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天王洲ふれあい橋と渡良瀬橋(2)

Bridge5 天王洲ふれあい橋について続きです。写真はKADOTAさんから提供していただいています。

前の記事で、路床が見せる曲線は上向きに引張りあげられて形作られていると書きました。では、路床を引張っているのはどの部材でしょうか。

Trussfreai 名古屋工業大学市之瀬研究室にある「構造力学入門ソフト トラス解析」を使って、少々単純化したモデルで解析してみます。

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  Trussfreai2これが解析結果です。小さすぎるので、左側の部分を拡大してみます。

Trussfreai3 数値は軸力の大きさでプラスが引張り、マイナスが圧縮の軸力を表しています。斜め部材に引張りの軸力がかかっているのが分かります。縦の部材には圧縮の軸力がかかっているのが分かります。

路床を引張り上げているのは斜め部材であることが分かります。実は、トラス構造を少し勉強しているとプラットトラスになっているのだからこうなることはソフトを使って解析するまでもなく分かることなのです。

Prattプラットトラスは斜め部材が中央に向かってVの字になるように配置されます。こうすることで、斜め部材には引張りの軸力がかかるようになっています。

Bridge6 天王洲ふれあい橋の部材をみると、引張りになる部材はフラットバーになっていて、圧縮になる部材は梁トラスになっています。圧縮側は座屈に抵抗するために厚みが必要なのです。

普通のプラットトラスは平行弦といって上下の横に走る部材が水平線に平行に配置されています。上になる部材(上弦)が山形になるもの(上弦は圧縮になるのでアーチ状にする)を時に見かけますが、下弦が曲線(カテナリー状)になっている私は見たことがありませんでした。それでいて部材の作り方もや接合の仕方は、鋼の性質に踏まえてトラスの基本にのっとり正統に作られています。こんな橋が20世紀の終わりに架橋されたのは不思議です。設計者はどなたなのでしょう。実用やコストを超えた酔狂人の仕事のように思えます。私はこういう仕事に豊かさを感じるのです。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。私が掲載した1枚の写真をふくらませて記事にしていただき、ありがとうございました。どの部材が引張か圧縮のどちらの力を受けているかはなかなか想像がつきにくいものです。三角形解法程度を覚えれば簡単な形ならずぐに求められますが。ぜひいつかご見学ください。都合がつけばご案内いたします。

投稿: KADOTA | 2009年6月 8日 (月) 16時51分

KADOTA さん

写真を提供していただき有難うございました。
この橋、はじめて見たとき面白いと思いました。それを記事にしています。もう一話あります。
橋のトラスですと、どの部材が引張り圧縮かは解析をせずにひと目見ただけで判るようになりました。なぜ判るようになったか、というあたりは少し長くはなりますが、面白い話もあるのでどこかで書いてみたいです。
首都圏にはトラス橋だけでもいろいろな構造のものがありますね。7月には上京しますので、どこか見に行こうと思います。この天王洲ふれあい橋も見に行きたいですね。

投稿: SUBAL | 2009年6月 9日 (火) 02時30分

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