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フェイズドアレイ超音波探傷での集束限界

 「超音波による欠陥寸法測定」(共立出版)を読んでいます。まだ一部ですが、実務に携わっている人が書いているようで、勉強になります。
 フェイズドアレイ(Phased Array:フェーズドアレイと表記される場合があるようですがどちらが良いのかなぁ?)超音波探傷は、これから発展が期待される探傷法です。探触子を手で走査しなくても自動的にスキャンしたことになったり、屈折角を任意に変えて扇型にスキャンしたり、試験体の任意の箇所に超音波ビームを集束させてピンポイントを詳しく調べたり、といろいろできます。
 ただし、自由度が増すということは新たな問題も出てくるということです。たとえばグレイチングローブの発生、屈折角の限界、集束箇所の限界・・・等々。これらにも二律背反のようなことがあって、結局目的に応じた探触子の選定、遅延制御を含めた探傷条件の設定が重要になってきます。
 特に遅延制御では、試験体の中で超音波がどのようになっているのかシミュレーションをして見ることが必要なようです。
Phased_array_soft_2  このあたりは、すでにいろいろやられているでしょうが、学習用に手軽にイメージするソフトがあればよいなぁ、と考えて作っています。

 「超音波による欠陥寸法測定」に載っていた遅延制御の式を参考に、「Ultrasonic Beam」をベースにして作っています。
 映像は得られるようになり、これを動かしているといろいろと分かってきます。ただ、これがどこまで正しいのか現実に即しているのか、確認をしたくなります。

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 「超音波による欠陥寸法測定」に載っている図との一致は、私の評価では合格というところになっています。
 この本には、超音波ビームを集束させた場合の音軸中心での相対音圧をレイリー・ゾンマフェルト(Rayleigh-Sommerfeld)積分に基づいて計算した結果が掲載されています。Rayleigh-Sommerfeld積分は、光の回折の計算に使われる積分のようです。
Rayliegh_sommerfeld  私のソフトでも音圧を計算していますからそれと比較してみました。どうでしょうね。私は、正直こんなに一致するとは思っていませんでした。私は、Rayleigh-Sommerfeld積分などという難しいことはしていません。重ね合わせの理に基づいて、各ポイントの位相を計算してひたすら足し算をしているだけです。バカ積分と言うのはいやなので、SUBAL積分とでも呼んでおきましょうかcoldsweats01

 集束限界は、通常非集束の場合の近距離音場限界距離(D^2/4λ:この場合49mm)以下といわれていますが、焦点距離が伸びるにしたがって音圧の最高点と設定された焦点の位置とがずれてくるのが分かります。ソフトで作り出される画像を見ていると、このあたりはイメージとしてつかめてきます。何を持って集束というかにも拠りますが、音圧のピークが設定された焦点位置とほぼ一致するのは、近距離音場限界距離の半分程度の距離という感じがします。

 今のところソフトの検証としては、合格といえそうです。

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