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トコトンやさしい ねじの本

 たとえば、野辺に咲く小さな花について何も知らなくても、道を通行することはできます。毎日食べるお米について何も知らなくても、食事をして動くためのエネルギーを補給することはできます。目先の効率や利益だけを考えるときにはそんなことに関心を寄せるのは無駄といえるでしょう。しかし、人間は自分の行為の意味を知りたい、自分の行為の広がりを知りたいという欲求は本能的にあるような気がします。野辺の花に関する薀蓄を語れる人に会うと、その心の豊かさをうらやましいと思います。
 産業の米ともいえるねじに関するKADOTAさんの新刊本が出ました。

Tokotonneji

 「トコトンやさしい○○の本」は日刊工業新聞社の看板シリーズで、すでに100冊以上刊行されています。私もこの3月に「航空工学」を出しました(先日の機械要素技術展ではこの2冊が並んで展示されていたことがこちらで紹介されています)。このシリーズでは、見開き2ページで1項目になっており、右ページに文章、左ページに図解という構成になっています。本文には「要点ボックス」という名で、3点ほど要点を箇条書きにするという約束もあります。書き手としてはこの制約に頭を痛めるのですが、出来上がった本を見ると参照しやすく問題や疑問の解決への入り口として使いやすい読み手にやさしい本になっています。

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 KADOTAねじ本のひとつの特徴は、ねじの製造技術に関しての記述です。今回も要領よくまとめられていているだけでなく、新たな展開もあります。そのひとつで私が注目したのは、ねじ製造時の欠陥の種類とその許容寸法についての項目(「ボルトの表面欠陥のいろいろ」)です。

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 ねじのNDTというと使用中に生じる疲労亀裂に関心が行きますが、製造中の欠陥が見逃されて使用されている場合もありそうです。非破壊検査屋としては、知っておくべき薀蓄だと思います。

目次の詳細は、出版社のHPに掲載されています。この目次を見るだけで豊かな気分になります。ねじから入る機械工学の世界という道もありそうです。

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コメント

こんにちは。ご紹介いただきありがとうございます。製造工程の欠陥については、今回、新たに加えました。このような記述はJIS本にも詳しく載っています。トコトンははじめてでしたが、書き方に関していろいろ勉強になりました。早速第2弾を受注しています。アマゾンで未だに表紙写真がでていないのが気がかりなところです…。

投稿: KADOTA | 2010年7月10日 (土) 20時22分

KADOTA さん こんばんは

ねじのJISをちゃんと読んだことはありませんが、そういう私のようなものにとってはこの本から得られる情報は貴重です。
Amazonは他のネット本屋より対応が遅いようですね。規模が拡大しておごりが出ているのですかね。

投稿: SUBAL | 2010年7月10日 (土) 21時24分

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