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「非破壊検査の基本と仕組み」

 東工大の水谷義弘先生から「図解入門 非破壊検査の基本と仕組み」秀和システム刊が送られてきました。 私も写真等で少しばかり協力している本です。

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 まださっと見ただけですが、今までにない良い本のようです。こういう本を待ち望んでいたと思える内容です。

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 全体を通して、大学の先生とは思えない噛み砕いたやさしい語り口です。非破壊検査に関係する大学等の研究者のほとんどは、自分の研究分野については詳しくても一歩踏み出すと素人同然という人が多いのが現状です。水谷先生は、複合材の材料特性や破壊現象などを研究している方で、AEや超音波を研究に活用しています。それでいながら、非破壊検査全般についてよく知っておられます。この本のひとつの特徴として、各試験方法の歴史が最初に紹介されていますが、正直なところ私もこれまで知らなかったことがありました。
 この本の最大の特徴は、破壊力学や破壊事故との関連で非破壊検査を位置づけていく視点(信頼性評価)が明確なことです(第1章~第3章)。

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 私はここ最近、破壊力学や疲労破壊の専門家と非破壊検査の専門家が互いの不完全なところをあげつらって非難していることをやめて、胸襟を開いて交流すべきだと考え主張し続けてきました。その第一歩は、お互いの領域に踏み込むことだとも思ってきました。なかなかやる人がいないので、田舎のおっちょこちょいが撃沈覚悟で「破壊工学」本を書いた次第です。
 水谷先生は、小林英男先生(東工大名誉教授)に近いどちらかといえば破壊力学の側の研究者です。この方が、非破壊検査に踏み込んできてくれたのだと私は考えています。ボールが投げられたのです。非破壊検査に絡んで、このブログを読んでいただけている方には強くお勧めします。
 実は少し前に書きましたが、私も現在「非破壊検査 基礎のきそ」を執筆中です。水谷先生の本は、私がこういう本がほしいと思っていた内容に近いですから、かぶるところが多くあります。率直なところ「非破壊検査 基礎のきそ」を執筆している立場からすると、まいったなぁという感じです。いまさら構成や内容を変えるわけには行きませんから、このまま突っ走ります。まぁ、逆に肩の力が抜けた感がありますから、私のカラーを前面に出すことに躊躇がなくなったという面もあります。両方が売れて、色々な議論のきっかけになれば良いわけですから・・・。 

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コメント

こんにちは。早速購入してきました。なかなかおもしろそうです。

投稿: KADOTA | 2010年11月12日 (金) 23時20分

 たくさんの本を買われたようですね。水谷先生の非破壊検査本は、初心者向けではありますが、私も勉強になります。まとめ方が上手いと思います。
私が書いている非破壊検査本と構成がよく似ていまして、たとえば非破壊検査にかかわる事故事例を5件程度取り上げるつもりですが、そのうち4件は水谷本でも取り上げられています。ただ同じ事故を取り上げても視点は少し違うので、読者に2冊読んでもらって重なっている部分は読み比べてもらうというのもありかなと思っています。

投稿: SUBAL | 2010年11月13日 (土) 01時30分

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