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天王洲ふれあい橋 その1 ピン接合トラス

Cimg3422 羽田空港へ向かうモノレールを途中下車して、天王洲ふれあい橋を見てきました。今年6月に面白い橋だなと思い3回にわたって長い記事にしました。
実際に行ってみていくつかの発見もあり、また好きになりました。
Tennouzu 下路プラットトラスでピン接合の橋です。トラス構造では、原理的に部材には曲げ応力は生じず、引張りか圧縮の軸力のみになります。やや近い設定でトラス解析を行ってみます。橋中央部に荷重を設定しました。図中で赤い線が圧縮、青い線が引張りになります。で、実際の天王洲ふれあい橋ではどうなっているかというと・・・

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Cimg3432 引張り部材はフラットバーになっており、圧縮部材はH鋼をつかいさらに2本のH鋼を斜め部材で結んでいます。座屈を避けるために断面二次モーメントを大きくする形になっています。

プラットトラスで斜め材はすべて引張りになります。日本の橋には見かけませんが、米国には斜め部材がワイヤーになったプラットトラスもあります。

この橋の特徴は20世紀末に作られているのに、トラスの原理に忠実にピン接合にしてあることです。ピン接合というのは部材と部材の接合部が回転自在になるように軸でつないであることを言います。
Cimg3417 これが接合部です。ピンと言っても実際はボルトです。接合部をよく見ると、部材とボルトとの間、あるいはワッシャーとの間には厚いゴムが挟み込んであります。上に回転自在に成るようにと書きましたが、実際には部材の弾性変形の範囲では変形量は極わずかですから接合部の角度の変化も極わずかです。ゴムの変形で充分と考えられます。
以前の記事にも書きましたが、車は通らない歩道橋ですし、現在のトラス構造の考え方から言って、こんな生真面目なトラス構造である必要はないと思います。デザイナーの趣向なのでしょう。
歩道橋ということで趣を加えたのでしょうか。こういう場合著名な彫刻家の手になるブロンズ像を設置するとか、明治時代の街灯のようなものを設置するなんてのが良くあります。この天王洲ふれあい橋は、構造を生真面目にしかもかっこよくむき出しにすることを選択したのでしょう。
どんな人がデザインしたのでしょうか。銘盤に意匠が書かれているかも知れませんので、探しましたが、なかなか見つかりませんでした。やっと見つけた銘盤に書かれていることで、また面白い発見がありました。(続く)

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コメント

こんにちは。やはり、実物を見ると新たな発見があると思います。続編も期待しています!

投稿: KADOTA | 2009年10月12日 (月) 07時59分

今回の旅行は、台風に振り回されましたが、幸いほとんど雨にぬれずにすみました。天王洲ふれあい橋はどうしても実物を見たかったので、途中下車しました。
次回は「ねじ」の話です。

投稿: SUBAL | 2009年10月12日 (月) 10時09分

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