超音波のモード変換による反射角を確認するソフト
学習のためのメモのような小さなソフトウエアーの公開です。
固体の中に超音波を伝搬させると、境界面に斜め入射したときにモード変換が起きます。横波から縦波へ、あるいは横波から縦波へと振動モードの違う波が反射波の中に出てきます。これが、原理的にはよく似た人体の超音波検査と異なる固体ならではのちょっと面倒な現象です。
入射角と反射角の関係はスネルの法則に従います(スネルの法則は屈折に関する法則と紹介される場合がありますが反射にも適用できます)。平面に斜め入射するだけでしたら、電卓を叩くだけで計算することができますが、この間問題にしているコーナーでの2回反射のようになると手計算では限界があります。それでちょっと作ってみました。モード変換で反射角がどのようになるのかを確認するためのソフトです。
ダウンロードは続きで・・・。
探触子の近くでマウスのボタンを押して、ドラッグをすると探触子を前後操作することができます。スライドバーで屈折角を変更することができます。
横波入射角33°が縦波臨界角でそれ以上の入射角では横波全反射になります。フェイズドアレイ超音波探傷で現れる虚像(アーチファクト)の中には横波-縦波のモード変換で起きているものが多くあります。実は、その解釈を試みたくてこのソフトを作りました。私の学習メモのようなソフトですが、フリーソフトとして公開します。
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コメント
こんばんは。
楽しいですね、このソフト。シンプルですが、斜角探傷についていろいろな空想・妄想(?)が頭を巡ります。
プログラミングできることをうらやましく思いました。
投稿: niwatadumi | 2010年9月15日 (水) 23時05分
niwatadumi さん
楽しんでいただけたようで、嬉しいです。
先ほど新しい記事にしたようなことを確認したくて作りました。
広告の裏紙にあれこれ図を描いて考えることが、最近軽いソフトを作ることに変わっています。ノートパソコン仕様のデスクトップパソコンというちょっと高価な裏紙ですが、残すことも、こうして公開することもできるので、まぁ良いですかね。
投稿: SUBAL | 2010年9月16日 (木) 00時17分