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追悼 富士岳 氏

 JSNDIの会誌11月号が届きました。「お知らせ」頁に訃報があり、昭和58年第28期会長であった富士岳氏が89歳で亡くなられたことが報じられていました。私とはちょうど30歳違い、私の親爺とほとんど同い年でした。ということは、20代前半は戦争だった世代の方です。
 富士氏がJSNDIの会長であった昭和58年(1983年)といえば、私がこの業界に入って間もないころです。資格をひとつ取ったか取らないかの時のJSNDI会長ですから、田舎の新人検査員にとっては雲の上の人です。富士岳という名前から、雲上人らしいお名前だなぁ、程度の認識でした。
 その後、私が今の職場に移ってから、大会等の懇親会で何度かお目にかかったことがあります。富士岳氏の業績は、JSNDIの創設からその後の発展と重なって数々あるようです。
 私は、富士氏の功績について多くは知らないのですが、非破壊検査技術をわかりやすく知らしめるために尽力をされて道筋をつけられた稀有の方として尊敬しています。

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 JSNDIが発行している異色の書籍である「イラストで学ぶ非破壊検査入門」は富士氏が編集委員長です。もともとは富士氏が高圧ガス協会から出していた同名の著書をJSNDIの他の専門家を加えてJSNDIで編集しなおしたものです。私は、高圧ガス協会の版のほうが富士氏の個性が出ていて面白いと思っています。
 「偉い先生たちは、やさしく説明できることを難しそうに言うことに腐心している」と感じていました。富士氏はわかりやすく技術を説くことに積極的な意味を見出し、実践してきた数少ない方です。「非破壊検査入門」のビデオの編集の中心におられたのも富士氏でした。この改訂版として2006年にDVDとして発行したときにも編集委員会の幹事としてかかわっていました。このときには私はUT部門担当の編集委員でした。
 私が「超音波探傷入門」ソフトを作って発表したときにはほめていただきました。JSNDIの会誌やRUMPESに紹介文を書いていただきました。私は富士岳氏が紹介文を書いてくれたことが嬉しくて、今でも誇りに思っています。

Utfuji

 能力や識見では足元にも及びませんが、難しいことをやさしく伝えることに情熱を注がれてきたその志は受け継ぐものの一人でありたいと思っています。最晩年ではありましたが、幾度か直接お話ができたのは幸せでした。独特のユーモアとやさしさの中に凛とした品を感じる方でした。
 数年前、市ヶ谷で開かれた大会でお姿を見かけましたが、帰り道駅に向かう足取りが少し辛そうであったのが気にはなっていました。心よりご冥福をお祈りいたします。

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