F15飛来と超音波
私の職場は新千歳空港の西側にあります。
新千歳空港は南北に長い滑走路を持っていますが、民間航空機は離陸時も着陸時も空港の東側を飛びます。東京羽田行きが北へ向かって飛び立つときには、飛び立ってすぐに右に旋回して空港の東側でUターンをするようにして南西方向に飛行します。
新千歳空港の西側の空域は「官」が使っています。新千歳空港の西側には自衛隊第二空団の滑走路(旧千歳空港滑走路)があります。それで、職場の上空にはF15がよく飛来します。
今日も来ましたので、安手のデジタルカメラでどの程度写せるのか、シャッターを切ってみました。
こちらは縮小せずにトリミングをしたもの。F15のかたちはよく見えています。
このF15の垂直尾翼、2枚立っているのがこの写真でもわかると思います。この垂直尾翼なんですが、・・・
炭素繊維複合材(CFRP)でできています。CFRPは、簡単に言えば炭素繊維で編んだクロスを重ねてエポキシの接着剤で張り合わせたものです。軽くて丈夫。金属疲労割れのような欠陥は発生しないのですが、独特な欠陥が出てきます。
振動で曲げの力がかかると、重ね合わせた接着部にずれるような力(せん断応力)が発生して、はがれる場合があるのです。層間剥離と呼ばれる欠陥です。
この層間剥離の検出は、超音波の得意技で独壇場です。
10数年前に第二空団を学生と見学していた際に、ちょうど垂直尾翼の超音波探傷をやっていました。そばを通ると、ビー・ビーと超音波探傷器から音が出ていました。学生が「なんですか?」聞いてきたので、「ゲート音だね。ターゲットとなる信号が出たらブザーを鳴らせて知らせるようする仕掛けをゲートというんだ。おそらく層間剥離が疑われるエコーが出ているのだろう・・・」と答えていましたら、案内の自衛官のかたが「先生は超音波探傷をご存知なのですか」と尋ねてきました。しょうがないので「ちょっとだけですが、知っています。」と答えました。
私が今の職場で超音波探傷の教育を開始するちょっと前の話です。
今、ボーイング787やエアバスA380などの新しい旅客機の主要構造部材にCFRPが使われる時代になってきました。その検査に携わっている教え子が大勢います。
思えばあっという間の期間でしたが、色々な人に助けられてひとつの道は作れたかなという感じがします。
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