« スピード社の水着と超音波 | トップページ | ダイヤモンドの結晶モデルを3DCGで »

那覇空港航空機炎上で設計変更

2007082300000024jijpsociview000 271828さんから情報をいただきました。今朝の朝日新聞に、昨年8月那覇空港で起きた中華航空ボーイング737型機の炎上事故に関連して、ボーイングがボルトの設計変更をした、とのニュースが掲載されているとのことです。

2007082300000038jijpsociview000 ネット上で確認できました。この件に関しては、昨年このブログで何回か書きました(12)。そこで述べていたことは、ワッシャーを付け忘れたことが本質的な問題ではないだろうということです。

China ボーイングの設計失敗事例ですね。ちょっとしたミスや損傷が起きても致命的な事故につながらないようにする設計手法が、フェイル・セーフです。その真逆を行く、ちょっとしたミスが重大事故につながるパターンでしょう。ボルト穴の径よりナットの径が小さいなんて、とんでもない設計です。

Chinanhk ボーイングの設計がこんなのですからね、やむを得ないといえばそれまでですが、当時のNHKも間の抜けたCGを何度も放送していました。これ何のためのボルトなのでしょう。このCGを見てだれもおかしいとは思わなかったのでしょうか。

にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ ポチッと応援よろしく。

Asahinaha で、今回の朝日の報道でも、安全ピンをつけるようにしたまではよいのですが、解説のイラストではどう見てもナットに穴を開けてピンを通すようになっています。ナットの内側にはボルトが入るわけで、ボルト側に穴にぴったり合うように締め付けの回転を調整するということですかね。もう、ねじを締めたことがない人が記事やイラストを書いているとしか思えないのです。

実際にはどのようにピンを入れるのかは、見たことのない人にはわかりづらいかもしれません。でもこれじゃあ無理だぐらいは常識的に想像してほしいのです。

こんなことをグダグダと書くのは、「技術」に関する社会常識力がここまで低下しているのかと感じるからです。

朝日のイラストは、歴史の知識に置き換えると、「関が原の戦いは明治維新の後である」というぐらいのお粗末さだと思うのです。

朝日の記者には、「絵とき ねじ 基礎のきそ」日刊工業新聞社の92ページ及び174ページを読むことをお勧めします。もちろんNHKの記者にも・・・。

那覇空港の炎上事故の際も、「ワッシャーを付け忘れてボルトが外れてそれが燃料タンクを突き破った」と当局の発表があったら、「ワッシャーを付け忘れただけでボルトは外れるのか」という突っ込みを当然のようにしてほしいのです。かつての柳田邦夫氏や柳沢秀夫氏のように。

それを、ワッシャーを付け忘れた現場作業員にのみ矛先を向けるような報道は、とんでもないと思います。朝日の報道でも「一義的には整備時などにワッシャーをつけ損ねたことが原因とみられるが・・・」と書いてありますが、これは一義的には設計ミスでしょう。

ボルトを締める作業は、どこでどのように学ぶのでしょう。

|

« スピード社の水着と超音波 | トップページ | ダイヤモンドの結晶モデルを3DCGで »

科学技術」カテゴリの記事

コメント

機械工学を勉強し、卒後機械会社に入社しても、上手くボルトを締めることが出来ない人はそこまで珍しいことではなくなりました。というのは、計算工学専門とか、CAD設計技術構築などバーチャルな研究をメインにすると、触りたくても触れなかった人がやはり居ます。勿論彼らが実験や実物に触るとこれらの差異は1年でみるみる減ってきますが、中には向かない人もいるようです。逆に言うと新聞記者などに理系の人がいますが、それらの人でもわからぬ人はわからないで済んでしまうということがあるかもしれません。
日常でネジさえも締めることを意識しなくても一応生活ができ、知らんとダメという危機感に触れたことが切実でない人、(問題意識を生活の中に持たない人もそうかもしれんが)意外と多くなってないかと思うことがあります。知らないことに苦言をすると逆切れされることも増えました。

投稿: デハボ1000 | 2008年8月15日 (金) 23時55分

デハボ1000 さん こんばんは

>計算工学専門とか、CAD設計技術構築などバーチャルな研究をメインにすると、触りたくても触れなかった人がやはり居ます。

>知らないことに苦言をすると逆切れされることも

なんとも、恐ろしい世の中になりつつありますね。分数の計算ができない大学生、なんてことより深刻かもしれません。
ボーイングの設計陣の中にも、工具を持ったことのない人がいたりして・・・・。

投稿: SUBAL | 2008年8月16日 (土) 00時31分

こんにちは。ナットに穴をあけて止めるという報道を朝日がするというたいへんな世の中になっていることを一般の方に知って欲しいと思います。

抽象的に安全・安心と騒いで、犯人捜しで終わりという報道ばかりでなく、こういったところへの常識を持ち合わせてほしいものです。

ますます、ねじの新書を執筆しなければという気持ちがわいてきました。

投稿: KADOTA | 2008年8月16日 (土) 12時16分

KADOTAさん

技術に関する社会的な常識のベースがここまで落ちていると、暗澹たる気持ちになります。
このような状況の他方で「ねじ 基礎のきそ」がよく売れるというのは、こういう情報を得たいと思う人々も少しずつ増えているということでしょう。
一般啓蒙書は必要ですね。「ねじの新書」期待してます。

投稿: SUBAL | 2008年8月16日 (土) 13時18分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/222291/42172109

この記事へのトラックバック一覧です: 那覇空港航空機炎上で設計変更:

« スピード社の水着と超音波 | トップページ | ダイヤモンドの結晶モデルを3DCGで »