昼間から勉強をしていてもとやかく言われませんからね。

>脳みその衰え?年齢のせい?が悲しいです。

オイオイ、何をおっしゃいますか。まだまだこれからでしょう。私が超音波を最初に勉強したのが31歳のときです。うらやましい限りです。
私ぐらいの年齢になったら、資格試験はリハビリあるいはボケ防止なのですよ。

投稿: SUBAL | 2008年1月17日 (木) 00時59分

はじめまして、こんにちは。
私も本年受験予定(初挑戦)としております。
無謀にも同じく航空機を挑戦です。(問題を見て愕然としておりますが)
既に7科目中、6科目が完了/合格されていらっしゃるとのことで、
敬服する次第です。
何分情報が少ないので藁をも掴みたいところです。
どこか本資格の情報を交換する場ってないものですかね。

投稿: まどか | 2009年8月 6日 (木) 12時23分

まどか さん ようこそ

私は今年都合で受験申請をしませんでした。これで3年間有効な科目合格の期限が切れて、来年受けるとしたら4科目受けなければなりません。
私が大学の工学部卒なら、免除科目がありますからもうとっくに合格しているのですが、何せ文系なので全部受けなければなりません。

>どこか本資格の情報を交換する場ってないものですかね。

多分ないですね。私も相当調べたのですが、あれば知りたいです。過去問をやるだけでは難しいですね。
ただ免除科目がないのであれば、いきなり航空機ではなくて、原動機もしくは回転翼から取ってゆくのがやりやすいとは思いますが・・・。

投稿: SUBAL | 2009年8月 6日 (木) 12時42分

ご返答ありがとうございます。
ある特定の工学部卒業の方は、かなり免除が受けられるのでうらやましい次第です。
と愚痴をこぼしても仕方ないので、やれるだけやってみようと思います。
もしお力を拝借できるというのであれば、Mail等でいろいろと意見交換できれば幸いです。

投稿: まどか | 2009年8月 7日 (金) 12時01分

まどかさん
がんばってください。
月並みですが、学問勉強に王道はありません。
脳に汗をかいて勉強したことは後々生きてきます。

投稿: SUBAL | 2009年8月 7日 (金) 17時18分

SUBALさんはどのような参考書で問題の解決をなされていらっしゃいますか? 普通の参考書では載っていないものが多数あるように思います。特に航空機の理論で感じます。
H10問3、H11問1、H12問1、H15問5、H16問4 など
解決されていらっしゃいますか?
H18問1(1)やH19問2は答えが一致しないなど。
ご協力いただければ幸いです。

投稿: まどか | 2009年8月10日 (月) 12時25分

航空技術協会が出している航空工学シリーズと、あとは通常の機械工学の参考書ですね。材力なら材力、熱力なら熱力、最後は機械工学便覧でしょうか。
現在休暇中で手許に問題集がありません。具体的な問題については分かりませんが、たいていは解決していると思いますよ。
中には変な問題もあって、私は原動機の理論でおかしいと思ったので、経済産業省に質問状を出したことがあります。4つありました。ひとつは私の勘違いでした。もうひとつは経済産業省側が誤りを認めましたが、あとの二つは認めませんでした。その2つも明らかにおかしいことを指摘しておきました。その後類似問題は出ていません。
H12以前は独特の簡易式で解くことを想定した問題もあるようですが、たいていはきちんと解くと近い値が出るようになっています。
まどかさんもおかしいと思われたのなら経済産業省に質問されてみたらいかがでしょう。
自分をさらして質問する場合には安直な質問はできませんからそれなりに緊張して調べ勉強をします。
それが勉強になると思いますよ。

投稿: SUBAL | 2009年8月10日 (月) 13時03分

SUBALさま
航空機部門に何とか合格することができました。
ご協力ありがとうございました。
その後解答間違いについて経済産業省に質問し、私の勘違い等の物ありましたが、5問について間違いを認めていただき、正誤表の発表に至ったのは成果であったと思います。
今回原動機の原理の問題は結構難しかったですが、貴校の生徒さん達は如何でしたか?

投稿: まどか | 2010年2月 1日 (月) 12時55分

まどか さん
合格おめでとうございます。何にもお手伝いできませんでしたが、熱心な勉強の成果が出たのだと思います。
私が航空機用原動機を受験したとき、何回か経済産業省に手紙を書きましたが、そのときの事を思い出しました。そういう手紙を書くときはうかつな事はかけないから事前に調べ考えます。私の場合はそれで相当実力がついたように思います。
うちの学生は、今年原動機部門で合格者6名。今年初めて航空機部門で1名合格が出ました。ちなみに私は秋口は忙しすぎて今年度受験しませんでした。
受験した人数(分母)が少なかった割には、まあまあなのかなと思っています。

投稿: SUBAL | 2010年2月 1日 (月) 19時23分

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