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レール底部からの疲労破壊による脱線事故

最近のレールの疲労破壊は頭部から亀裂が進展するケースが多いとはいえ、レール底部を起点とする場合もなくなったわけではありません。

日本でも、K.Hirakawa さんから教えていただいた、平成14年(2002年)2月2月27日に起きた大井川鉄道の脱線事故は、レール底部を起点としたレールの疲労破壊がその原因でした。鉄道事故調査報告書が公開されています。こちら

Oigawada 左の写真は鉄道事故調査報告書に掲載されている脱線事故の様子です。

Oigawa 左の図は、鉄道事故調査報告書に掲載されているレールの破面です。写真のレール底部右側の端から17mmの範囲(黒っぽく見える部分)が疲労破面です。破面に錆が見られて、長期間にわたって亀裂が徐々に進展した部分と見られています。

レール頭部と底部の左側わずかな部分(白っぽく見える部分)が最後の一撃で壊れた部分とされています。その中間は脆性的に亀裂が進展したと考えれれています。脆性的な亀裂の進展というのは、短期間に割れたということを意味します。

苫小牧市のレール破断も、底部の腐食から進展したと報道されています。

いまだ詳細は明らかではありませんが、この大井川鉄道の例が、レール破断の様子を推測する手がかりになるのかもしれません。

この事例に近いとすると、通常保守検査で超音波探傷を行う場合は、頭部から超音波ビームを当てることになりますので、この17mmの範囲の亀裂はいわば陰になるために見つかりません。

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しかし、実際に死傷者は出なかったとはいえ脱線事故が起きている以上、このような亀裂をレールが破断する以前に検出することを考えねばならないでしょう。

どのような手段をとるにせよ、従来のスピードでの検査は難しくなるはずです。

より根本的にはたとえ底部から亀裂が進展しても、ウェブの部分にいたって頭部からの非破壊検査で容易に亀裂が検出できるまで脆性的な破壊が起きないような材質とかたちにしてゆくことを考えるべきでしょう。

やはり安全第一で対策は採るべきと思います。

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