« 2009年9月 | トップページ | 2009年11月 »

2009年10月

ねじ部の磁粉探傷

ねじ部の磁粉探傷(MT)について、niwatadumiさんがプチ実験を行っています。
ここで注目したのは、ねじの切り始め「不完全ねじ部」と呼んでいるところで、磁粉探傷では検出不可になるきずがあり、水洗性の浸透探傷試験(PT)では検出できる場合があるという報告です。

ボルト(直径約30mm 長さ約180mm 鋼)の非破壊検査を仕事で行っているという卒業生から、昨晩このブログ記事を読んでいるというメールが届きました。現場の様子がわかってとても参考になりましたが、そのなかに、

『TPには、ボルトの頭部下と、ネジ部に深さ1~3㎜の人工欠陥を作り検証はしています。MTで検出不可もありました。』
という報告がありました。
私自身は実験をしていないので、確定的なことはいえないのですが、磁束の流れを考えるとありそうかなという勘がします。

続きを読む "ねじ部の磁粉探傷"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

学生フォーミュラ大会で活躍中

卒業生から元気で活躍しています、といったメールをもらうとうれしくなるものです。たとえばこちら。

卒業生ではないのですが、うれしいメールが届きました。

数日前に、同志社大学で「全日本学生フォーミュラ大会」に参加するチームのプロジェクトリーダーをつとめたという湯浅君からです。

『ものづくり・デザインコンペティション 学生が自ら構想・設計・製作した車両による競技会』といううたい文句で今年で第7回目、海外の大学も含めて80チームが参加したようです。面白そうですね。

この湯浅君は、今から6年前に岡山県にある落合中学というところで、文化祭の取り組みとして「つまようじブリッジ」を企画してそのときに私と何度かメールのやり取りを通じて交流があった若者です。そのときのいきさつはこちら

その後、高校への進学、大学への進学・・・と折に触れて近況を知らせてくれます。
今回のメール、湯浅君の承諾を得ましたので、続きで紹介します。

アイコンをクリックすると、ブログランキングの応援になります。

続きを読む "学生フォーミュラ大会で活躍中"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

インフルエンザがやってきた

息子が通っている学校では、インフルエンザ感染が広がって、学校閉鎖になりそれがあけたら今度は学級閉鎖になりました。結局10月はほとんど学校に行っていません。その影響で学校祭は中止になりました。
息子たちにとって痛かったのは、ロボコン大詰めでそろっての活動ができなかった事です。家に持ち帰れるものをそれぞれの自宅で作ったようです。
北海道地区大会自体が延期になって、ギリギリの11月1日・・・今度の日曜日に函館高専で開催されます。今回のロボコンは最初のハードルがインフルエンザだったという事になりそうです。

アイコンをクリックすると、ブログランキングの応援になります。

続きを読む "インフルエンザがやってきた"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

CFRPの損傷と電子顕微鏡@苫小牧市テクノセンター

炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は近年航空機材料として使われる事が多くなってきました。
CFRPは、まずアクリル繊維の一種であるポリアクリルニトルの繊維を引張力をかけた状態で電気炉で加熱焼成して丈夫な直径数ミクロンの繊維として作ります。この繊維に樹脂となじみやすくする表面加工を施したうえで束ねてエポキシ樹脂をしみこませ板にしたものを層にして重ね合わせて目的の形にします。整形された部材は、オートクレーブとよばれる釜に入れて熱と圧力をかけることで硬く強くします。
CFRPに衝撃力を加えて損傷を作り出す実験を学生とともに行っています。ある程度すすみましたので、昨日苫小牧市テクノセンターへ出向いて走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope; SEM)使って観察してきました。

アイコンをクリックすると、ブログランキングの応援になります。

続きを読む "CFRPの損傷と電子顕微鏡@苫小牧市テクノセンター"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

CIW見解について その3 ねじ部の探傷

非破壊検査できずを検出する場合、きずが存在する事によるシグナルを捕まえる事と同じぐらいきず以外の原因による錯乱要因(ノイズ)を少なくして見極める事が重要になってきます。

ねじ部の探傷は、磁粉探傷(MT)でも浸透探傷(PT)でもねじそのものがきずを検出する事にとってノイズとなる擬似指示模様を作り出す要因になります。

Rumps

CIWの実証実験のレポートに掲載された写真は電磁石の一方の極をほとんど点接触になるような不安定な状態でねじ部に接触させていました。これでねじ部の探傷というのはいかにも乱暴であるという事で、私は意見書にその旨を書きました。I氏も同様の意見でした。これに対するCIWの見解は、つぎのようなものでした。

「これらを含めて3氏のご意見は技術的にはそれぞれ正しいものであり、当委員会があれこれ申し上げる立場にはありませんが、『今回の実験の前提条件』(RUMPES Vol23 No2 Spring 2009)を見直していただくとなぜ極間法を採用したかごりかいいただけるとおもいます。」

意味不明な展開になっています。極間法を採用するとしてもその仕方がまずいのではないか、という意見に対して「技術的には正しいが」極間法を採用したのにはそれ相応の事情があるのだ、といいたいようです。これは論点をすり変えです。技術的には正しいが実際上は適用できないでしょう、といいたいのでしょうが、実際上適用できない技術的正しさなどないと私は理解しています。技術とはそういうものでしょう。技術上正しくないやり方でも諸般の事情があるから仕方がないのだ、という考え方だとしたらそれは間違っていると思います。

アイコンをクリックすると、ブログランキングの応援になります。

続きを読む "CIW見解について その3 ねじ部の探傷"

| | コメント (2) | トラックバック (1)

CIW見解について その2 検出すべききずの位置

 非破壊検査方法を選択する際には、いくつかの条件を考慮して総合的に判断しなければなりません。その中で、試験体の形状と検出すべききずの位置・かたち・サイズは優先順位の高い条件です。

CiwaCIWが実施した実証実験では人工きずを加工した位置が、ねじ部近くの平行部(左図黄色矢印)でした。私を含め意見書を提出したI氏もK氏も検出すべききずの位置はこの位置で良いのかという疑問を投げかけています。
 当然実際に起きた事故を想定しているわけですから、破断した軸で疲労亀裂の起点はどこなのかの判断が問われます。今回公開されたCIW見解では、大阪府警が公開して新聞紙上に掲載された軸の写真を見て検討したことが記載されています。そのうえで、「どの部分がき裂の起点なのか明確には判別できません」としています。
Ciwb  CIW見解では本当は左図の黒矢印の位置にも人工きずを加工しようとしたのだけれど「加工業者の力量不足等」でどれも同じような平行部への加工になってしまった、と述べています。

アイコンをクリックすると、ブログランキングの応援になります。

続きを読む "CIW見解について その2 検出すべききずの位置"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

CIW見解について その1 超音波探傷の可否

2年半前に大阪府吹田市で起きたジェットコースター事故に関連して、事故を防ぐための非破壊検査方法はどうあるべきかをめぐって、CIW検査事業者協議会技術委員会が実証実験を行い、それをめぐって議論が始まっています前の記事で報告したようにCIW検査事業者協議会技術委員会がこのほど見解を発表しました。私としては疑問符を投げかけざるを得ませんので、何回かに分けて私の考えを述べてゆきます。

最初は、CIW検査事業者協議会技術委員会と意見が一致した点についてです。

それは、この軸に対して分解せずに超音波探傷を適用することは避けるべきだ、という点です。この点は、すでに現在稼動しているジェットコースターの車軸点検に超音波探傷を適用している事例もあるようで、その現実に対する警報として実際上も重要な点だと思います。

アイコンをクリックすると、ブログランキングの応援になります。

続きを読む "CIW見解について その1 超音波探傷の可否"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

CIW検査事業者協議会から回答

日本溶接協会から郵便が届きました。なんだろうと開けてみるとCIW通信「RUMPES」のVol23No4が入っていました。
Rumpes 今年5月「RUMPES」誌上に掲載された「コースター車軸検査法」について私が提出した意見書に対する見解(以下見解と略します)が掲載されていると添え書きがありました。
私(見解の中ではTとされています)以外にもI氏とK氏が文章で意見書が寄せられたということです。両氏とも存じ上げている方です。
私の意見書の内容は、こちらのページです。
同誌はWEB上でも読むことができます。こちらの7~8ページにあります。
みなさんは、この見解を読んでどう思われますか?

アイコンをクリックすると、ブログランキングの応援になります。

続きを読む "CIW検査事業者協議会から回答"

| | コメント (3) | トラックバック (0)

原田康子とコサックの兵士

釧路を舞台にした小説「晩歌」で知られた作家原田康子氏が亡くなったと報じられていました。北海道内では良く知られた作家です。
「挽歌」に登場する釧路湿原は子供のころ良く遊んだところですし、主人公の自宅等があったところは鶴ヶ岱といって、私が通った大学の近くです。
もう四半世紀以上前の話ですが、一度だけ札幌のご自宅でお目にかかったことがあります。約束した日は交通マヒになるほどの大雪でした。大きな通りから小路を入ったところにあるご自宅を雪をかき分けて訪ねてゆきました。
リビングに通されて、小一時間ほど話をしたでしょうか。直接の用向きは10分程度で終わりました。あとは何を話していたのでしょうね、内容は残念ながら覚えていません。印象としては、実に上品に私の話を引き出して、面白がっていたような記憶があります。著名な作家を前にして、いくらずうずうしい私でも最初は緊張をしていたと考えられますが、外には雪が深々と降るリビングで、少し年代が離れた2人が語り合う、心地よいひと時をすごしたシーンがよみがえってきます。

アイコンをクリックすると、ブログランキングの応援になります。

続きを読む "原田康子とコサックの兵士"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

悲しくてやりきれない

加藤和彦氏が亡くなったと報じられていました。フォークソング全盛時代がハイティーンでしたから、ザ・フォーク・クルセイダーズの歌もよく聴きましたし、歌いました。
中学・高校と同級で今は東京でPL教団のえらいさんをやっていると聞くY君やロバートキャパにあこがれて新聞記者になったS君らと、グラウンドで郊外のキャンプ地で時にはデパートの階段踊り場(エコーがかかって良かった)で歌いました。
悲しくてやりきれない」もレパートリーのひとつでした。YOUTUBEにもありました。

坂崎幸之助とのデュエットも良いですが・・。

アイコンをクリックすると、ブログランキングの応援になります。

続きを読む "悲しくてやりきれない"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

渦流探傷レベル3復活

私のミスから一時は消滅したとあきらめていた「渦流探傷レベル3」の資格が復活しました。
JIS Z 2305による資格認証制度になって初めての5年目の切り替え時期が来ていて、締め切り時期をうっかり逃してしまったのです。
Etlevel3 渦流探傷は電磁誘導を使う探傷方法で、プラントでは熱交換器のチューブの探傷に使われますが、航空機の世界ではアルミ合金でできている機体やチタニウム合金でできているエンジン部品の探傷に使われています。
これで、「非破壊検査資格6部門すべてレベル3+総合管理技術者」を標榜できます。レベル3への挑戦は、40歳を過ぎてからでした。衰え始めていた脳に活を入れながら頑張りました。

アイコンをクリックすると、ブログランキングの応援になります。

続きを読む "渦流探傷レベル3復活"

| | コメント (4) | トラックバック (0)

JR西日本の事故調査妨害とNDIの教育記録偽造

 JR西日本が会社ぐるみで、福知山線事故に関する事故調査委員会に買収行為までしていたことが発覚しています。
 私は、現在の日本では事故が起きると、業務上過失致死罪で誰かを挙げることが最優先されて事故原因の究明が後景に追いやられる仕組みになっていることが良くないと思っています。航空と鉄道は事故調査委員会があって、他の分野よりは事故を教訓化してゆく方向になっているといえます。
 私は、ある意味事故を起こすことよりこうした事故調査に関する妨害行為のほうが罪が大きいと思うのです。この件は、謝って済ませる問題ではないでしょう。事故原因を明らかにして将来の事故を防ぐ行為は重要な公共的行為です。道義的な責任という以上に、公務執行妨害といった犯罪行為であることを明確にしなければならないと思います。
 買収金額が10万円というのも唖然としました。事故調も安く見られたものです。

アイコンをクリックすると、ブログランキングの応援になります。

続きを読む "JR西日本の事故調査妨害とNDIの教育記録偽造"

| | コメント (4) | トラックバック (1)

超音波探傷試験 実技テキスト デジタル編 発刊

Desital_ut 日本非破壊検査協会(JSNDI)から「超音波探傷試験 実技参考書 『デジタル超音波探傷器』編」が発刊になり、見本本が送られてきました。私も編集委員の一人として分担執筆をしています。
来年春の資格試験からJSNDIは超音波の2次試験はデジタル探傷器を使うとアナウンスされています。それに伴い、この秋の講習会から、デジタル探傷器が使われます。この本はそのための実習用テキストです。

アイコンをクリックすると、ブログランキングの応援になります。

続きを読む "超音波探傷試験 実技テキスト デジタル編 発刊"

| | コメント (4) | トラックバック (0)

天王洲ふれあい橋 その2 torque shear bolt

Cimg3434 天王洲ふれあい橋の銘盤は、目立たない場所にひっそりと掲げてありました。

Cimg3433 拡大してみると、書いてある内容は実にあっさりしたものです。注目したのは4行目「使用鋼材:SS400. S10T」です。
SS400は、JIS G 3101に規定されている 一般構造用圧延鋼材で、細かい合金成分を指定しない引張強度が400MPa(N/mm^2)以上という材料であることはすぐ分かりました。S10Tというのはどんな材料だろう、S10Cなら知っているけれど・・・、現場では分かりませんでした。

アイコンをクリックすると、ブログランキングの応援になります。

続きを読む "天王洲ふれあい橋 その2 torque shear bolt"

| | コメント (6) | トラックバック (1)

天王洲ふれあい橋 その1 ピン接合トラス

Cimg3422 羽田空港へ向かうモノレールを途中下車して、天王洲ふれあい橋を見てきました。今年6月に面白い橋だなと思い3回にわたって長い記事にしました。
実際に行ってみていくつかの発見もあり、また好きになりました。
Tennouzu 下路プラットトラスでピン接合の橋です。トラス構造では、原理的に部材には曲げ応力は生じず、引張りか圧縮の軸力のみになります。やや近い設定でトラス解析を行ってみます。橋中央部に荷重を設定しました。図中で赤い線が圧縮、青い線が引張りになります。で、実際の天王洲ふれあい橋ではどうなっているかというと・・・

アイコンをクリックすると、ブログランキングの応援になります。

続きを読む "天王洲ふれあい橋 その1 ピン接合トラス"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

迅速な対応

台風一過さわやかな秋晴れです。

昨日は台風18号の影響で首都圏の交通網はずたずたでした。昨日朝から予定していた航空工場検査員国家試験どうするのかなと思い、会場へいきました。私たちは歩いていけるところに宿泊していましたから予定時間どうり行くことが可能でした。同様な受験者も多数いました。

会場に着くと、係官が試験時間を3時間遅らせるお知らせと新たなタイムスケジュールを印刷したリーフを配っていました。試験会場は機械振興会館の地下3階なのに、1階入り口付近でです。6階には受験生のための控え室も用意してありました。6階の控え室では、机椅子があり休憩も勉強もできます。例年ではそんな控え室なんてありませんでした。

経済産業省の役人、なかなか気が利いているというか、迅速かつ適切な対応に感心しました。やればできるじゃないか。

アイコンをクリックすると、ブログランキングの応援になります。

続きを読む "迅速な対応"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

擬似セミモノコック構造

都内のホテルにいます。ニュースでは台風18号関連をずっとやっています。交通機関も警戒をして運休などの措置をとっているようですね。窓の外を見ると、小雨は降っているものの風はほとんどありません。これからくるのでしょうか。

Cimg3413 昨日の羽田空港、手荷物受け取りに向かう通路です。窓側のデザインは、飛行機機体のセミモノコック構造のように見えます。

アイコンをクリックすると、ブログランキングの応援になります。

続きを読む "擬似セミモノコック構造"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

夜が明けたら

航空工場検査員国家試験受験引率で、上京です。台風の中に飛び込んで行くようですが、帰ってこれるのでしょうか。お天気悪そうですね。

アイコンをクリックすると、ブログランキングの応援になります。

続きを読む "夜が明けたら"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

浸透液に洗浄剤をかけてみる

毛細管現象を使う非破壊試験方法に浸透探傷試験があります。サインペンのキャップをし忘れて胸ポケットにでも入れてしまうと、繊維の間にインクがしみこんで行きますが、これが毛細管現象です。原理的には隙間が狭いほど重力に逆らってでもしみこんでいきますから、幅の狭い亀裂の検出に利用するには都合がよいのです。ただ幅が狭くなれば、しみこんでいく際の抵抗が問題になってきます。粘度です。
Cimg3407 浸透液に洗浄剤がかかったら粘度がどうなるか、簡単な実験を行ってみました。
およそ6度傾けたステンレスの平板に水洗性染色浸透液と溶剤除去性浸透液を刷毛で塗りました。これに洗浄剤をかけてみました。

アイコンをクリックすると、ブログランキングの応援になります。

続きを読む "浸透液に洗浄剤をかけてみる"

| | コメント (6) | トラックバック (0)

モラルハザード

NHKのTV番組「出社が楽しい経済学」をなにげなく見ました。面白かったですね。
経済学で言う「モラルハザード(moral hazard)」というのは、「道徳や倫理感の欠如」のことをさすのではないのだそうです。

アイコンをクリックすると、ブログランキングの応援になります。

続きを読む "モラルハザード"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2009年9月 | トップページ | 2009年11月 »