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大書店

北海道機械工業会の会合のため夕方から札幌へ行ってきました。勤め先から約50km、自宅からは70kmありますので、特別な用事がない限りめったに札幌へは行きません。ついでに札幌駅近くにある紀伊国屋書店札幌本店に立ち寄りました。内部をリニューアルしたようです。在庫量が80万冊から100万冊に増えたそうです。

大きなフロアーにたくさんの本が並んでいる中に入っていくと、なんでしょうねある種の幸福感が生まれてきます。

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もちろんお目当ては、「破壊工学」本が並んでいる書架です。2Fの自然科学のコーナーにありました。工学系は棚2列。書店全体の比率からすると、ずいぶん少ないという印象です。

Cimg2902cありましたね。表が見える陳列の仕方でずいぶん目立っています。

Cimg2902a 背表紙が見える形でも2冊おいてありました。材料力学のコーナーですが、私が勉強した本がいくつも一緒に並んでいて、うれしいような恥ずかしいような複雑な心境です。

この写真には写っていませんが、この書架に東京都市大学(旧武蔵工業大学)名誉教授萩原芳彦氏の「よくわかる破壊力学」(オーム社)もあります。「破壊工学」本の参考文献には挙げていませんが、勉強した本のひとつです。この萩原芳彦氏のHPに、「最近出版された材料力学、材料強度関係の良さそうな本」として私の「絵とき 破壊工学 基礎のきそ」が紹介されていました。とてもありがたいことです。

今日、日刊工業の編集者の方から、八重洲ブックセンター理工学書ベストセラーランクインの情報がメールで寄せられました。編集長が「『地味なテーマですけど、需要があるんですね』と驚いていました。」とのことでした。執筆者としては、お世話になっている出版関係者に喜んでもらえれば、うれしいですね。瞬間風速でないことを願いたいものです。

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書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

>編集長が「『地味なテーマですけど、需要があるんですね』と驚いていました。」とのことでした。
ぜんぜん別ルートの話で、この手の工学書のトレンドが昔のように権威主義的なものでないんですという話がきました。執筆関係の話というわけです。
正直言うと、「地味なテーマ」という言い方には、一般の人にわかりにくい側面がもともとあるという認識が強くあるんでしょうが、それだからこそじっくり読める書籍になりやすいともいえ、底堅いニーズもある気もします。

投稿: デハボ1000 | 2009年4月22日 (水) 01時28分

デハボ1000 さん こんばんは

>この手の工学書のトレンドが昔のように権威主義的なものでない

権威のある人からのずばり「答え」がほしいという読者のニーズも根強くあるような気がします。初学者向けの本というのは、道筋を照らすライトのような役割を果たすのかなと考えています。ガイドブックといういいかたがあるように・・・。ただ、私のような視点から書くと、ある筋からは「幼稚」といった非難、また「答えがない」というクレームも来るわけで、そのような反応にはそうではない読み方をしてくれる読者がいるはずと信じて、じっと耐えるしかないかなと思っています。

>「地味なテーマ」という言い方には、一般の人にわかりにくい側面がもともとあるという認識が強くあるんでしょうが

そうでしょうね。そうしたテーマであるにもかかわらず執筆にゴーを出した編集者・編集長の識見について改めて考えさせられます。

>それだからこそじっくり読める書籍になりやすいともいえ、底堅いニーズもある気もします。

私の本もそうあって欲しいものだと思います。デハボ1000さんのブログサイドでの紹介、説明の文章実に上手いなと思いました。とても有難いです。

投稿: SUBAL | 2009年4月23日 (木) 02時45分

こんばんは。

破壊工学に関する教科書は何冊か読みましたが、いわゆる権威的な方が書かれた本は、詳しく良く書かれているのですが、私の頭ではすぐには理解できない部分も多々あり。。。
しかし、先生の本は今まで理解があいまいだった部分をうまく穴埋めしてくれる本で非常に助かりました。
欲を言えば、章ごとの関連性が少しわかりにくいような気もするのですが、すべてを書くとものすごい量になることは私でもわかりますので、入門用としては、いいところに着地したのではないかと思います。

ついでですいませんが、以前からすっきりしていないことの答えのようなものが本の中で見つけたので、教えていただけませんか。
図2-26(p60)は
「平板の引張試験を引張ると最大せん断方向の45度方向で壊れるが、平板に初期き裂を力の入れて引張ると、応力集中で力の方向と垂直な方向に、モードIの状態でき裂が進展し、壊れる。つまり、壊れた後の試験片の残骸の形が違う。」
ということであらわしている、ということでよいのでしょうか。

投稿: tsunodako | 2009年4月26日 (日) 00時44分

tsunodako さん おはようございます

tsunodakoさんのようなこの分野をご自分で勉強されている方にもお役に立てる内容があったとすれば、苦労のしがいがあったなぁ、と思います。

>章ごとの関連性が少しわかりにくいような

このあたりは、私の反省事項のひとつです。広く概括的に取り扱うということと、筋を通すということを両立させたいともがいたのですが、なかなか難しいところです。

>図2-26(p60)

この本では、ほかの本ではほとんど載っていないこともいくつか取り上げていて、ここもそのひとつです。
切り欠きのある(=応力集中が生じる)延性材料の静荷重下での破壊ということなのですが、ここはある程度勉強した人でも勘違いをしている人が多いという印象を持っていました。

図のAとBでは、明らかに破断の仕方が違っています。大雑把に言えば、Aは破壊の「最大せん断応力説」にしたがっているといえ、Bは「主応力説」にしたがっているといえるでしょう。
しかし、細かく見てゆくと少々複雑なのです。Aは斜めに切れていますが、この角度は45度ではなくて、およそ35度です。Aの破断面を観察すると板厚方向におよそ45度の破面を形成して破断しています。
この破面の走り方は、板の厚さや材質(硬さ)によって変化します。

Bのほうも結論的に言うと「板の厚さや材質(硬さ)によって変化します」ということになるのですが、巨視的に見ると引張荷重に対して直交する方向に破面が形成されるとはいえます。この要因は、以下の2つだろうと思っています。
(1)応力集中によって先に塑性変形域に入ったところも周りの弾性変形域によって塑性変形が拘束される(弾性変形と塑性変形のポアソン比に違いによる)。このため脆性破壊的になる。
(2)応力分布が傾斜していていわば引き裂くようなものになっている。

この項では、Bには単純にドリル穴を入れているだけで、亀裂は入れていません。この破面の拡大写真は、以下の記事に掲載しています。

http://subal-m45.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-6f64.html

この破面にも板厚方向に斜めに切れているいわゆる「シェアリップ」があるのがわかります。よく見ると円孔の端から少し白っぽい二等辺三角形が見えますが、ここが最初に亀裂としてできて、その後一気に板厚方向にせん断破壊したものと考えられます。
亀裂を入れた破面でも似たようになることがあります。
ただ、ここは板厚によって平面ひずみ状態になるのか平面応力状態になるのかによって破面は違ってきます。(私の本の103ページを参照してください。図が暗くて少々見難いですが・・・)

43ページで説明している軟鋼の「カップアンドコーン」、図2-26のあたり、そして103ページあたりを関連付けてわかりやすく解説ができれば、面白かったですね。

2-7では、応力集中は線形弾性論での議論で、塑性変形が絡む延性材料の破壊を応力集中から直接説明することはできないのですよ、ということを言いたいところでした。その目的で、あっさりと説明しています。

図2-26を見て、試験片の伸びが違う破面の走り方が違う、ということに気がついて考え始めると、この分野は面白くなると思います。その「答え」は本の中に書いてはいないのですが、考える手がかりは書いているつもりなのです。

投稿: SUBAL | 2009年4月26日 (日) 12時11分

SUBALさん、こんばんは

ごていねいなご回答ありがとうございます。大変勉強になります。
シミュレーションで強度評価をするときの問題点のひとつとして、どの成分の応力で評価を行うのかということがあります。
CAEソフト会社にいたときは、馬鹿の一つ覚えのようにまずはミーゼス応力で見てください、と説明していましたが(^-^;、
メーカに転職していろいろ解析してみると、ミーゼスだけで評価するわけにもいかないと感じました。
今は応力集中部やき裂があるものは最大主応力か垂直応力、バルク材単体のときはミーゼス応力でなんとなく評価しているのが現状です。
大雑把にはこれでいいと思っているのですが、きちんと考えるとなかなか難しそうですね。
私が取り扱っている製品が一般消費材なので、ひとつひとつのシミュレーションに(き裂進展を考慮するモデルを作成するような)時間をかけられないので、大雑把になるのもしょうがないのですが。

最後にもう一点だけご見解をお聞きしたいのですが、
http://subal-m45.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-6f64.html
にあるシミュレーション図はミーゼス応力を見ていますが、モードIのき裂進展を考えた場合は垂直応力か最大主応力を見た方がよいという考え方もあるのですが、その辺はいかがなのでしょうか?

投稿: tsunodako | 2009年4月26日 (日) 19時15分

tsunodako さん こんにちは

設計時に評価する場合、延性材料ではミーゼス応力を、脆性材料では主応力を見るのが一般的のようですね。脆性材料の場合破壊過程で塑性変形というクッションをほとんど経ないからでしょう。
延性材料では、塑性変形による破損をまず第一に考えるということでしょう。延性材料で、衝撃力や疲労を考慮しなくても良い場合には、通常応力集中は破壊強度を低くはしないといえます。

>にあるシミュレーション図はミーゼス応力を見ていますが

有限要素法の専門家にお見せするには恥ずかしい絵を掲載していましたねcoldsweats01
ここでは、最初に塑性変形を開始するのはどこか、その場合周囲のミーゼス応力は低いということを確認する意味で、ミーゼス応力の分布を掲載していました。

モードIのき裂進展を考える場合には、やはり応力拡大係数を使って評価するというのが順当だと思います。ただ応力拡大係数を使って評価するのは、少々面倒です。そこまではしないという場合には、破壊形態としては、脆性的になることから、垂直応力もしくは主応力で評価するということになるのでしょう。

投稿: SUBAL | 2009年4月27日 (月) 07時35分

SUBALさん、ご返信ありがとうございます。大変勉強になりました。また、色々お聞きしてしまってすいません。。。

確かにき裂に対して本当はKを使って評価したいのですが、有限要素法などのシミュレーションを使って実際の製品に当てはめようとするいろいろ無理が生じてしまい、なかなか制限時間内に終えることができないのが現状で、まだまだ修行が必要なようです。。。


投稿: tsunodako | 2009年4月27日 (月) 23時57分

tsunodako さん おはようございます

こういう議論は大歓迎です。私も刺激になり勉強になります。
有限要素法等による解析は、破壊工学の分野で重要性を増してゆくのは明らかでしょう。
有限要素法でできることとその限界というあたりについて触れた論文や専門書はありますが、実務ベースで初心者にわかりやすく説明することも必要だろうと思っています。
教えていただくことが出てくるかもしれません。そのときはよろしくお願いいたします。

投稿: SUBAL | 2009年4月29日 (水) 09時23分

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