« エキスポランドコースター事故原因を推測する(その4) 締め付け不良は事故後わかるのか | トップページ | エキスポランドコースター事故原因を推測する(その6) 締められないナット? »

エキスポランドコースター事故原因を推測する(その5) 締めてはいけないナット?

事故で破損した軸はいったいどのようなものだったのでしょうか。

Jet 人が乗る台車本体と、レールと接触する車輪ユニットを結ぶ役割を果たしていました。レールのアンジュレーションにあわせて、台車と車輪ユニットとの角度を変化させるようになっていました。左の絵をクリックすると簡単なアニメーションになっています。

このため、車輪ユニットと軸とは2個のベアリングでつながっています。問題は軸についているナットがどこに接しているのかですが、図面を見てみましょう。

にほんブログ村 科学ブログへブログランキング参加中。ポチッと応援よろしく。

Dr3 図面の右側のナットですが、少しわかりにくいですが、ナットを締めると内側のベアリングレースを押すようになっています。

きつく締めると、ベアリングの動きが悪くなりそうです。このところは、元トーゴ社員という方の

「折れた軸の外側のナットの締め付けはトルクが決まっておらず、閉めすぎると動きが鈍くなるので組み立てる職人の長年のカンが必要です。」

という証言と符合してきます。つまりこのナットは締め上げてはいけないナットだったのではないでしょうか。軽く締めるだけ、言ってみればストッパーの役割を果たすだけのナットに見えます。

緩ければ疲労限度をはるかに超える応力振幅がねじ部にかかる、危ないねじ部だったと推測します。

M5214084 この事故が起きた当初、破損したのは外側のねじ部だったとエキスポランド側が発表し、それを鵜呑みにしたマスコミは誤った破損箇所を書いたイラストを掲載して報道しました。これが訂正されるまでに5日間の時間を要しているのです。

Genba 外側のナットが折れたのなら、軸は台車側についているはずです。しかし現場には地上に落下した車輪ユニット側に軸が着いている映像がネット上でも当日のNHKニュースでも流れていました。にもかかわらず、5日間も皆わからなかったのです。

私は、当時からこの間違いには何かある、そしてこの間違いにこの事故の原因を探る手がかりがあると直感しました。こちらの記事

この図面を手に入れてCGを作る過程で、次第に確信するようになりました。このナットは締めてはいけないナットだった。これまでもおそらくいくつかのトラブルが(事故には至らない軸の破損も含む)があったのだと想像しています。

そのため、エキスポランドの担当者も現場をおそらくは見ていながらも、破損したのは外側のねじ部だと思い込んだのでしょう。

実は、このブログにコメントを書き込んでくれた元トーゴ社員という方も、当初破損したのは外側のねじ部のはずだと言っていました。

外側のねじ部は、破損が予想されていた。しかし、事故のとき破損したのは内側のねじ部でした。もう少し考えを進めなければなりません。

|

« エキスポランドコースター事故原因を推測する(その4) 締め付け不良は事故後わかるのか | トップページ | エキスポランドコースター事故原因を推測する(その6) 締められないナット? »

科学技術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/222291/43023961

この記事へのトラックバック一覧です: エキスポランドコースター事故原因を推測する(その5) 締めてはいけないナット?:

« エキスポランドコースター事故原因を推測する(その4) 締め付け不良は事故後わかるのか | トップページ | エキスポランドコースター事故原因を推測する(その6) 締められないナット? »