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新書に機械工学

このブログにもコメントを寄せてくれる門田和雄さんが、ソフトバンクのサイエンス・アイ新書として「基礎から学ぶ 機械工学」を刊行しました。

Kikaikougaku__2  新書は本屋に行くとさまざまなジャンルのものがあります。最近は科学を題材にしたものも多くなってきたように感じます。専門の書物と比べると、著者の個性が前面に出てくるものが多いのと、手軽に読めることから、未知の分野本を読んでみるなんてこともよくあります。

最初にこの本を手にとって見たとき、これまでの機械工学の本のイメージからすると、非常にコンパクトで、このボリュームで機械工学のどこまでが書いてあるの?と思いました。この本の章立てと中身の雰囲気はこちらで見ることができます。

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全部で216ページの本ですが、内容は機械工学のほぼ全体を網羅しています。目次を見ると、200ページでこんなに書けるのと思います。しかもサイエンス・アイ新書には編集方針に基づく<制約>があるとのことです。編集部のブログによると、

<制約>
・見開きにかならず図版的要素を1点以上入れる
・総ページは208ページ以上が原則
・中学生の高学年が十分に読みこなせるレベルで
などなど

「見開きにかならず図版的要素を1点以上」がきついとのことですが、「基礎から学ぶ 機械工学」では、見開きでは図は2枚以上、ざっと見たところ平均2.5枚ぐらいはありそうです。

こうなると、項目数が多いですから1項目あたりの文字数は極限られます。でも読んでいくと不思議に違和感や物足りなさがないですね。このあたりは、さすがに機械工学の定番となっているテキストの筆者だなという感じがします。自分の得意分野でも、ちょっとまねはできませんね。

機械工学をある程度学んで、仕事上で使っているという人でも、やはり全般を網羅できている人は少ないと思うのです。私などは、制御関係のところはまずこれで大まかなところをつかんで勉強をしてみようと思います。

一般高校では、技術や工学をまったく学べません。たとえば、事故の報道を見ても機械や技術に関する報道機関の知識水準の低さは最近目を覆うばかりです。おそらく、この分野の社会常識が大幅にレベルダウンしているのだと思います。この本が、こうした状況に一石を投じることになり、波紋が広がればよいな、と思います。

「機械工学」の本でありながら、「キカイの本をいくら読んでも、実際にからだを動かしてものづくりをして、何らかのキカイをつくりあげてみなければ、機械工学を身に着けた事にはなりません。まずはちょっとした模型でかまいませんので、自分の頭でメカニズムを考え、自分の手で部品を加工し、自分が組み立てたキカイを動かしてみましょう」とあとがきに書くあたりは、門田本の真骨頂であろうと思います。

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コメント

こんにちは。ご紹介いただきありがとうございます。
このくらいの内容は機械を専門にする人だけでなく多くの人に理解していただきたいと思って執筆しました。文章量はそれほど多くありませんが、イラストレーターの方にはずいぶんんとご尽力をいただきました。写真はほとんどありませんが、2冊目のねじ新書は実物のカラー写真を豊富に盛り込もうと思っています。

投稿: KADOTA | 2008年10月 4日 (土) 19時16分

夕飯前に息子にこの本を見せたら、ご飯も食べずに読んでいるから、取り上げて「あとであげるから、まずはご飯を食べろ」と・・・。
とりあえず私の一番身近な若者の関心は捉えたようです。

新書でカラー写真ですか。豪華ですね。
私は今、カラースケールで作っていた応力場のCGをグレイスケールにするために、プログラムの改造をしています。
図解というあたりで、この本から機械工学以外のことを学んでいます。

投稿: SUBAL | 2008年10月 4日 (土) 20時29分

>一般高校では、技術や工学をまったく学べません。たとえば、事故の報道を見ても機械や技術に関する報道機関の知識水準の低さは最近目を覆うばかりです。
今日、大学の先生沢山と話しましたが、「技術者の責任ある使命として技術を判り易く説明する説明責任がある」と言う話になりました。これはもっともですが、「受ける側のスキルをの低下も・・・」という話も。
もっとも文学の知識についても同じことがあるということもあるそうですね。これはある意味判らなくもないです。

投稿: デハボ1000 | 2008年10月 4日 (土) 23時27分

説明責任ということばが出てきたのはよいですね。わかりやすく説明をすることを馬鹿にする風潮は消えつつあるということでしょうか。

>「受ける側のスキルをの低下も・・・」

たぶん、受ける側がちゃんとしているのなら、「判り易く説明する」ための努力はほとんどいらないのでしょう。日本人の皆が英語に通じていたならば、ハリウッド映画に字幕スーパーも吹き替えもいらないのと同じだと思います。
要は説明しようとする人が、何がわからないかがわかること。偉い先生たちに対してもし私に強みがあるとしたら、この点と、失うものがないことだけです。この強みを活かして、できることを模索しているところです。

>文学の知識についても同じことがあるということもあるそうですね

音楽に関しては、私たちの若いころに比べて、全体のレベルは上がっていると思います。最近の歌手で音程やリズムをはずすのはめったにいなくなりました。NHK「ためしてガッテン」の小野アナウンサーの歌を聴いて、天地真理を思い出しなぜか懐かしく感じた私です。

投稿: SUBAL | 2008年10月 5日 (日) 00時08分

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