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宇宙と黄金比と黄金螺旋

年末に久しぶりに黄金比に関して記事にしたら、反響が大きいようです。
Goldenratio 「対数螺旋の定数が違う」などという極方程式を持ち出した面倒な書き方をしたので、ウィキペディアの数学担当編集者も戸惑ったのかもしれません。数学的な検討をしなくても、一目見たら違うでしょう、というのがこの絵です。拡大縮小をしても重なりません。
 「違うでしょ」というのもなんだか夢を壊しているようです(酔いを醒まそうとしているだけなんですが)。今日は正月ですので、ほろ酔い気分で、自然の中にも黄金比(黄金螺旋)に沿うものがあるかもしれないという話です。それも、はるか天空、宇宙にです。

M74 たとえばこのうお座にあるM74銀河、螺旋を調べるソフト「Spiral」で調べてみました。多少ずれるところもあるのですが、アンモナイトやオウムガイの螺旋が黄金螺旋に一致するなどいう酔っ払いおじさんのたわごとよりは一致しているように見えます。
M101 おおくま座にあるM101、少しずれるところもありますが、おとそ気分ではまだいけそうです。
M51 りょうけん座の子持ち星雲M51は2つの銀河が衝突後離れて行く過程とのことですが、黄色い矢印のところ大きく螺旋の性質が変わる特異点があるのが分かります。
銀河の写真はいくつもあるのですが、渦を真上から見るアングルのものは少ないのです。その例を調べると、このように黄金螺旋にほとんど沿う対数螺旋が現れてくるのです。
面白いですね。「ほら、やっぱり黄金比は神の比だろう」そういいたくなる気持ちも分からんでもないですが、ちょっと待ってください。
我々の地球が属している銀河はどうなっているのか知りたくありません?地球から見るとこの銀河は帯状に見えて、そこから天の川とか英語ではmilky wayと呼ばれています。螺旋を調べるには真上(宇宙の座標で真上というのはちと難しいですが)からの視点が必要です。そんなところへ行くなりカメラを設置するなどという事は光速で移動するロケットが開発されてもとても生きているうちには実現できそうもありません。
ところが、この映像があるのです。国立天文台野辺山宇宙電波観測所の研究で天の川銀河のガスの分布を観測データからマッピングした映像が公開されているのです。同研究所の承認をいただいて、その渦の螺旋を「Spiral」を使って調べてみました。
Milkyway すると、曲がり方の違う二つの螺旋があることが分かります。いずれの螺旋も、黄金螺旋やM74に見られた螺旋よりは少し開き方が小さいのです。
銀河の渦の巻き方は、研究も進み物理的なシミュレーションもされているようです。その詳細は知りませんが、比較的単純な物理法則を適用する事でシミュレーションができるのだろうと想像しています。これは私の想像ですが、そこでできる渦は対数螺旋でもないのかもしれません。
放物線もある部分を取れば円弧に重なったり、直線とみなす事のできる範囲もあります。だからと言って「直線こそは神の線だ」と言ってはギャグにしかならないわけです。
それでも、正月ぐらい、遠い宇宙に想いを馳せて、銀河の螺旋の不思議を考えてみるのも悪くないと思うのですが、いかがでしょう。

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P.S.この記事は、だいぶ以前にUPした私のホームページ「銀河の螺旋を調べる」に記載した内容を元に書きました。

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黄金比」カテゴリの記事

コメント

SUBALさん こんばんは

いわゆる黄金螺旋とオウムガイの螺旋とはパラメータが違うので拡大縮小しても重ね合わせることが出来ない。これは対数螺旋の基本的な性質です。

これを読んで思い出したのがドーキンスの『虹の解体』です。ニュートンが分光学を始めて、虹に関するロマンが解体されました。でも虹のロマンより、その科学的な解明の方がずっと楽しく美しいとドーキンスは述べていました。

黄金螺旋のヨタ話より自然はずっと美しいはずです。

投稿: 271828 | 2010年1月 2日 (土) 18時30分

「違う、違う」と言っていると、こめかみに青筋を立てた舅爺さんに思われるのではないか、そういう妄想にとらわれたわけではないのですがね。
正月ぐらい、結構一致する事例もあるのですよという明るい話題でいこうと思ったのです。
ただ、黄金比信者たちがここまで一致する事例をあまり持ち出さないのはなぜなんだろう。
「宇宙の創造主、神の意志だ」ぐらい言ってみてよ。
多分よほどの無知でない限りいえないだろうな。
なんだ、結局意地悪爺さんのたわごとになってしまっているのかも。

投稿: SUBAL | 2010年1月 2日 (土) 19時20分

黄金比をわざわざカテゴリーとしてつくっていて驚きました。
僕も黄金比関係の話が大好きです。

投稿: R | 2010年7月22日 (木) 21時19分

R さん ようこそ

私は黄金比について調べれば調べるほどいやになってきています。
あまりにも嘘が多くて、胡散臭さがぷんぷんですから。外中比(1:(1+√5)/2)は面白い比ではあるけれど、黄金色に輝いてはいない、これが現在の私の結論です。

投稿: SUBAL | 2010年7月23日 (金) 02時18分

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