ネ-20タービンの割れ
昨日に続いてA6M232さんからいただいたネ-20の写真です。
後ろ側からタービンを覗いた写真です。私が一番撮りたかった写真が、このタービンディスクの割れなのです。続きでクローズアップ写真を掲載します。
ネ-20では、タービンのブレードはディスクに溶接で接合されていました。
IHIに保存されているネ-20のディスクには割れが入っています。割れているのは溶接部です。これは、戦後米軍が接収して米国に持ち帰ったあと、クライスラー社が火を入れて燃焼試験を行っていますから、そのときに入ったものと考えられます。高温にさらされますから熱応力が生じます。
溶接ですから、割れたところは引張の残留応力になっているはずです。よく見ると切り欠きになっている。
軸流式ターボジェットエンジンを最初に実用化したのは、戦前のドイツですが、数百台作られたといわれているJUMO004やBMW003もタービンディスクへブレードをどうつけるについてはずいぶん試行錯誤をしたようです。
英国の技術者ががクリスマスツリー方式を編み出したのですが、これはブレードの根(ルート)部の幅が狭くて、たくさんのブレードを強度を十分確保した上で取り付けられるという、画期的なものでした。しかも、回転によって生じる遠心力で振動を吸収する程よいダンパーの役割もするものでした。
ただ、このクリスマスツリー方式をとるには、ブローチ盤という工作機械がなければできないのです。戦前の日本にはブローチ盤はなかったと聞きます。
必要が出てきたから工作機械ができたのか、ブローチ盤があったからクリスマスツリー方式を思いついたのか、チャンスがあれば調べてみたいものです。
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コメント
タービンの割れがきれに写ってますね。
この破壊は、高温疲労ですかそれとも熱疲労でしょうか。信じられませんが、残留応力を残したまま、As-weldで使われたのですね。
投稿: K. Hirakawa | 2009年1月 9日 (金) 16時36分
K. Hirakawa さん こんばんは
いつもながら鋭い指摘有難うございます。この記事、あいまいな記憶のまま書きましたが、改めて調べてみると、熱応力というより高温下でのブレードの振動が原因のように思えてきました。クリープも絡んでいるのかもしれません。詳細はわかりません。タービン入り口温度で700~800℃で10数回延べ8時間程度は運転されているもののようです。
溶接後熱処理をしているのかどうかはわかりませんでした。しているという資料もしていないという資料もありませんでした。溶接ビードは手作業で整えた、と記録されています。
このタービンの履歴をわかる範囲で新しい記事としました。
投稿: SUBAL | 2009年1月 9日 (金) 20時28分