« 「トコトン航空工学」本 届く | トップページ | IRCヘリSwift 修理と飛行の動画 »

お彼岸と「超音波探傷入門」

10年前の3月、日本非破壊検査協会(JSNDI)から「超音波探傷入門 パソコンによる実技演習」が刊行されました。私が作ったソフトウエアにテキストを添えてJSNDIが発行してくれたわけで、とてもうれしかったのを覚えています。
本のほうは5名の共同執筆だったのですが、私にとっては自分が作ったソフトと文章が出版される初めての体験でした。
その後、「超音波探傷入門」は版を重ねて、「これで最初に超音波探傷を勉強しました」という人に声をかけてもらうことも多くなりました。私自身も、この本をきっかけに多くの人と知己を得ることができました。
10年後のこの3月、自費出版をのぞく著作としては5冊目の本「トコトンやさしい航空工学」が発売されます。

Cimg3787

にほんブログ村 科学ブログへアイコンをクリックすると、ブログランキングの応援になります。

実は、「超音波探傷入門」の刊行を本人以上に喜んだのが、今は亡き母親でした。当時すでに痴呆症の症状が出てきていた母は、本の出版をとても喜び見本にあげた本を仏壇に供えて、さらに「10冊買いたい」と言って財布を持ってきました。「欲しいならプレゼントするけれど、10冊は要らないだろう」というと、「いや、どうしても自分のお金で10冊買いたい」と譲りません。本当は本屋で買いたかったようです。
自分の分も含めて、JSNDIに注文して購入しました。
どうするのだろうと思ったら、主要な親戚に手紙を書いて本を送ったようです。一般の人が超音波探傷の本をもらっても迷惑にしかならないと思いますが、あえて止めずに好きにさせておきました。

Utg

そのおよそ10年ぐらい前ですが、母の姉の子(私からすると従兄弟)になる松村光生がハヤカワ文庫から「グットバイ・ロリポップ」という小説を刊行して、我が家にも送られてきました。近未来SF小説ですが、これなら好き嫌いは別にして普通の人も読める本です。そのころ「たいしたもんだね・・・」といいながら姉がうらやましかったのでしょう。
親というのは、自分の子供を誇りに思いたい自慢したいというココロは自然な感情としてあるのですね。私の場合は、若いころ親の期待はことごとく裏切り、心配ばかりかけて、とてもじゃないが自慢できる子供ではありませんでした。人生の最期を迎えようとしている親に「子供自慢」というプレゼントをできたのかもしれない、ということで親戚の皆さんごめんなさい・・・でした。
本を出したからどうという事もないのですが、多くの人に支えられながら自分自身でも一生懸命やった結果ですから、老母の自慢の種にする事ぐらいは許されるだろうと思うのです。
「トコトンやさしい航空工学」の執筆メンバーの一人は、「発売を母が心待ちにしている」と伝えてきました。やはりそうなのですね。何歳になっても親にとって子供は子供なのです。

お彼岸ですから、仏壇に「超音波探傷入門」と「航空工学本」を供えておくことにしましょう。

|

« 「トコトン航空工学」本 届く | トップページ | IRCヘリSwift 修理と飛行の動画 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

超音波」カテゴリの記事

コメント

「航空工学本」の出版・完成おめでとうございます。
そしてお疲れさまでした。ありがとうございます。

お母様の行動は素敵なお話ですね。
自分の母親もそうなのでしょうかね?
親孝行はできませんが、心配はかけないようにしていきます。

投稿: murakami | 2010年3月22日 (月) 19時23分

murakami さん 有難うございます。

本もある時期身を削って生み出していますから、自分の子供のようなものです。いくら愛情をこめても、世間様にどう受け入れられるかは別というのも同じようです。「超音波探傷入門」は地味な分野ですが、活躍してくれていて親としては自慢の子供かな。
「航空工学本」は明日が発売日で、全国の書店に並ぶはずです。印刷してから読み直すと校正漏れが見つかったりして、特にこの分野はマニアックに詳しい人がたくさんいますから、袋叩きに会うのではないかと、余計な心配がよぎります。端正な優等生ではなく、ちょっとおっちょこちょいでやんちゃだけれど親しみやすい愉快なやつに育ててきたので、皆さんどうかよろしくという心境ですcoldsweats01

投稿: SUBAL | 2010年3月22日 (月) 19時47分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/222291/47870571

この記事へのトラックバック一覧です: お彼岸と「超音波探傷入門」:

« 「トコトン航空工学」本 届く | トップページ | IRCヘリSwift 修理と飛行の動画 »