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ハンドマグナによるボルトの磁粉探傷

今年5月に2年前のエクスポランド・ジェットコースター事故に関連して、車軸の検査方法をCIW検査事業者協議会が独自に検討をした結果を公表しました。その内容をめぐってこのブログでも少し話題になりました。
CIW検査事業者協議会が検討結果を公表した意義は認めつつもその内容には疑問を呈さざるを得なくて、私は意見書を提出しました。直後に検討をするとのメールでの返事をいただきましたが、それ以降今日現在まで音沙汰はありません。私の疑問は意見書を公開していますのでそちらをご覧ください。
Rumps そのひとつは磁粉探傷の方法を示したこの写真でした。

私の考えはこれでは「磁極の接触が不安定で、磁極付近の不感帯と反磁界の影響が無視しえず、安定した探傷とは言いがたい」「専用冶具を工夫するかコイル法の適用を考えるべき」というものでした。

なぜハンドマグナを使ってこんな不安定な探傷方法を示しているのかと考えると、コイル法の装置は大きくなりがちで現地検査に向かないとか、コイル法の装置を持っている検査事業者は少ないのだろうということが浮かび上がってきました。だからこれでよいのだという考え方も納得いきません。

そこでなんとか広く普及している極間法(ハンドマグナと呼ばれる交流電磁石を使う)で探傷する方法はないのかということで考えました。

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Handmagna 私の結論は、実にシンプルで、CG(Shade)で図解をしてみました。2本を突合せて2本同時に探傷すればよい、というものです。実は当初もっと複雑なことを考えていて、アイデアとしては面白いので特許申請でもしようかと考えていましたが、予備実験の結果上手く行かないことがわかりました。ハンドマグナでは所詮だめとあきらめかけていたところ、ふとこの単純な方法が浮かんできました。下手な考え休むに似たり、というところでしょうか。

試験体を作ったり放電加工で人工きずをつけたりすることは私の環境では難しいので、A形標準試験片を使って磁粉指示模様が現れる磁界が得られることだけは確認しました。
こんな単純な方法はもうどこかで実施されているかもしれません。ただ、少なくても私が知るかぎり公の書籍や文章にありません。当たり前すぎるのかもしれませんが、公表してみることにしました。
Cimg3346 いくつか実施した実験ではねじ山に漏洩磁束が発生して無視できない擬似指示が出ることもありますので、スライダックと電流計を電源との間に挟んで、適正電流値に調整する仕組みにすればよいと思います。

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非破壊検査」カテゴリの記事

コメント

お久しぶりです。
回答がないのはCIWの検査技術者がものごとを考えないで検査をおこなっているように周囲から思われそうでいやですね。
今まで、30年ぐらいCIWの講習・試験を受けてきたものとして、少し残念です。
ただ、CIWの講習・試験があったからこそ、単なる音波屋さん(あるいは他の非破壊屋さん)ではなく、試験・検査対象物・対象物の欠陥を知ってUT(あるいは他の非破壊)を行なう試験・検査技術者と進化することが出来たと思っています。
そのようなCIWがあったから社会的にも検査会社が評価されてきているのですが。(少なくとも私の業務分野ではかなり頼りにされている)

アイデアはシンプルで実用的なもので、現場ですぐに使えるものと思います。(私はこの業務をしていませんので実際に使っての感想ではありませんが)
まさにコロンブスの卵のようなものです。
あとから、そのくらいのことは想像できたよという人がいるかもしれませんが、それは答えを見たからで、以外と思いつかないものです。
1つ、質問があるのですが、作業性等の問題でネジ部と同径の鋼棒を用いても同様の結果が得られると思いますが、どうでしょうか?

投稿: Ikegaya | 2009年9月22日 (火) 08時16分

おはようございます。

CIWは本当に検討してくれているのですかね。それとも問題が難しすぎるということでしょうか。
MTの話では、治具を作るという方向で行けばそう難しい話ではないように思います。単純に考えて治具を作るとすると特定のサイズ・形状に適用できるものになり汎用性は無くなります。ただ、それしか考え付かなかったのなら当面それで行くしかないという結論は出せると思うのです。(実は私は汎用性にこだわって考えてきて袋小路に入っていました)
それでもだめなら、私が意見書の中で提案している「水型エアゾール洗浄液」を使った浸透探傷試験という選択もあるはずです。
当面の探傷方法の選択と、今後の検討課題の提起という整理ぐらいはやれると思うのですが、どうなっているのでしょう。

>作業性等の問題でネジ部と同径の鋼棒を用いても同様の結果が得られると思いますが

試してはいませんが、コイル法で継鉄棒を使う発想と同じですからその通りだと思います。
こういうものを検査するときに1本だけということは少ないでしょうから、2本を一度に探傷できる、透磁率も同じ、試験体に適合した継鉄棒を用意する必要がない、という意味で作業性は良いのかなと思っています。
一人作業にするためには、試験体を安定して設置するためのたとえば木製(もしくはプラスチック製)の台を作ればよいと考えています(これは使うハンドマグナの磁極間距離が同じであれば汎用のものをそう難しくなく作れます)。
LEDのブラックライトを適正な位置から照射するように配置するという工夫も考えられます。
4分割以上の分割は必要ですし、適正な電流値の設定も必要ですから、的確な判断ができるレベル3技術者による手順書の作成が不可欠と思います。

投稿: SUBAL | 2009年9月22日 (火) 09時31分

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