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応力拡大係数のKは誰のK?

応力拡大係数(stress intensity factor)は、Kで表記されます。このKたぶん人名からとっているのだろうけれど、いったい誰なのかわかりませんでした。

先月上京した際に、東工大のM先生に教えていただきました。どうも、Joseph A.Kiesさん(1906-1975)のKだということです。

Cimg0428 こちらの本(Fracture Research in Retrospect: An Anniversary Volume in Honour of G. R. Irwin's 90th Birthdayに.Kiesさんのことが書いてあるということで購入しました。まだ全部は読んでいませんが、破壊力学の創成期のことなどが書かれていて大変興味深いです。

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G. R. IrwinとJ A.Kiesはともに戦後破壊力学を確立していった中心人物ですが、同じ米海軍出身で歳はKiesが1歳上です。IrwinがKiesに敬意を払ったのかな、などと勝手に想像しています。どなたかこのあたりの事情をご存知の方いらっしいます?

Cimg0429この本の62ページにKiesさんの写真が掲載されています。ちょっと気難しい学者さん、という感じでしょうか。

Kies2 ところが、別のところで見つけた写真は、とても気さくなおじさんという感じです。この表情とてもよいなと思いましたので、執筆中の本の中に博士キャラとして登場してもらおうかと思っているのです。

Kies 簡単にスケッチしてみました。マウスで書いているので線がよれよれですが、こんなスケッチをイラストレーターさんに渡したら、博士キャラに仕上げてくれるでしょうか。

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コメント

SUBALさん、おはようございます。

 「破壊力学」などとは、初めて知りました。
「なるほど!ありか!」と思いながら
また「門外漢か?」とも、思いながらも
興味深深で読ませていただいております。
 それはさておき、イラストがお上手ですね!?
マウスでそんなに描けるのですね。
修練ですか?私がやるとギザギザの線に
なりますε-( ̄ヘ ̄)┌ ダミダコリャ…
お描きのイラストは、なかなか良いキャラになってると
おもいますよ。

そうそう、自分のアドレスが発信人のメールが
昨日来ました。1通だけですが。
以前のようにゴッソリとはきませんでしたが。
まだまだ、安心できないようです。
お互い、気をつけましょう。

投稿: やまさん | 2008年11月19日 (水) 09時55分

やまさん こんばんは

破壊力学の本は、易しく書いたといわれる本でも門外漢には読むのにつらい部分があります。
機械や構造物を扱っていれば、安全はいやおうなく意識せざるを得なくなりますが、ものはどうしてどのように壊れるのか、事故を教訓に研究されてきた知見を、専門家のものだけにしておくべきではないと考えています。
教養としての破壊工学、私にどの程度書けるか、挑戦中です。

自分のアドレスが発信人の迷惑メール、私のところにも来ました。今度はMicrosoftを装ってはいませんが、明らかに同じ手口ですね。私のところでは、HTMLメールの画像は自動的にダウンロードしない設定にしています。これが利くのか利かないのかはわかりません。

投稿: SUBAL | 2008年11月19日 (水) 20時18分

応力拡大係数のKはKiesのKだとは、どこかに書いてありますか。ぜひ知りたいものです。
応力集中率(Theoretical stress concentration factor)はKt
疲労強度低下係数(Fatigue strength reduction factor)はKf
Kはドイツ語の切欠きで切欠き係数はKerbe faktor
など昔から使われて来ました。

投稿: K.Hirakawa | 2008年11月22日 (土) 16時26分

この記事で紹介している「Fracture Research in Retrospect」という本の66ページにこんな記載があります。

Kies solved this problem by pointing out that the critical stress for a given crack size depended only on the product GcE, which could be directly computed from applied stress and crack size for the test. The response to this suggestion, by West Coast airplane engineers, was to express their fracture test results in terms of values of √(GcE),which they termed Kc(K for Joseph A. Kies).

応力拡大係数のKの由来についてこのほかに書いてあるものはあるのでしょうか。

投稿: SUBAL | 2008年11月22日 (土) 21時57分

SUBALさん。貴重な本を紹介いただきありがとうございました。早速購入して読んでみます。
応力拡大係数のKについて誰かの個人名がつくはずがないと思っていました。やはり、KiesのKは破壊靭性値という材料常数Kcにつけれれたのですね。納得です。そのうち、ビッカース硬さのようにキースの靭性値と呼ばれるのでしょうか。

投稿: K.Hirakawa | 2008年11月23日 (日) 16時42分

K.Hirakawa さん こんにちは

私は、破壊靱性値Kcのcはciriticalのcだからそのまま応力拡大係数のKもキースのKでよいと考えていました。違いますでしょうか。

this suggestionがさしているキースの論文は1954年のとされています。その後Irwinが1956年から1958年にかけての3つの論文の中で、K=√(GE/π)とした、と同じ本に書いてあります。
別の箇所には、1956年にIrwinがグリフィス理論をモデファイして、energy release rateをアラン・グリフィスにちなんでGとし、破壊靱性値Gcをクライテリオンとして確立した、とされています。(ここは破壊力学の教科書には必ず登場してくるところですね)

Kをstress intensity factorと呼ぶようにしたいきさつはわかりませんが、いずれにせよKcのKがキースさんから来ていることは、日本では専門家の間でもあまり知られていなかったようです。

細かいいきさつはとりあえずどうでもよいのですが、私としては、このKcが出てくるキースが解決した問題というのが興味深いのです。この本では、「The first successful applcation of fracture mechanics」として紹介しています。私としては、ほーそれなのかい、と少々意外でした。リバティ船の溶接部とかコメットの与圧構造とかではなく、私たちが日常の中で何気なく目にしたり触れたりしているものなのです。本の中のコラムネタにしようと思いますので、ここには書きませんcoldsweats02

投稿: SUBAL | 2008年11月23日 (日) 17時42分

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