« Wiiリモコンのプログラミング | トップページ | フェイズドアレイ超音波探傷での集束限界 »

フェイズドアレイの音場

Utsaizing 先日少し紹介した新刊本「超音波による欠陥寸法測定」裏カバーです。超音波ビームのCGがいくつか掲載されています。左側の図は、本書166ページに掲載されているフェイズドアレイ振動子によって作られる音場のCGです。
私は、超音波ビーム形状を理解するソフトを作って公開しています。このソフトは複数の小さな振動子から発信される球面状に広がる音を想定して「重ね合わせの理」で各ポイントでの音圧を計算しています。これはフェイズドアレイの考え方と同じなのです。以前から機会があれば、フェイズドアレイによる音場を手軽にシュミレーションできるソフトを作ってみたいと思っていました。
この本の166ページにあるフェイズドアレイによる音場の図と、私のソフト「Ultrasonic Beam」の図とを比較して見ます。
本書の図は、媒質は鋼、周波数2MHz、開口寸法24mm、垂直集束音場の模式図を掲載しています。
私のソフトと比較できるのは「非集束(焦点∞)」の音場です。私のソフトでは、振動子寸法が20mmまでしか設定できませんが、これを少し広げるのは簡単です。

にほんブログ村 科学ブログへアイコンをクリックすると、ブログランキングの応援になります。

Beam2mhz24 本に掲載された図と私のソフトで描いた図です。近距離音場の音圧が微妙に違いますが、形としてはほぼ一致しているといえるでしょう。相対音圧の設定の仕方と音圧計算の際の補間処理の仕方の違いだと思います。どういう処理をしているのかは分かりませんが、シュリーレン法で撮影された写真に近いのは私のほうかなという気がします。

Ultrasonic Beam」を改造して、フェイズドアレイ探触子によって作られる音場を表示できるようにしてみようと思い立ちました。そのためには個別の振動子をそれぞれ電気的に叩く遅延制御を組み込まなければなりません。本書にはその考え方が掲載されています。
Beam2mhz24focus30 これが先と同じ設定で、焦点距離30mmに集束させたときの音場のCGです。私の判断ではいけそうです。体裁を整えて、フェイズドアレイの音場を表示するソフトとして近々公開できるかもしれません。

設定を変えていろいろやってみると分かってくることがあります。本書での設定例が「周波数2MHz、開口寸法24mm」というのも合点が行きました。人体の超音波検査で2~3MHzが多く使われているのもフェイズドアレイの観点からも、なるほどという感じです。

本日の記事は、私の読書ノートのようなものです。こうしてソフトを作って検討をしてみると、本書の筆者が言いたいことも見えてきますし、疑問点や問題点も浮かび上がってきます。これまでにない刺激的な本であることは間違いありません。

|

« Wiiリモコンのプログラミング | トップページ | フェイズドアレイ超音波探傷での集束限界 »

超音波」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/222291/45861182

この記事へのトラックバック一覧です: フェイズドアレイの音場:

« Wiiリモコンのプログラミング | トップページ | フェイズドアレイ超音波探傷での集束限界 »