立体視 平行法と交差法
というのは、「ステレオフラクトグラフィー」という本についてきたステレオビューワと呼ばれるめがねを使って立体視用の画像を覗いていると妙な事に気づいたのです。
このステレオビューワはめがねになっていますが、めがねのレンズ(アクリル製)に当たるところは傾きを持たせた平板になっています。これを使うと立体視が容易になります。覗いた瞬間に立体的に見える。試しに右目をあけて左目を瞑ると右側に置いた画像だけが見えます。左目をあけて右目を瞑ると左側の画像だけが見えます。
これを使って、交差法用の画像を見ると何の違和感もなく画像が立体的に見えてきます。つまり、右目から左画像、左目から右画像を見ても脳の中では立体像として合成してくれるのです。
次の画像は、以前に新千歳空港ロビーを3Fから撮影した写真で立体視用の画像で作ってみました。左右の画像を入れ替えただけなのですが、どちらもステレオビューワを使うと立体的に見えてきます。
次の画像は、上の左右の画像を重ね合わせたものですが、脳の中でこのように画像を重ね合わせてそのずれ方を奥行き方向の距離感として認識するアルゴリズムが働くのだと考えられます。
重ね合わせるという画像処理ができてしまえばそれぞれの画像の元が右目から入ってきたのか左目から入ってきたのかはどうでも良くなる、ということではないか。
とすれば、交差法で右目で左に置かれた右画像を、左目で右に置かれた左画像を見ているというのは本当なのだろうか、なんか不自然な気がしてきました。
このあたりは、解明されているのですかね。私がWEB上を調べてみた限りでは、情報は得られませんでした。
子供のころから、「どうして私という個体は外界(世界)を認識できるのだろう」という疑問を持ち続けていました。明瞭な答えは死ぬまで得られないのだろうと最近は思いつつも知りたいことの一つであることは変わりません。そのあたりの好奇心が刺激されています。
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コメント
昔から同じような興味を持って、立体視の写真を平行法・交差法の両方で見て違いを確認したりしてますが、私の場合は平行法用に作られた写真を交差法で(あるいはその逆で)見ると、前方に位置しているものが凹んで見えます。今回の写真でも、例えば翼の先端が背景の中に埋まっているように見えます。
投稿: はし | 2010年3月12日 (金) 10時02分
へー、そうなのですか。
画像の合成の仕方か、もしくは立体像として構築するためのアルゴリズムが違うのか、ますます興味深いです。
私のように見える人と、はしさんのように見える人とどちらが多いのでしょうか。
もしかしたら、何らかの拍子に前後が逆転するなんて人もいるのでしょうか。
投稿: SUBAL | 2010年3月12日 (金) 19時57分