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エキスポランドコースター事故原因を推測する(その2)初期の締め付け不足

ねじで締め付けが弱いと疲労強度が下がること、しかし事故を起こしたジェットコースターのナットは使用中に緩んだとは考えにくいことがわかりました。

とすると、もうひとつ考えなければならないことは、初期の締め付けが緩かったのではないかという疑いです。「ものづくりの教科書 実用・材料力学」の著者沢俊行氏も初期締め付け力が小さかった可能性について言及しています。

たとえトルク管理をしていても、摩擦係数の違いで最大1.5倍の締め付け力の違いが出ることが指摘されています。

トルク管理には、トルクレンチを使うのが一般的ですが・・・

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エキスポランドのジェットコースターでは、トルクレンチは使われていませんでした。

通常のボルトを締める作業の場合、航空機やジェットエンジンは別にして、いちいちトルクレンチを使うでしょうか。私が経験したプラントなどでも、トルクレンチを使うのは極限られた範囲でした。適正な工具を使ってきっちり締める、というやり方がほとんどでした。

私のような非力な人間がOKをもらうためには、レンチの端をしっかり持って力いっぱい締め付けなければなりませんでした。

ところが、このジェットコースターの軸のナットは「力いっぱい」締めてはいけないナットだったのです。

昨年、このブログにジェットコースター風神雷神のメーカーであるトーゴの元社員という方が次のようなコメントを寄せてくれています。こちらの記事

「折れた軸の外側のナットの締め付けはトルクが決まっておらず、閉めすぎると動きが鈍くなるので組み立てる職人の長年のカンが必要です。」

折れた側の反対側の話ですが、このナットは締め上げてはいけないナットだったです。

組み立て作業者の怠慢や摩擦係数のバラツキによる締め付け力の低下の可能性云々の前に、きつく締めてはいけないナットであったということです。

そうすると、この軸はいったいどういうものだったのか、もう一度見直してみる必要がありそうです。

(つづく)

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