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超の意味(Ultra vs Super + Hyper)

UltraとSuperは何が違うのか、前回は英英辞典で調べてみました。

Cimg2229 今回は日本語の辞典です。調べたのは、講談社の「日本語大辞典」(初版 1989年11月6日発刊)。

この辞典は、ほとんどの語について対応する英語が収録されています。そこで、超のつく語をピックアップして、その対応する英語がultraなのかsuperなのかあるいは別のものなのかを調べました。

結果は、

ultraは、11語。ただしそのうち9語は超音波関係。たとえば超音波洗浄装置(ultrasonic cleaner)。超音波関係以外のultraは、超微粒子(ultrafine particles)と超国家主義(ultranationalism)

superは、16語。超国家銀行(supernational bank) 超新星(supernova)超合金(superalloy)など。

hyperは、1語。超微細構造(hyperfine structure)

その他が、17語。超高電圧送電(extra-high voltage power transmission) 超硬合金(cemented cabide) 超過勤務(overtime work)

対応する英語表記なしが、4語。

でした。

カタカナの

ウルトラで収録されているのが、4語。その中には英英辞典にはない「ウルトラC」も。

スーパーで収録されているのが16語。

ハイパーで収録は、2語。

でした。

へーと思ったのは、超高層ビルの英語表記・・・。

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超高層ビルは、skyscraperです。誰が名づけたのでしょうね。スクレパーは現場では錆や塗料などをちょっと削るのによく使った道具です。

日本語では、ultraとsuper英語辞典ほどの語数の差はないように見えます。しかし超音波をのぞくと、スーパーとウルトラではスーパーの圧勝です。

ウルトラもスーパーも他と差別化するためにつける接頭辞でしょう。どちらもあまり意味に違いはないように見えます。オックスフォード現代英英辞典の表記では、

super-  (in adj ectives, adverbs  and nouns) extremely; more or better than nomal

ultra-  (in adj ectives and nouns) extremely; beyond a particular limit

superは、普通より多いもしくは良い・・・という意味。どちらかというと相対評価。

ultraは、ある特定の限界を超える・・・という意味。どちらかというと絶対評価。といえるかもしれません。

日本語大辞典では、

スーパー 普通の程度をこえていること。たいへんすぐれていること。

ウルトラ (名)①極端なこと・人。②(Ultralinken(ドイツ語)の略)過激主義者・急進主義者

      (接頭)極端な

となっています。

スーパーは大体英英辞典と同じような説明ですが、ultraはずいぶん意味合いが違います。言葉の意味は時代とともに使われ方で変化してゆくものです。ultraは否定的な意味から肯定的な意味への変換が起きているのでは、というのが今回の調査を経ての推論です。そこには超音波利用技術の普及が関係しているのでは、というところまで行くと少し我田引水かもしれません。

人間の耳に聞こえる聞こえないを周波数という物理量で線を引き、一線(20kHz)を超えたものを超音波としたわけです。英英辞典にはそのニュアンスがあります。ちなみに英英辞典にはultranationalismは収録されていません。

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コメント

こんにちは。お調べいただきありがとうございます。勉強になりました。下記に少し書いてありましたが、確定的な答えはないみたいです。

http://blogs.wankuma.com/kacchan6/archive/2007/10/30/104868.aspx

投稿: KADOTA | 2008年4月19日 (土) 20時28分

KADOTA さん こんばんは
いずれにせよ他と差別化して「すごいぞ」というために使う言葉でしょうから、どれが優位かというのは、おしくらまんじゅうでどちらが勝つか、のようなものかもしれません。
ウルトラの語源かもしれないドイツ語のUltralinkenについては、来週超音波関係のドイツ人の友人と会う機会がありますので聞いてみようかと思います。

投稿: SUBAL | 2008年4月19日 (土) 20時52分

SUBALさん

きっちり調べていませんが、ultraの語源はドイツ語ではなくてやはりラテン語です。

一方のhyperの語源はギリシャ語。双曲線はhyperbolaですが、日本語(中国語?)の訳は形を写しているだけで、アポロニウスの『円錐曲線論』の定義を反映していません。

superの語源は私のお手軽電子辞書にはありません。

投稿: 271828 | 2008年4月20日 (日) 03時18分

271828 さん こんにちは

ありがとうございました。語源で頼りになるのは271828さんかな。

>ultraの語源はドイツ語ではなくてやはりラテン語です。

語源をさかのぼればラテン語かギリシャ語に行き着くのでしょうね。
研究社の新英和辞典には外国語由来の慣用句が載っていまして、その中にultraがラテン語から来た慣用句として収録されていました。

ultra posse nomo obligatur
意味は英語で
No one is obliged to do more than he can

これからするとultraはmore thanという意味ですね。
日本語大辞典記載の Ultralinkenは極左ですから、これがultraの語源ということはないでしょうね。

そうするとultraの意味の変遷としては、穏やかなmoreから、政治に翻弄されて「極端な」になり、超音波を通してある限界をこえるもの・・・となっていった。

投稿: SUBAL | 2008年4月20日 (日) 08時35分

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