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校正作業中(初校)

3月に日刊工業新聞社から発刊予定の「破壊工学 基礎のきそ」の初校が届き、校正作業中です。

Ts2d0029 校正のツールは、青ボールペンと付箋紙。編集者の校正が赤で入っていて、著者は青いボールペンで記入するようにとの指示です。それとパソコン+カフェイン入りの飲み物は欠かせません。

初校はある程度加筆訂正が可能なのですが、今回は制約がかかっています。

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ページ数のアッパーリミットが192ページだということです。ちょっと前の記事に書いた16の倍数ですね。初校の段階で、これから入ってくる索引などを含めると、すでに192ページになっています。

脱稿からおよそ4週間、見直しをして付け加えたいことも出てきて書き溜めていました。これは困ったぞ。新たに付け加えるには、どこかを削らなければなりません。

実は、私はこういう制約は嫌いではありません。何を削って何を残すのか、ギリギリの選択が始まります。こういう場合は、散文の発想ではなくて、俳句や詩を作るときの流儀に従います。俳句や詩はもう何十年も作ってはいませんが・・・。

最初の超音波本のときに比べて、著者としてどこまでやらなければならないか、編集者やイラストレーターの方に任せたほうが良い範囲はどこかについて、経験をしているのである程度見えるようになってきました。

この本は、いつか書きたかった領域でした。ものはどうしてどのように壊れるのだろう。どんな亀裂が危ないのだろう。損傷許容ってどんなことなのだろう。この領域の専門書はもちろんあるのだけれど、皆難しい。学者の間では暗黙の了解事項になっていることが、説明されていないことも多いのです。私自身が迷い込んで佇んでいたこともある「初学者の暗闇」を照らす街灯・ライムライトになればよいなぁ、と考えています。思いがけず早い段階でチャンスをいただきました。

私の意図がどの程度上手く行っているかはわかりません。すくなくとも、昼間の肉体労働でくたくたになって、夜中の数時間回らない頭を無理に回して勉強していたころの私自身には「いけてる」ものとして届いています。

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コメント

SUBARUさん。お疲れ様でした。初校までこぎつけて、おめでとうございます。出版を楽しみにしています。あなたの言うように「損傷許容ってどんなことなのだろう。この領域の専門書はもちろんあるのだけれど、皆難しい。学者の間では暗黙の了解事項になっていることが、説明されていないことも多いのです。」このようなことが多くあると私も思います。実際にモノ設計したり、製造したり、そのものが壊れて実際の解析をしたりしたことのない学者が、暗黙の了解のように本を書いているのが現状です。疲労の世界でも、疲労限度が実動荷重のもとで存在するのかさえ、実際は物理的に明快ではありません。パリスの式も実際に破壊したものに適用してみれば、寿命は10も100倍も実際とは異なってきます。まして、亀裂の進展限界Kthでさえ、実動荷重のもとではどう取り扱うのか、そのようなものがあるのかさえ不明です。
現在、鉄道用車軸は世界で数十万本に1本程度が破壊しています。そのような破壊確率が極めて低い世界での損傷許容設計をどうするかが、最先端の学会の課題になっています。
どうか素晴らしいご見解を貴著で拝見したく期待しています。

投稿: K. Hirakawa | 2009年2月 1日 (日) 08時53分

こんにちは。いよいよラストですね。一番神経を使う作業だと思いますが集中して頑張ってください!

投稿: KADOTA | 2009年2月 1日 (日) 09時54分

K. Hirakawa さん こんにちは

応援メッセージ有難うございます。
非専門家である私が、過去の私(できれば苦学している若者とイコールであれば良いと考えている)へ向けた本ですから、Hirakawa さんのような最先端の専門家を満足させるような書物では、おそらくないと思います。
破壊という現象は、いまだに明瞭に解明できているわけではなく、それでも何とか法則性を見つけ出して、重大な事故を減らそうと努力している。暗闇の洞窟を目を凝らしながら手探りで進んでいるようなものだと思います。
パリス則にしても実際のデータは天の川のような散布データになるのにda/dn=C⊿K^mと言う単純な式に還元するわけですから無理がある。
ただ若い人が学び始めるときに、何から学べばよいかと考えたときに、やはり現在定説になっていることを考え方の前提を含めて知ることが必要と考えています。
私は、非破壊検査屋ですから構造物のきずを見つけてこれをどうするかといった場面の経験はありますが、たとえば破壊靱性試験はしたことがありません。にもかかわらず、そんなやつにこの領域の本が書けるのかという批判が来るのを覚悟しても、やはり書きたかったのです。
損傷許容設計では、破壊力学・疲労破壊・設計・非破壊検査の専門家の協力が必要だといわれています。この領域すべてにわたって熟知している人なんておそらくほとんどいないでしょう。学者の専門領域はいかにも細分化されすぎです。
破壊工学といった少し広いフィールドが作られて共通の場でお互いが知り合うことが必要だろうと思っています。
実はこの10年ぐらい、この領域に踏み込めるであろうと思われる人にあったら、必ずやさしい破壊工学の本を書いて欲しいとお願いをしていました。しかし、実現はしていません。
今回出版社からの話もあり、ここで失うものがない田舎のおっちょこちょいが飛び出してみようかと考えたのです。
たとえ集中砲火を浴びて私自身は吹っ飛んだとしても、私は吹っ飛びながらも「だったら誰かやってよ」と叫びますから、無駄になることはないと思っています。
私自身手探りで勉強してきた結果を本にします。Hirakawa さんから見れば「なに言ってんだ」というところがたくさんあるかもしれません。
出る前から弁解がましくて恐縮ですが、本が出ましたらお送りしますので、ご指導よろしくお願いいたします。

投稿: SUBAL | 2009年2月 1日 (日) 11時42分

KADOTA さん こんにちは

おかげさまで単行本2冊目が最終段階に来ました。
大切に育ててきた息子か娘を世間に送り出す直前の親の気持ちに似ているのかもしれません。
ネクタイは曲がっていないか。世間に通用する言葉遣いができるのか。うっかりミスで交通事故にあわないか・・・。
でもこの時点でできる最善を尽くして、あとは信頼して送り出すしかないのでしょう。がんばって来いと・・・・・。

投稿: SUBAL | 2009年2月 1日 (日) 11時49分

SUBARUさんの意気込みよくわかりました。
やっかみで、いろいろ批評されることがあるかも知れませんが、私も全力で応援します。よく売れるといいですね。

投稿: K. Hirakawa | 2009年2月 1日 (日) 14時29分

K. Hirakawa さん

有難うございます。とても心強いです。

投稿: SUBAL | 2009年2月 1日 (日) 15時45分

こんばんは。校正作業お疲れさまです。ハードワークを楽しんでいらっしゃるご様子ですね。体調管理もお忘れなきよう。

>ものはどうしてどのように壊れるのだろう。
この「どうして」まで踏み込んでおられるのでしょうか。
3月の発刊が楽しみです。

投稿: niwatadumi | 2009年2月 4日 (水) 23時12分

niwatadumi さん こんばんは

>ハードワークを楽しんでいらっしゃるご様子ですね。

ハードワークのときほど、何とかして楽しもうとするのは、自然に身についた流儀ですね。

niwatadumi さんはよく勉強をされているので、なんだよ、と思われる内容かもしれません。
少なくとも過去の私は、この本を手にしたら間違いなく喜んだはずです。よろしくお願いします。

投稿: SUBAL | 2009年2月 5日 (木) 00時22分

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モノは何故壊れるのか(僕が非破壊検査屋として携わっているのは主に鋼構造物で、プラスチックとか紙とか人間とかは門外漢ですから、モノが壊れることについて考えるときはおおよそ鋼をメインに考えることになります)。その科学的な答えを僕は知りません。難解な破壊工学本でも読めばもしかしたらすでに書かれているのかも知れません。けれど僕が読んだ破壊工学入門書-ほんの数冊でしかないのですが-にはその答えはなく、壊れた実績から話が始まるのでした。... [続きを読む]

受信: 2009年2月12日 (木) 20時37分

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