« 2008年5月 | トップページ | 2008年7月 »

2008年6月

携帯電話のレントゲン写真

Cimg2453 キャンパスの芝生には、いろいろな種類の花が咲いています。よく見るとタンポポにもいろいろあるようです。もう少し写真の技術があれば、きれいな情景なのですが・・・。

放射線透過試験の専門家には写真好きの人が多いです。写真撮影と共通する部分は多いでしょう。

Cimg2456 学生がエックス線透過写真(レントゲン写真)を撮る練習をしています。また別の学生が、使わなくなった携帯電話を持ってきて、壊すなり何なり好きにしてください、と申し出てきました。

壊す前に、レントゲン写真を撮ってもらいました。

溶接部などのエックス線透過写真は、見慣れないと何がなんだかわかりません。普通の人にこれが欠陥です、と説明しても、「心霊写真」なるものを見せられて、「ここに怨念がおんねん」といわれているようなものかもしれません。

でもこういうものを撮影すると、これはなんだろうという興味がわいてきます。拡大写真は続きで・・・。

にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ ポチッと応援よろしく。

続きを読む "携帯電話のレントゲン写真"

| | コメント (4) | トラックバック (0)

貴重な映像

今週は久しぶりに出勤をしなくてもよい週末で、のんびりしています。

Fatigue_test_jal123 YOUTUBEをのぞいていて、貴重な映像を見つけました。1985年8月12日におきたJAL123便の事故に関するNHKの特集番組です。かつて見たことはあるのですが、録画はしていませんでした。

改めて見ると、これは貴重な番組です。最近のNHK(に限らずですが)の事故関連の報道や番組には、いろいろと問題を感じていましたが、この番組は報道機関として正統に突っ込んでいると思います。

いくつか考えさせられるところがあります。

現在のわたしの関心からすると、その中でも圧力隔壁の修理ミスについて、東大で疲労試験を行っている場面が改めて新鮮でした。このときの亀裂の進展の仕方、破断の仕方、破断回数(実際とのずれも含めて)大変興味深いです。なるほどと思います。

いま、二十歳前後で学んでいる人たちは、この事故後に生まれた人たちです。彼らにすると、遠い歴史上の出来事かもしれません。私は、多くの犠牲が出ているからこそ、事故からできるだけ多くを学ぶことが必要だと考えています。

ところで、このときのキャスターは柳沢秀夫氏。当時30台ですね。

にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ ポチッと応援よろしく。

続きを読む "貴重な映像"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

全国から警察隊が集結

北海道洞爺湖サミットが間近になって、私たちの居住区に他府県ナンバーの警察車両が目立つようになって来ています。

今日の帰宅途中、国道36号線には1km以上にわたって鹿児島県警のパトカー・装甲車・護送車がずらっと並んで走っていました。

Cimg2451 車で走行中でしたので写真を撮ることはできませんでしたが、少し走ったところにあるスタンドには熊本県警の車両がたくさんいて給油をしているところでした。

千歳市内では、検問の「練習?」が始まっていて、渋滞になっていると聞きました。

サミット会場のホテルは山城のようなところですが、そこへ向けて要人たちは千歳市内を経由してゆくことになるのですね。

にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ ポチッと応援よろしく。

続きを読む "全国から警察隊が集結"

| | コメント (4) | トラックバック (0)

耐熱合金の輝き

ターボジェットエンジンJ34の分解と展示教材の作成を行っています。

2組が同時進行をしています。一組は、ローター(回転部)を中心にした、展示モデルで、ピカピカに磨くことにしています。

Cimg2439 写真手前が磨いた燃焼器で、隣が取り外したままの燃焼器です。

材質の詳細は不明ですが、ニッケル基の耐熱合金であることは間違いないでしょう。

にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ ポチッと応援よろしく。

続きを読む "耐熱合金の輝き"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ジェットエンジンの特殊なねじ

J34エンジンの分解作業は、2つのグループが試行錯誤を繰り返しながら今のところ順調に進んでいます。

今日は特殊なねじを紹介しましょう。

Cimg2448 このねじ、面白い形をしているでしょう。大きいほうはナットになっています。小さいほうはボルトですが、逆ねじが切ってあります。反時計方向にまわすと締まります。

この2つのボルとトナットは、ペアで使います。さて、どこにどのように使うのでしょうか?

にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ ポチッと応援よろしく。

続きを読む "ジェットエンジンの特殊なねじ"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

加速度センサが検知しているもの

「加速度は、単位時間当たりの速度の変化量であり、速度を時間で微分することで求められる」というのは、高校物理で教わることです。

移動距離と時間の関係を求めて、そこから速度を求め、さらに加速度を求める、微分を2回行うことで加速度が求まるわけですね。

Acceleration_2 ところで、加速度センサは「移動距離と時間から・・・」なんてまどろっこしいことはしていません。力=質量×加速度の関係から、センサ部に加わる力を検知しています。正確には、力が加わることによる変形率(ひずみ)を検知しています。

弾性限度内では、応力とひずみは比例します(フックの法則)から、ひずみから力そして加速度へは簡単な比例式で換算できます。

加速度センサはこのひずみを電気信号に変換する役割を果たしていて、その方式に、静電容量や圧電効果・電気抵抗ひずみゲージなどがあります。

にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ ポチッと応援よろしく。

続きを読む "加速度センサが検知しているもの"

| | コメント (6) | トラックバック (0)

ターボジェットエンジン 燃焼室の蛍光浸透探傷

ターボジェットエンジンJ34(Westinghouse社製)を分解して磨き、展示モデルを作るプロジェクトが進行中です。

Cimg2405_2  燃焼室(アニュラー型)が取り外されて、磨きにかかっています。その過程で割れ(Crack)らしきものがあったので、蛍光浸透探傷試験(通称ザイグロ:Zyglow)を実施してみました。

Cimg2391 割れの指示模様が出ました。熱疲労割れでしょう。

2万円台のデジタルカメラで指示模様がどの程度接写できるかやってみました。

にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ ポチッと応援よろしく。

続きを読む "ターボジェットエンジン 燃焼室の蛍光浸透探傷"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

ケネディー宇宙センターからの手紙

Cimg2384 Kennedy Space CenterからAir Mailが届きました。

なんだろうと思ったら、卒業生からでした。内容からして、ここで公開してもよいだろうと判断して公開します。

         

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

拝啓 初夏の候、いかがお過ごしでしょうか。

昨年自分が配属されている部門に、自分と同じ航空技術工学科卒のKが配属されてきました。

先生のことを聞くと、相変わらずお元気です、と言っていましたので安心しました。

突然のこの手紙ですが、自分は現在宇宙機器品質保証課に配属されており、日本でH-2Aロケットの検査業務を実施していましたが、一昨年より宇宙ステーションの日本モジュール「きぼう」の検査をケネディー宇宙センターで実施しています。

手紙を書いている今は、現地5月30日で、打上を明日に控えています。「きぼう」は、NASAによりスペースシャトルで打上げてもらうため、あとは無事成功するのを祈るのみです。

最近、先生のホームページを見つけて、懐かしく思うとともに、先生方の教えが世界中で生きていることを知っていただきたく、お手紙を差し上げました。

またいつか学校に遊びに行きたいと思いますので、そのときは宜しくお願いいたします。敬具

平成16年卒 義本知範

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

うれしいですね。元気で活躍してくれていることもですが、文面に母校と後輩に対する気遣いがにじみ出ています。

星出さんのミッションが華々しく報道されていますが、何年も前からこの日のために地道に積み上げてきた技術と努力があるのですね。その現地最前線でのスタッフのなかに卒業生がいたとは・・。「きぼう」が身近に感じられます。すべての準備を終えて打上を待つばかりとなったスタッフの気持ち、どんなのでしょうね。ちょっとうらやましい。

それにしても、この手紙、5月30日の消印で届いたのが今日です。半月以上。ミッションはすでに終了していましたhappy01。AirMail30年前より遅くなっているような気がします。AirMailではない船便の手紙というのがあって、それだと米国から半月ぐらいかかったような記憶があります。

ところで、手紙をくれた義本君は、学生時代「つまようじブリッジコンテスト」で、流れを変える重要な役割をした一人でした。

にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ ポチッと応援よろしく。

続きを読む "ケネディー宇宙センターからの手紙"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

ガリレオの慣性の法則

[慣性の法則] ブログ村キーワード

加速度を考えるときに、慣性の法則は必ずペアでついてきます。加速度ゼロの状態を説明するものだからです。

加速度を実験で明らかにした人は、ガリレオ・ガリレイだったということですが、ガリレオは慣性の法則も発見しています。

Galilo2 ガリレオの実験は、左の図のようなものだったようです。この事実は、透明なビニールホースとビー玉があると概略を簡単に確認できます。

これで、慣性の法則が説明できてしまいますね。

ここまでは、理科か物理の教科書にのっていることもあります。

野田学著「初めて学ぶ物理『力学』」(ナツメ社)には、最後の斜面を水平にするところが、ガリレオの「思考実験」だと書いてありました。この一言を高校生のときに教えてほしかったなぁ・・・と思いますね。

どこまでも運動を続けるなんて実験的には確認できませんし、ある程度の長さでやろうとしても空気抵抗や摩擦抵抗でそのうち玉は止まってしまいます。

法則が法則として認識されるのは、実験結果からストレートにではなく論理的な思考を通してだということを、この叙述は言っています。そこから広がる世界は広大なものがあると思います。

ところで、慣性の法則はニュートンの運動の法則、その第一法則ですよね。その発見者がガリレオ?ニュートンは、ガリレオの成果をパクッたのでしょうか?

にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ ポチッと応援よろしく。

続きを読む "ガリレオの慣性の法則"

| | コメント (5) | トラックバック (1)

加速度の発見者 ガリレオ

加速度の概念を最初に導入したのは誰かなと調べてゆくと、あのガリレオ・ガリレイだということです。

加速度というと、たいていの教科書は車や電車の速度変化から説明してゆきます。私たちの生活の中で、加速度を体感しやすい場面だからですね。

ガリレオの時代にはそんな速い乗り物はありません。ガリレオは、物が落ちるときに速度が変化することに気がつきます。そこで、速度の変化を実験で調べることにします。

速度の変化を調べるには、一定時間ごとの移動距離を測定すればよいわけです。問題は時間を計る時計です。確かに物が落ちるとき速度が変化しているのは注意深く観察をしていればわかることですが、1mを落下するのに0.45秒しかかかりません。10mからでも1.4秒です。さすがにガリレオ、およそ1/10秒の時間間隔を計測できる水時計を作ったそうです。それでも、1秒2秒は瞬間の出来事です。

実験名人ガリレオが行った実験は・・・・

にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ ポチッと応援よろしく。

続きを読む "加速度の発見者 ガリレオ"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

Wiiリモコンで加速度計測

WiiaccnpWiiリモコンで加速度を計測する話題が、新聞に掲載されました。

地方版ですが、扱いは大きく、タイトルにはオリジナルイラスト入りです。

これを機会に、WiiAccの活用が広がればよいのですが・・・。

WiiAccについては何回かに分けて書いていますから、簡単な目次でも作っておきましょうか。

にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ ポチッと応援よろしく。

続きを読む "Wiiリモコンで加速度計測"

| | コメント (8) | トラックバック (0)

ターボジェットエンジンとサクラソウ

キャンパスにはサクラソウが咲いています。

Cimg2263 現在、J34ターボジェットエンジンを分解整備した上で、メカニズムがわかる展示物を作るプロジェクトが進行中です。

学生に2台のJ34ターボジェットエンジンをあずけています。教員の側からは安全上の注意や問われた場合のアドバイスはしますが、どのようなものにするかを含めて学生のアイデアで進めています。

にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ ポチッと応援よろしく。

続きを読む "ターボジェットエンジンとサクラソウ"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

レールの金属疲労に関する本

北海道では、昨年からレールの破断事故が続けて何件か起きています。それも時々使う千歳線で起きていましたから、専門の非破壊検査技術云々を超える関心を持っていました。私の情報元は新聞報道などに限られ、またレールの破損とその検査方法については門外漢で知識もありませんので、このブログでも取り上げるのを控えていました。

しかし、5月30日未明に私の居住区である苫小牧市内でまたレール破断が起きたとの報道に接して、翌日現場に出かけました。その現場で見たことをブログ記事にしました。

Rail_fatigue 勝手気ままに書いているこのブログも、色々な方に読んでいただけているようです。この5月24日に「英国高速鉄道 ハットフィールド脱線事故の真相-レールの金属疲労は何故起こったか」(慧文社刊)を上梓された平川賢爾さんからご著書を送っていただきました。

平川さんの本は、昨年「ドイツ高速鉄道脱線事故の真相-技術者の責任論から-」を、エキスポランド・ジェットコースター事故について連載している中で紹介させていただきました。事故が起きるたびに、被害者の代弁するという衣をつけながら「でたらめ」「杜撰」という乏しいボキャブラリーで道徳的に当事者を責めるだけのマスコミの論調に辟易していたところでした。技術者の倫理・責任を“State of the art”(当時の技術水準に照らして最善を尽くしたか)の観点から検証すべきという主張は目を開かせてくれるものでした。

めぐりあわせということはあるものだと思いますが、このタイミングで「レールの金属疲労」に関する本があれば、事前に平川さんのことを知らなくても購入しました。著者署名入りの本をいただけるのは、光栄であり嬉しいことでした。

にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ ポチッと応援よろしく。

続きを読む "レールの金属疲労に関する本"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

超音波分科会と桜

ちょっと前ですが、6月2日に登別温泉で開かれた、JSNDIの超音波分科会に出席してきました。

Cimg2351 会議ももちろんためになりましたが、5月忙しくて少々ばて気味の体には、湯元第一滝本の温泉は格別効きましたね。

Cimg2349 木村勝美先生の話は、超音波探傷用標準試験片STB-Gの話。1952年から開始された標準試験片つくりの当初から中心におられた方の貴重な話でした。音響異方性が少なく、減衰係数・音速のばらつきの小さい材料を求めて苦労した話は、そのまま戦後日本の鉄鋼生産技術の歴史の一端でもありました。

航空機に多用されてきている炭素繊維複合材(CFRP)の探傷について、JAXAの方と日本クラウトクレーマーの方から2件の発表がありました。ボーイング787やA380など日本製の炭素繊維を使って航空機がどんどん国内で作られていますから、探傷分野でも日本が世界をリードしてゆく条件は整っているという印象を受けました。

にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ ポチッと応援よろしく。

続きを読む "超音波分科会と桜"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

超音波によるレールの保守検査

先月5月17日の北海道新聞には、こんな記事が掲載されていました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

レール破断見逃さない

JR北海道の「レール探傷車」 札幌近郊からスタート 

線路の傷を超音波で検査するJR北海道の「レール探傷車」の本年度の出動が、 札幌近郊で始まった。道内では、昨年十二月と今年二月にレール破断が 相次いで見つかっており、担当者も細かな傷も見逃さないよう、 厳しい目でデータを見つめている。

探傷車は三年前の導入。ふだんは岩見沢レールセンターに所属し、 雪のない五月から十月の間、定められた検査スケジュールに従って道内各地に“出張”する。

前後を動力車に挟まれた探傷車の最高速度は時速四十キロ。 検査は旅客列車の運行終了後の未明に行われ、岩見沢-江別間など、 一日約二十キロメートルのペースで進められる。

水を吹きつけたレールに超音波を当てて、その跳ね返り具合で、傷の有無を判断する。
担当者が車内でモニターを見ながら確認。不審な個所があった場合は保線部署に伝えられ、 精密検査となる。

「利用者に迷惑をかけぬよう、これまで以上に厳密な目で検査を」と担当者。
列車は今後、函館、旭川と長旅を続ける。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夜間の列車通過本数の少ない時間帯を狙っての仕事になりますから、やっている人は大変だろうと思います。レール探傷車と呼ばれる特殊車両を走行させながらレールのきずの有無を調べてゆきます。

5月30日に苫小牧市内で起きたレールの破断現場も、このレール探傷車で5月20日に調べたばかりだったと報道されています。

では、どのような探傷が行われたのでしょうか。

にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ ポチッと応援よろしく。

続きを読む "超音波によるレールの保守検査"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

レール底部からの疲労破壊による脱線事故

最近のレールの疲労破壊は頭部から亀裂が進展するケースが多いとはいえ、レール底部を起点とする場合もなくなったわけではありません。

日本でも、K.Hirakawa さんから教えていただいた、平成14年(2002年)2月2月27日に起きた大井川鉄道の脱線事故は、レール底部を起点としたレールの疲労破壊がその原因でした。鉄道事故調査報告書が公開されています。こちら

Oigawada 左の写真は鉄道事故調査報告書に掲載されている脱線事故の様子です。

Oigawa 左の図は、鉄道事故調査報告書に掲載されているレールの破面です。写真のレール底部右側の端から17mmの範囲(黒っぽく見える部分)が疲労破面です。破面に錆が見られて、長期間にわたって亀裂が徐々に進展した部分と見られています。

レール頭部と底部の左側わずかな部分(白っぽく見える部分)が最後の一撃で壊れた部分とされています。その中間は脆性的に亀裂が進展したと考えれれています。脆性的な亀裂の進展というのは、短期間に割れたということを意味します。

苫小牧市のレール破断も、底部の腐食から進展したと報道されています。

いまだ詳細は明らかではありませんが、この大井川鉄道の例が、レール破断の様子を推測する手がかりになるのかもしれません。

この事例に近いとすると、通常保守検査で超音波探傷を行う場合は、頭部から超音波ビームを当てることになりますので、この17mmの範囲の亀裂はいわば陰になるために見つかりません。

にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ ポチッと応援よろしく。

続きを読む "レール底部からの疲労破壊による脱線事故"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

レール溶接部の超音波探傷

JRの「レール溶接部の非破壊検査要領」には、溶接後の超音波探傷の要領が記載されています。

2MHz・公称屈折角45度の斜角探触子を使い、一探触子法と二探触子法で探傷するように規定されています。

Jrndt1 こちらの図は、「レール溶接部の非破壊検査要領」に記載された二探触子法を示す図です。底部もその対象であることがわかります。

Cimg2348 苫小牧市でレール破断後5月31日未明に実施したと思われるテルミット溶接によるレール接合の写真です。レール底部の超音波探傷の際に探触子を走査する面には、鋼が溶けてダレた跡や粒状のものが付着しています。適正な超音波探傷ができているのか疑問です。

今回のレール破断が底部の腐食が起点であったことから考えれば、底部に何らかの欠陥が存在してそこが応力集中源になれば、疲労破壊の起点になりついには破断に至ることがあることは、明らかです。

にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ ポチッと応援よろしく。

続きを読む "レール溶接部の超音波探傷"

| | コメント (4) | トラックバック (0)

JR室蘭線 レール破断の原因

JR室蘭線・苫小牧市内で起きたレールの破断について継続して書いています。昨年から、札幌室蘭間の千歳線・室蘭線で5件のレール破断がおきているのです。ハインリッヒの法則を持ち出すまでもなく、重大事故が起きなければ良いが、という気になります。

報道では、破断の原因について底部の腐食との発表があったとしています。

まず読売新聞

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

室蘭線レール破断 底部腐食が原因か(2008年6月3日)

 苫小牧市のJR室蘭線の踏切で先月、発生したレール破断事故で、JR北海道は2日、腐食したレールに列車の荷重などで亀裂が生じ、破断に至った可能性が高いと発表した。現地でレールの破断面を調べた鉄道総合技術研究所(東京)が見解を示した。

 踏切はコンクリートブロックにレールを敷く構造だったが、コンクリ部分とレールとの間に汚泥がたまり、レール底部が腐食。通過列車の荷重、振動による力が腐食部分に集中して亀裂が生じ、破断に至ったとみられるという。

 破断したのは長さ8154メートルのロングレールで、JRでは、破断直前の5月20日にレール内の傷を探す専用車両で調査したほか、29日にも徒歩で巡回していたが、異常は確認できなかったという。JRは破断原因の調査を続けると共に、ロングレール区間にある同じ構造を持つ踏切31か所でレール底部の亀裂の有無の検査を行って、再発防止を図りたいとしている。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

続いて北海道新聞

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

JR室蘭線のレール破断 原因は底部湿潤での腐食(06/03)

 【苫小牧】苫小牧市内のJR室蘭線の踏切で五月三十日未明に見つかったレール破断の原因についてJR北海道は二日、踏切内にたまった汚泥でレールが湿って底部が腐食し亀裂が発生していた可能性が高いと発表した。

 同社によると、過去発生した二十四件の破断のうち、レール底部の腐食が原因と推定されたのは初。二日までに、同様の構造を持つ道内の踏切三十一カ所で、検査を始めた。

 同社と鉄道総合技術研究所(東京)が五月三十一日、現地調査したところ、踏切内のコンクリートの車道部分で、レールが敷かれたくぼみに汚泥がたまり、ボルトで締める底部が腐食。列車の重さが加わり、ここから二十五ミリの破断が起きたと推定した。底部のため超音波検査では反応しなかったという。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Railname どちらの記事も、レール底部の腐食から破断したといっています。読売新聞では、レール底部の腐食から亀裂が生じたとしており、北海道新聞の記事では腐食→破断、という記述になっています。

両記事とも「金属疲労」とか「疲労亀裂」とか「疲労破壊」という用語がなぜか出てきません。

底部に腐食が起きたとして、そこから一気に破断するような壊れ方は、レールの材質からして考えられません。あるとしたら、底部の腐食を基点とした疲労亀裂の進行による破壊です。なぜ「金属疲労」の用語を避けているのでしょうか。

にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ ポチッと応援よろしく。

続きを読む "JR室蘭線 レール破断の原因"

| | コメント (4) | トラックバック (0)

レールの非破壊検査 浸透探傷

苫小牧市で起きたレールの破断について、現地でレール交換後溶接された箇所を見ることができました。そこには非破壊検査をした痕跡も確認できました。

ただ、現地の様子は私の目から見ていくつか疑問が出てくるものでした。

JRの「レール溶接部の非破壊検査要領(2004年版)」(以下「レール溶接NDT要領」と略します)を見ることができました。ところが、この非破壊検査要領を読むと、疑問が解決するどころか、むしろ広がってきたのです。

この要領では、「1.はじめに」の項で、適用範囲が述べられています。

本要領は、溶接欠陥の検出を目的として、溶接施工時に行う『レール溶接部の非破壊検査(超音波探傷、磁粉探傷、浸透探傷)の方法』を示したものである

溶接施工時の非破壊検査としては、超音波・磁粉・浸透を実施するということのようです。RTはありませんね。

そこに記載されている内容と、現地の様子にはずれがあります。

にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ ポチッと応援よろしく。

続きを読む "レールの非破壊検査 浸透探傷"

| | コメント (4) | トラックバック (0)

テルミット溶接によるレール接合

昨日苫小牧市で起きたレール破断について書きましたが、このブログの読者には驚くほどの専門家がいらっしゃって、そのコメントに目を丸くしながら勉強をさせていただいています。

その中に、デハボ1000さんからこれはテルミット溶接であろう、とのコメントをいただきました。少し調べてみたら、JR総研がテルミット溶接を実演したときの映像がYOUTUBEにありました。

このビデオ、よくわかりますね。苫小牧市のレール溶接もテルミット溶接であったことは、間違いないでしょう。

にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ ポチッと応援よろしく。

続きを読む "テルミット溶接によるレール接合"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2008年5月 | トップページ | 2008年7月 »