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デジタル探傷器を使った資格試験に関する要望

  日本非破壊検査協会(JSNDI)は、今年の春の資格試験からデジタル超音波探傷器を使うことになっています。既報の様に、JSNDI仕様の2つのタイプが使われることになっており、受験者はどちらかで受験することになります。当面の処置として、受験会場でどちらが使われるかは公表されることになっていますが、春と秋とが交互になっていて、たとえば春Gタイプで受けて落ちたとすると、秋には同じ会場で受けるとするとRタイプで受けなければなりません。
  デジタル超音波探傷器の特性として、ユーザーインターフェイスはいくつかのボタンの組み合わせによってパソコンのアプリケーションソフトを操作するようになっていて、そのメニュー構造は2つのタイプで大きく異なります。同じワープロソフトと言ってもワードと一太郎の違いに似ています。使い慣れていない練習をしていない探傷器をいきなり出されて、すぐにスイスイ使える代物ではありません。かといって、練習用に2つのタイプをそろえる事は大きな負担になります。
  慣れていないアプリケーションソフトをいきなり出されてすぐに操作できるようになる能力を問うのか、きずを検出する能力を問うのか、資格試験の実技で問うのはどちらですかという話になります。
  首都圏などにいていくつかの会場から選択できる条件にある人、あるいは大手の会社にいて2つのタイプをそろえられるところが極端に有利になる、地方や中小零細企業に所属する技術者たちには極端に不利になることは明らかです。超音波探傷技術の本筋とは外れたところでの不公平が生じる恐れがあります。多少の事務手続きの煩雑さを理由に、この不公平さがが生じることを知りながら資格試験を実施するのは、いかがなものでしょうか。

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  北海道機械工業会検査部会ではJSNDIにこの件で要望書を提出しました。その趣旨の部分を引用します。

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  当会では、北海道内の検査業務に係わる企業の相互協力と共栄を計るための事業を行っております。その一環として道内企業を対象とした非破壊検査の技術講習会、JSNDI試験の実技講習会等を実施しております。
  先の『デジタル超音波探傷器操作説明会』の後、及び、その後の当会内での協議を行ったところ、北海道内のような中小の検査を行っている会社にとりましては、今回のデジタル化は、たいへん大きな負担になる意見が多く出されました。主な意見は、以下の通りです。
1)   GとRとでは操作のアプリケーションが異なり、それぞれの機種の取り扱いを修得する必要がある。合格率が50%以下の状態では受験毎に異なる機種の操作を覚えるか、講習を受けた機種で受験出来る試験場を選ぶ必要があり、遠距離にいるものにとっては不利である。
2)   業務の目的によって探傷器を購入しており、受験用探傷器と保有探傷器が異なっている。検査者が少数の会社ではGとRの両方の探傷器を受験のためだけに購入するのは負担が大きい。
  これらから、以下のいずれかが許可されることを当会として要望致します。
1)  受験前に於いて、二次試験での使用探傷器をGかRかの選択できるようにする。
2)  試験会場にJSNDI仕様の探傷器を持ち込めるようにする。
3)  現在、持ち込みを許可している機種の持ち込み期間を延長する。

  北海道の地理性及び当方の諸事情をご斟酌いただき、上記の要望につきまして格別のご高配を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
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  私は、きわめて控えめなしかし切実で理にかなった要望だと思います。こうした要望がいろいろなところから上がれば、考えてくれるのではないかと期待しています。皆さんはどう考えますか?ただ私としては、「以下のいずれか」ではなくて「以下のすべて」を実施して欲しいと思います。

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非破壊検査」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。
僕が以前RTレベル2の実技試験を受けた時、試験開始前に撮影機器や現像設備のセッティングから扱いまで、丁寧にレクチャーされました。それが協会の方針だったか担当試験監督の配慮だったかはわかりません。
それと同様、デジタル超音波探傷器の扱いについても配慮してくれる方が協会にいらっしゃるだろうと希望的観測をしておりますが、アマい考えでしょうかね…。

投稿: niwatadumi | 2010年4月 3日 (土) 01時19分

協会の運営に携わっている人たちの多くは、多少の考え方のずれはあるにせよ、非破壊検査業界の健全な発展を願っているし、同じ努力をして同等の知識技量を身につけた人が、おかれた環境で大きな有利不利が生じる不公平など容認しない人たちであると私は信じています。
ただ多分実情をご存じないだけなのでしょう。
そう信じるからこそ、こうした要請の動きをしています。
新しい事をはじめるのだから多少のギクシャクはあるでしょう。不信感をぶつけているだけでは事態は進まないわけで、お互いに知恵を絞ってアイデアを出しながら、協力的批判の姿勢で行きたいと思います。
ただ、こうした意見や要望が北海道だけだとすると、間違いなく北海道は切り捨てられます。北海道から上がった声が抹殺されるか否かは、実は協会幹部の良心とは別のところにかかっているのだと思います。いつになく大真面目にこの事実をブログ記事にしたのも、この記事を見た関係者の間から声が上がってくれることを期待してのことです。

投稿: SUBAL | 2010年4月 3日 (土) 02時24分

いつも見ています。
私も北海道で非破壊検査を実施しております。
今年の秋に、後輩がUTを受験します。
普段はクラウトの探傷器しか使った事が無いので
今度の秋はRタイプで使い方が分らなく心配しています。
機器も1台100万くらいするので、なかなか
買えません。
せめてRタイプを操作する事前講習会があれば
いいのですが、予定は無いとの事なので、
練習のしようもありません。
要望書の件について、ありがたく感じました。

投稿: アクア | 2010年4月 4日 (日) 21時06分

 アクアさん 本当に困りますよね。
 私のところに聞こえてくるのは、資格試験の探傷器がデジタル化になることへの戸惑いです。北海道に限ったことではなく、ほとんどの地域から聞こえてきます。
 対策を立てなければなりませんが、みんな困っています。お金には限りがありますから、知恵を出してゆく必要があるでしょう。そのためには、皆が誰かがやってくれるのを待っているのではだめでしょうね。
 まずは、JSNDIに対して声を上げてゆくことでしょう。

投稿: SUBAL | 2010年4月 4日 (日) 23時38分

私も同感であります、私は北海道には住んでいませんが、デジタルの説明会には参加いたしました。そのときの話ですが、超音波部門でも説明会を行った教育と試験の部門では考え方が異なるようです。情報が少なくて教育関係の方も情報が欲しいと言っておられました。またそのときにも持ち込みは無くなるにしても、探傷器を選択できないと大変だから、皆で協力して要望を出したほうが良いとも言ってました。少しづつ良い方向に変わっていけばよいと思います。

投稿: ポリー | 2010年4月 6日 (火) 09時08分

ポリー さん 

コメント有難うございます。
あの講習会に参加されている方ですから、指導的な立場におられる方と推察します。講師の方も実情をわかっているようですから、協会幹部でまだ実情を知らない方をぜひ説得して欲しいものです。
受験生にとっては、生活と誇りがかかっているわけです。努力とそれによって培われた実力が正当に評価される資格試験制度になるように、みんなで努力してゆきたいものです。

投稿: SUBAL | 2010年4月 7日 (水) 23時23分

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