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天王洲ふれあい橋 その2 torque shear bolt

Cimg3434 天王洲ふれあい橋の銘盤は、目立たない場所にひっそりと掲げてありました。

Cimg3433 拡大してみると、書いてある内容は実にあっさりしたものです。注目したのは4行目「使用鋼材:SS400. S10T」です。
SS400は、JIS G 3101に規定されている 一般構造用圧延鋼材で、細かい合金成分を指定しない引張強度が400MPa(N/mm^2)以上という材料であることはすぐ分かりました。S10Tというのはどんな材料だろう、S10Cなら知っているけれど・・・、現場では分かりませんでした。

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帰ってきて調べてみると、S10Tというのは日本鋼構造協会規格JSSⅡ09で規定されている構造用トルシア形高力ボルトのことだと分かりました。トルシア、トルクシア、英語ではtorque shear bolt。
Cimg3434bolt ボルトの頭がリベットのように丸くなっていることが特徴です。S10Cの10は引張強さ100kgf/mm2=10ton.f/cm^2の10、Sはfor Structural JointsのSとのことです。

ナットは六角ですが、ボルトの頭は饅頭のような丸。現場でこのボルトを見たときにどのように締めるのか、ちょっと不思議でした。

Img_2769 このボルトには施工前にはピンテールと呼ばれる部分がボルト先端についています。専用工具で締めるようですが、締め付けることでピンテールがねじ切れることでトルク管理ができるようになっているようです。
Hitentionbolt_hp_pic1 これだと、締め付け作業が一人で可能になりますね。橋などの建造には良く使われているようです。
この業界では常識なのかもしれませんが、私には新鮮でした。

参考:

【建辞苑】高力TCボルト(トルシア形高力ボルト) 
TCボルト現場予備試験(キャリブレーション)

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科学技術」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。最近、建築用のねじを勉強しているので参考になりました。まだまだねじの世界は奥が深いです。

投稿: KADOTA | 2009年10月13日 (火) 19時42分

>まだまだねじの世界は奥が深いです。

本当にそうですね。ねじに関する次の著作、楽しみにしています。

投稿: SUBAL | 2009年10月14日 (水) 01時58分

おはようございます。
ピンテール,ハンマーでたたいても折れません。鋼の強さを感じさせてくれます。

投稿: niwatadumi | 2009年10月14日 (水) 07時38分

せん断でねじ切れるトルクと締め付けトルクが一致するように調整されているようですね。
靱性の低い材料は衝撃に弱く、ねじりには軸方向に45度傾いた破面が現れるのだ・・・なんて話をしてきたばかりでした。
私は初めて知りましたが、こういうのは感心しますし面白いです。

投稿: SUBAL | 2009年10月14日 (水) 23時05分

>せん断でねじ切れるトルクと締め付けトルクが一致するように調整されているようですね。
現場施工で安全率が異なるのは溶接やリベットではありますから、そのいみではちゃんとしたトルク管理はニーズがあるのですが、実際トルクレンチが入らないようなところの管理って市場には結構あって、後追いで管理ってのが困ります。
但し現実にはトルシア型六角ハイテンボルトてS10Tしか市場にないような気もしますが、補修のことも考えて銘板にあるんでしょうか。

投稿: デハボ1000 | 2009年10月15日 (木) 01時06分

トルシアと聞いたときは、元サッカー日本代表監督かい、と思いましたが・・・。
超音波を使って軸力を測定する方法がありますが、通常のボルトの長手方向に超音波を伝搬させる方法では、トルシアボルトの軸力測定は誤差が大きくなりすぎて使えないという情報をもらいました。
破断面が超音波の反射面になるためでしょうね。
銘板は、橋の構造のこだわりにもかかわらず、ずいぶんあっさりしているなと思いました。材質だけなら品川区に設計図書があるでしょうに。

投稿: SUBAL | 2009年10月15日 (木) 23時03分

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» トルクレンチ、ラチェットレンチ [袖ヶ浦在住非破壊検査屋]
プラント配管などのフランジをボルト&ナットで締結する際、その締付け力を管理したい場合によく使うトルクレンチ。クルマの整備工場でもよく見かけます。 僕が普段使う場面はラプチャーディスクを交換する時くらいなので写真の100N・m程度のトルクレンチで足りるのですが、定修などでは専門の「トルク屋さん」が来てプラント熱交のデカいボルトを油圧装置で閉めてゆくのをよく見かけます。スタッドボルトではトルク締めしている反対のナットが共回りしないように人力も必要で、ちょっと気にかかることもあるのですがそれは...... [続きを読む]

受信: 2009年10月15日 (木) 22時31分

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