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黄金比とウィキペディアの中立性

久々に黄金比についてです。
ウィキペディア(Wikipedia)はインターネット上の百科事典とでもいえるもので、筆者は誰でもよく、その信頼性が議論になっているようです。
私も書き込んだことがありますが、多分影響が大きかったのは「黄金比」についての変更だったと思います。
瑣末な議論は避けたかったので、明白なオウムガイの螺旋に見られるとされる黄金比なるものの記述を2006年に書き換えました。この記述を書き換えたころから、ネット上に「自然の中の黄金比説」が急速に消えていきました。最近テレビの「教養バラエティー」番組で言われる事もほとんど無くなりました。
実はこの記述が最近「ウィキペディアの中立性」という名のもとに削除されているのを知りました。
私が何を訂正したのか、それがどうして削除されたのかをこの記事にして残しておこうと思いました。

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私が訂正する前には、このような記述が掲載されていました。

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Fakereallogspiral 黄金四角形(辺の長さの比が黄金比になる四角形)の黄金分割: 黄金四角形から短辺を一辺とする正方形を取り除いて残る部分はまた黄金四角形となる。そうして、この長方形は無限個の正方形で埋め尽くされていく。
793pxnautiluscutawaylogarithmicspir 黄金分割された黄金四角形の辺上で正方形のかどとなる点を滑らかにつないでいくと現れる、黄金四角形に内接する螺旋は自然界ではオウムガイの殻の形状としても見られる.
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これを私は次のように後半部分は訂正しました。訂正後

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黄金分割された黄金四角形の辺上で正方形のかどとなる点を滑らかにつないでいくと螺旋が現れる。黄金四角形に内接する螺旋は自然界ではオウムガイの殻の形状としても見られる、という説があるが、これは俗説である。黄金矩形に沿う螺旋もオウムガイの殻に見られる螺旋もともに対数螺旋であるが、螺旋の定数は異なる。
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そして本文の中には、このような記述を加えました。

/////////////////////////////////
ただし、「自然の中に黄金比がある」という説は、調査の結果に基づかない期待や願望の投影であることが多く注意が必要である。
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黄金比は自然の中にあり、神の比であり美の基準である、というまったくの俗説が各種の本の中にありテレビで数学者が話し、中学や高校の数学の時間にも教えられているという事実を知って、訂正したものです。
もちろん私自身が行った調査に基づく裏づけを持った主張でした。こちらのページを見てください。

それが削除されていました。その理由はこちらです。「中立性」を論拠にして出典を求められていますね。こんな記述があるのを知りませんでしたから、反論をしていませんでした。一見もっともらしいけれど、比なんて定規を使って寸法を測定して簡単な割り算ができればわかることですからね。出典を求める前に、自分の頭で考えれば分かる範囲だと思うのです。ネットで検索すれば、先の私のページはすぐに出てきます。
ウィキペディアの編集者にこの程度の常識的な判断力を求めてはいけないのでしょうか。
オウムガイの殻に黄金比があるという説に戻ったわけではないので、良しとしなければなりませんかね。

ただし、

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黄金比はパルテノン神殿やピラミッドといった歴史的建造物、美術品の中に見出すことができるという。また、自然界にも表れ、植物の葉の並び方や巻き貝の中にも見つけることができるといった主張がある。
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という記述を残して、それらは「調査の結果に基づかない期待や願望の投影であることが多く注意が必要である。」という記述を削除している事からすれば、編集者が「自然の中の黄金比」に疑問を投げかける事自体を消し去りたいという意図があることは容易に想像できます。パルテノンやピラミッド植物の葉の並び巻貝の中に黄金比がある、という点については「言われている」、として疑問を投げかける考えは紹介しない。こういうのは「中立」とは言わないでしょう。私から見ると毒されているとしか思えません。

私は、「自然の中の黄金比」というある種の信仰を信じたい人についてあれこれいおうとは思いません。ウィキペディアがそうした心情を反映するものだとしたら、それをとやかく言う気もしません。ただ、少なくても数学の問題として学校でこんなインチキを教えるのはやめて欲しい、そのために記事にしておきます。

こうなれば、どこかで「対数と比と黄金比」に関して本でも書くしかないかな。引き受けてくれる出版社はあるでしょうか。

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黄金比」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。
Web百科事典が出典を求めるというのは自己矛盾ではないでしょうか…。

>「対数と比と黄金比」に関して本でも書くしかないかな

書籍化は楽しみですが、身近な業界紙に寄稿するのも良いのではありませんか?

投稿: niwatadumi | 2009年12月25日 (金) 22時50分

>Web百科事典が出典を求めるというのは自己矛盾ではないでしょうか

確かにそうですね。Webなんかあてにせずに権威のある人の本を読みなさい、と言っている事ですからね。
ウィキペディアは鵜呑みにせずに、ヒントをもらうつもりで自分の頭で考える、そういう媒体として接すれば結構有効だと思っています。実は単行本を読むときも同じなのですが・・・。
両論併記でもなく出典を短期間求めて、両論削除で、既存の本の紹介では、意味ないなと私も思います。
まして、こんな簡単な事を・・・。

>身近な業界紙に寄稿

JSNDIの機関誌の「ティータイム」だったら載せてくれるかもしれませんが、このブログの読者より多いのか疑問ですcoldsweats01

投稿: SUBAL | 2009年12月25日 (金) 23時08分

>身近な業界紙に寄稿
 こんな話は「子供の科学」に似合いそうです。

投稿: Husigidou | 2009年12月26日 (土) 07時17分

SUBALさん おはよう

編集者の「白駒」の主張まで遡って読みました。ひどいですね。彼の書いた「πの無理性」も読んだのですが、これも上っ面を撫でただけです。
いつもこんな風に記事を書いているものだから他人もそうだと勘違いしてしまうのです。自分で考えないで出典に頼る、権威に頼ることが編集方針のようです。知識はあっても知性が欠如しているのです。

Wikipediaの凄いのはマンガやアニメのようなサブカルチャーの情報だけでしょう。これにはかぶとを脱ぎますね。これだけだというのが淋しい限りです。

投稿: 271828 | 2009年12月26日 (土) 08時43分

Husigidou さん こんにちは

学研の「科学」は廃刊になりますしね。誠文堂新光社さん乗ってくれますでしょうか。以前別の企画について検討はしてくれましたが、結局たなざらしになっているものがあります。こういうのは目次案だけではなくある程度原稿にして持ち込むしかないでしょう。結構マジモードかな?

投稿: SUBAL | 2009年12月26日 (土) 10時15分

271828 さん こんにちは

もっともらしい見解の底に見えるのは、保身を補完する権威主義。自分の頭で考えた事のない「優秀な教員」にありがちな思考パターンで、私は若いころそんなのに反発していましたっけ。
「白駒」さん数学を専門としている人ですね。数学を勉強していてもそれだけでは判断力はつかないという事のようです。

投稿: SUBAL | 2009年12月26日 (土) 10時59分

「子供の科学」は、父が子供の頃読んでいて、今は我が息子のために母が年間購読で贈ってくれています。とても面白いですね。
誠文堂新光社が「子供の科学」を検索してここを見たら「SUBALさんにちゃんと取材してグラビアページで紹介しろよな」という読者からのリクエストでもあるんです。

投稿: Husigidou | 2009年12月26日 (土) 17時57分

誠文堂新光社の本では、モデルロケットの本を数冊持っていまして一時期はまった事があります。ほかにも鉱物の本や陶芸の本を持っています。ビジュアルな解説という意味では良い出版社かもしれません。子供の科学は定期購読していませんが、何冊かは持っています。二宮さんの紙飛行機の型がついてくるのが良いです。いまや貴重な雑誌となりました。
誠文堂新光社さんに検索で来てもらう為には、正しい社名を書いておかないとだめですね。
誠文堂新光社さん、連絡お待ちしておりますhappy01

投稿: SUBAL | 2009年12月26日 (土) 18時15分

 「子供の科学」を持ち出したのは、我が家で親子3代に渡って読んでいる雑誌でもあり、今も整理の下手な息子のそれが部屋に散在しているからです。そして何よりこの雑誌、内容が多岐にわたって豊富だからです。
 この記事のコメントとしたのは、Wikipediaについて書いて欲しいと思ったからではありませんでした。黄金比の方です。子供の科学では「黄金比」という言葉は珍しくないように思いますし、子供はこんな単語が大好きです。ピカピカですから。私の息子は鉱物が大好きですから尚のことかもしれません。誠文堂新光社にはこんな本まであるようです。
http://www.seibundo-shinkosha.net/products/detail.php?product_id=2156

 ところでSUBALさんがここで主題にしたのは「Wikipedia」でした。NETとどうつきあうか、というのはこれからしばらくの時代は重要な課題です。子供たちにもなにかと教えておかなくては、大怪我さえしかねません。その切り口の一つとして、Wikipediaの話題は面白いと思います。NETとのつき合い方、利用法は、子供の雑誌に息長く取り上げてもらえると良いなと考えています。これほど息の長い雑誌も珍しいですから。

 それでは、良いお年をお迎え下さい。

投稿: Husigidou | 2009年12月31日 (木) 05時56分

Husigidouさん 情報を有難うございます。

この記事からは二つの切り口があるということですね。
「子供の科学」には黄金比がよく登場するのですか。そうすると、多分黄金比に対する実証的な見方ではなく、「黄金比は自然の中にも古代の建築物の中にもある美の基準としての神秘的な比」というトーンなのでしょう(「子供の科学」の熱心な読者ではないので認識違いがあるかもしれませんが)。「だから数学は面白いでしょ」ともって行きたい大人の事情で、数学なんて大嫌いという子供への甘いお菓子としてよく使われます。しかし、これは単に甘いお菓子などではなく麻薬に近い、これを言っている「数学者」や「数学の先生」自身の頭を犯していませんか、というのがこのブログでずっと言ってきた事です。その比が1.3程度であっても1.618・・・の黄金比であるというほどにいわば宗教的妄信に近いものがあります。それを子供たちに得意げに語った事があると、事実を突きつけられても認めることは難しいようです。
その意味で、戦前からの長い歴史がある「子供の科学」に取り上げてもらう意義はあるかもしれませんね。
数学を活き活きと教えられない先生たちと、美意識を自分の中に構築できない建築デザイナーの中に「黄金比」は麻薬のように生き残っている、私の認識です。
ごめんなさい、「NETとどうつきあうか」は目下私の興味の範囲外なのです。Wikipediaがいいかげんといわれますが、それは書籍だって教科書だって論文だって多かれ少なかれ同じだと私は考えています。すべてを無批判的に受け入れる事も、すべてに懐疑的になることも拒否する。これは、教科書を北京ダックのように丸呑みをする事が競争に勝つ事だと知ってそれを拒否した10代の時から貫いている事です。多分もうこの先あまり長くはありませんから、このまま突っ走ろうかと思っています。
良いお年を。来年もよろしくお願いいたします。

投稿: SUBAL | 2009年12月31日 (木) 09時37分

> 数学を活き活きと教えられない先生たちと、美意識を自分の中に構築できない建築デザイナーの中に「黄金比」は麻薬のように生き残っている、

 ああ、これ名言、と思いつつそのまま引用しました。初めて「黄金比」という言葉を覚えた頃、Wikipediaにあるように「最も美しいとされる比」という言葉が伴っていたので「怪しい」とほっぽらかしてしまいました。美を数値で表されてはかないません。どちらも好きでしたから。

 教科書丸呑みですか。少なくとも学校で学ぶレベルでは、それが勝つ条件だとは思っていません。ただ30歳の頃、機会があってその頃の高校の教科書を読みましたが、内容がとても豊富になっていて、私が現役の高校生だったら消化できたかどうか、自信がありませんでした。

 さて掃除を続けます。

投稿: Husigidou | 2009年12月31日 (木) 11時18分

「教科書丸呑み」と感じたのは、当時の先生の教え方と私の能力の容量の小ささが関連していたのでしょう。数学や物理は公式を丸暗記していなくてもどうにかなりましたが、世界史の年表丸暗記競争ははじめから戦意を喪失していました。500人近くいた生徒の中で赤点2人のうちの一人でした。大人になってから歴史は好きになるのですが・・・。思わず若いころの恥をさらしてしまいました(笑)。

投稿: SUBAL | 2009年12月31日 (木) 11時38分

うそつき!
人の夢をおおわすんじゃねえよ!
オウムガイは真ん中をはかることをしらないのか!

投稿: | 2010年1月19日 (火) 08時14分

あらあら困りましたね。
夢の中にいるときは、ゆったりと落ち着いたほうが良いのじゃぁありませんか。
「オウムガイの真ん中」はどうやったら見つかるのでしょう。このブログ記事の中にありますから、探してみてください。
それでは、おやすみなさい。

投稿: SUBAL | 2010年1月19日 (火) 19時54分

逃げるのかよ!
オウムガイの真ん中をたどればちゃんと重なるっていってんだよ!
お前は端っこだろ(呆れ)

投稿: | 2010年1月19日 (火) 21時40分

困った人ですね。
よく文章を読んでからコメントをしなさい。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
黄金四角形(辺の長さの比が黄金比になる四角形)の黄金分割: 黄金四角形から短辺を一辺とする正方形を取り除いて残る部分はまた黄金四角形となる。そうして、この長方形は無限個の正方形で埋め尽くされていく。
黄金分割された黄金四角形の辺上で正方形のかどとなる点を滑らかにつないでいくと現れる、黄金四角形に内接する螺旋は自然界ではオウムガイの殻の形状としても見られる.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

これを言っているのは私ではないのですよ。
文章が読めないのか、読めてもあえていちゃもんをつけているのか、どちらでしょう。

別のことを対置しても対話にはならないけれど、あえて言えば、
真ん中をたどると何と重なるの?

黄金比の話題だから、黄金比といいたいのだろうけれど、どことどこで黄金比になるの?
よく考えて調べて発言してください。
こんな言葉遣いをしていると運が逃げるよ。

このような姿勢で罵声を浴びせるコメントを続けるようであれば、これ以上は対応しませんよ。

投稿: SUBAL | 2010年1月19日 (火) 21時58分

罵声じゃないだろ(呆れ)
お前はオウムガイの壁の線をみてるじゃん(笑い)
黄金比になるのはオウムガイの壁と壁の間なんだよ!
ちゃんと文章読んでないのそっちだろ!秋山先生のこと馬鹿にしたりして!

投稿: | 2010年1月19日 (火) 22時22分

文章の読解力と人と対話するマナーを身につけてから出直しなさい。

投稿: SUBAL | 2010年1月19日 (火) 23時20分

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