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Wiiリモコンが高校物理教育に・・・

WiiAccの利用と資料の配布に関して、栃木県総合教育センター研修部の方からメールをいただきました。了承をいただきましたのでメールの一部を公開します。

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当センターでは、日頃、栃木県の公立学校の教員を対象として、各種研修を行ったり、様々な資料を作成して学校に配布したりしております。
私は主に、高校の物理分野を担当しておりますが、この度、高校での授業で役立ててもらうため、「速度・加速度の測定実験」に関する資料を作成して栃木県内の高等学校に配布することになりました。

御存じのことと思いますが、高校物理の授業で力学台車等の加速度を測定するときは、直接の測定が難しいため、ほとんどの場合、紙テープ式の記録タイマーやストロボ写真を用いて、一定時間間隔毎の移動距離を測定し、その時間変化から間接的に加速度を求める方法がとられます。
これは、データの処理に手間と時間がかかる上、それほど精度の良い結果も得られないことが多いという問題があります。

Wiiacctochigi そこで、加速度の測定に関して何か良い方法や実験装置はないかと、ネット等で探している中で、SUBAL(管理者注:本名の部分をペンネームに変えました。いまさらばればれだろうって?そうなんですけれどね一応)様が作成された「WiiAcc」を知りました。
早速、Wiiリモコンを購入し、力学台車に搭載して加速度を測定してみると、理論値に非常に近い値が簡単に得られましたので、今回作成する資料の材料として最適だと考えました。

つきましては、「WiiAcc」を用いた実験の例を資料に掲載させていただき、県内の先生方に紹介することによって、各学校の授業で活用させていただければと思い、ご連絡いたしました。

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WiiAccは、ニンテンドーWiiリモコンに搭載されている加速度センサの値をBlueToothを通してパソコンに取り込み保存するためのソフトです。こちらの動画をご覧ください。学校の物理教育などの場で使ってもらえればよいなぁ、と開発当初から考えていました。

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公開してから1年余り経ちますが、意外と利用が広がらないなぁ、と思っていました。使い勝手が悪いのか、従来の加速度計測のほうが生徒たちの勉強になるのか、ゲーム機器が学校に入ることへの抵抗があるのか、それとも・・・。

どこかの高校で力学台車を使って計測をしてみたいなと思っていました。

これを機会に、利用が広がるとよいなぁ、と思っています。もしも私が高校生なら、この授業のあと自分でたっぷり「復習」をするでしょう。

正式なタイトルは「高等学校における教科指導の充実 理科(物理領域) 学ぶ手応えを実感できる授業を目指して [速度・加速度]」というそうで今月末までには、栃木県内の各高校に配布されるそうです。4月になると、栃木県総合教育センターのHPで公開されるそうです。私のところには原稿が送られてきて、ブログで公開してもよいとのことですが、おおもとのHPで公開されるのを待つのが順当でしょう。

さあ、何人の先生が面白いと思ってやり始めるでしょう。楽しみです。

実際に使ってみると色々なことがわかってきます。どうも個別のWiiリモコンの特性に多少ばらつきがあるようで、今メールのやり取りで、XYZ方向それぞれでキャリブレーションをする機能を搭載したほうがよいかも、という話になっています。キャリブレーションを行うのは、WiiリモコンとWiiAccの組み合わせを測定器と考える場合には、当然必要になる事項ではあります。

キャリブレーション機能を搭載する方法についてはそれほど難しい話ではありません。それでも、ある程度の作業量になるので気合を入れないとできません。近々やります。

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コメント

SUBALさん おはよう

私のブログで紹介した「落下衝撃記録装置」は3軸の加速度センサーが組み込まれていますが、測定できる加速度のレンジが2桁違います。たしか200G程度です。

一方の生産台数は6桁違うのではないでしょうか?従って価格は2桁違います!

投稿: 271828 | 2008年3月 4日 (火) 06時53分

実は、我が家 SUBALさんのwiiリモコンとfitのブログ記事に触発されて、遅ればせながらwiiを購入しました。最近は、出張がちなわたしが家にいない間に、機会音痴の嫁さんがwiiを毎日テレビにつないでfitネスしています。ゲーム機なんて嫌いといっていたオナゴも虜にする!色々な楽しみ方を提供してくれるFUN to Play なたいした奴ですよね。

投稿: taka-tyu | 2008年3月 4日 (火) 07時57分

こんにちは。教材に採用おめでとうございます。毎月案内がくる物理サークルの会報にも加速度センサーを使っての教材のお話が載っていました。自作ロボット部品でも1000円程度で売っているのですが、これが動く回路を組むのがけっこう大変のようです。
http://akizukidenshi.com/catalog/items2.php?c=gal&s=popularity&p=1&r=1&page

現在、アナログ入出力のプログラムでいろいろなセンサーでデータ収集をしようとしています。収集はできるのですが、取り込んだデータを制御して出力するのに苦労しています。

投稿: KADOTA | 2008年3月 4日 (火) 20時50分

271828 さん
コメントとトラックバックありがとうございました。
ブログでシリーズで取り上げられていた「落下衝撃記録装置」、どこまでWiiリモコンで追随できるのか、Wiiリモコンを落としたりして考えていました。衝撃的な加速度を測定するには、Wiiリモコンではレンジだけではなくサンプリングレート問題がありそうだと思いました。でも加速度を理解するには面白すぎるくらい十分だと見ています。私自身、加速度計に多様な仕様があるのが少しずつのみこめてきています。

taka-tyu さん
ニンテンドーでWiiやWiiFit開発の指揮を執っている宮本さんが、WiiFitではゲームに見向きもしない自分の奥さんの関心をひきつけることを目標にした、というプレゼンをしていたのをどこかで見た覚えがあります。宮本さんの狙い的中ですかね。

KADOTA さん
栃木県総合教育センターの資料にも秋月電商のキットの件も載っていました。ただ、レンジやサンプリングレートの前に、USBを介して有線になるのが動きのあるものの加速度をとるのにはネックになるかな、と私は見ています。
パソコンの外部とのやり取りが自在に出来るようになれば楽しいでしょうね。

共同開発の頼もしいパートナー平田さんから、メールが3通入っています。やる気満々。でもちょっと待ってくださいね。まだ風邪も治りきっていません。

投稿: SUBAL | 2008年3月 4日 (火) 21時21分

ううむ。なるほど。高校では資金的に加速度を実測する実験が容易に出来る環境にないのですか・・・
私が使っていた加速度センサーは共和電業製のが多かったですが、これが温度ドリフトがひどくて、結構校正が大変でした。
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むしろこういう副次的なところを押さえれば、応用範囲が大きいかもしれないですね。工業教育に対し北関東3県は熱心な地域ですし。

投稿: デハボ1000 | 2008年3月 5日 (水) 18時11分

デハボ1000 さん こんばんは
Wiiリモコンと同程度かなと思われる仕様の3軸加速度測定ユニットで数万円していましたからね。数万円という価格は教材として高いのか安いのか、微妙な感じがしますが・・・。

力学台車の運動や自由落下をストロボや鈴を使って観測して加速度を求める実験では、⊿v/⊿tを表とグラフから求めて・・・、という手順になるのでしょう。加速度を理解してゆくにはオーソドックスな道程なのだと思います。
刻々変化する加速度を観察できると、面白さは別次元になるような気がしています。振り子運動でも、自由落下でも高校物理の世界を飛び出す種がすぐに見つかります。
それがもしかしたら受験には有害になるのかも、ちょっと勘ぐりすぎかな。

共和電業さんとは付き合いがあります。電気抵抗ひずみゲージのリーディングカンパニーですよね。十勝沖地震に伴う長周期振動の影響で、出光興産の原油とナフサのタンクが炎上した事故がありましたが、あの後共和電業の加速度センサが備蓄基地の原油タンクに備えられて、スロッシングとそれに伴うフローティングルーフのゆれを監視しています。

投稿: SUBAL | 2008年3月 5日 (水) 22時15分

>振り子運動でも、自由落下でも高校物理の世界を飛び出す種がすぐに見つかります。
昔の数学の高校向け書物に「あえて枠のそとに飛び出し、漂泊の風から見ると新たな知識が見える」と書いてあり、この言葉に感動したことがあります。感動する人もいるはずなのですが・・モチベーションが受験に特化されると排除されるのがいますね。たしかに「受験には有害」というひとがいます。けど人生にとってはどうなのでしょうね。
>共和電業の加速度センサが備蓄基地の原油タンク
あっそうか。防爆区域なら選択肢が少ないかもしれないし、バリアをかますと本質安全が取れるとなると、他のモノは不向きかも。

投稿: デハボ1000 | 2008年3月 6日 (木) 02時10分

デハボ1000 さん
暗記科目になった物理とお定まりの「(結果のわかりきった)実験」にあきあきした生徒の中には、枠を飛び出す事象にわくわくする人は確実にいると思います。

例の地震のときに、1基だけでしたが加速度センサが取り付けられていて、長周期振動による原油タンクのスロッシングのデータが初めて採れたのだそうです。原油タンクのルーフ上は本質安全防爆でなければならないはずです。

投稿: SUBAL | 2008年3月 6日 (木) 23時48分

はじめまして。大学教員をしています。ニノミーといいます。谷村康行先生の、作成したWiiACC の記事をみて、はまってしまいました。早速、ソフトをダウンロードして、使い方通りに行ってみると、とてもおもしろかったです。的確に加速度が拾い出せていました。今後wiiを利用して加速度を使用し、データ取りをして、研究に使ってみようと思いますが、よろしいでしょうか?
もしよろしければ、このメアドにご連絡いただけると幸いです。とても、この加速度に興味を持ちました。ご多忙中誠に恐縮ですが、よろしくお願い申し上げます。(HP上からメールしておりますので、もし返信メールをいただけましたら、私の所属と氏名、研究テーマを再度お送りいたします。)

投稿: ニノミーです | 2012年10月 6日 (土) 02時42分

ニノミーさん

お知らせいただいたメールアドレスに、先ほどメールをしました。

投稿: SUBAL | 2012年10月 6日 (土) 02時53分

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受信: 2008年3月 4日 (火) 05時42分

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