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ボーイング737の天井に穴

「米サウスウエスト航空のボーイング737―300型機が1日、アリゾナ州上空を飛行中に突然、機体に幅数十センチの穴が開き、機内の気圧が急降下したため同州の軍基地に緊急着陸した。」と報じらています(Yomiuri日本経済新聞)。
ボーイング737で天井に穴といえば、1988年4月48日にハワイのアロハ航空機の事故を思い起こします。この事故ではキャビン前部の上側の外板が飛び、CA一人が行方不明になっています。

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 アロハ航空の事故は、航空機史に残る事故になっています。今回の事故も、キャビンプレッシャーの繰り返しによる金属疲労が原因だと思われます。
 異なる点は、今回のほうが高度が11000mと巡航高度に近く、アロハ航空より4000m程度高いところで起きたということと、穴の開き方が限定的であることです。航空機構造の骨組みにあたるフレームと縦通材に囲まれたベイと呼ばれる単独のエリアに留まったと推測できます。すぐに高度を2000m台に降下させて、最寄の空港に着陸した、という対処は、一部の破壊があったとしても致命的な破壊に至らぬように対処するという、フェイルセイフの考え方にのっとっものといえます。
 アロハ航空の事故について、「とことんやさしい 航空工学の本」の中で、次のようなコラムを書きました。

Aloha243tokoton

 近刊の「非破壊検査 基礎のきそ」の中では、アロハ航空の事故を損傷許容設計と非破壊検査という別の視点から本文の中でふれています。

 この事故を受けて、連邦航空局(FAA)は737型機の緊急点検命令(TCD)を出したとのことです。たぶん600Hz程度の低周波数の渦電流探傷検査(ECI)を行うのだと思います。

 実は、5月に仕事で大阪に行かなければならずその飛行機を昨日予約しました。あえてというわけではないのですが、B737で運行される便を選びました。その機体が今回の緊急点検の対象かどうかはわかりませんが、日本の航空会社の非破壊検査技術を信頼して旅行をさせてもらいます。

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コメント

飛行機に乗っていて突然天井に穴が開いたら恐いです。。。致命的な事態にはならなかったようで何よりです。金属疲労が原因だとしますと大変気になるところです。非破壊検査も航空機の様に対象物が大きくなるとそれだけ大変そうですね。一度の飛行で機体の外側には必ず亀裂は入るもので毎回削って亀裂を無くす作業をしていると聞いた事があります。

投稿: ニコニコ | 2011年4月 7日 (木) 00時39分

ニコニコ さん こんばんは

飛行中に機体に穴が開いて、落ち着いて入れる人はそうはいないでしょうね。それでも、破れた範囲が1ベイに留まっているうちは、直ちに致命的な破壊に至るという状況にはないのです。私がその飛行機に乗り合わせたとしたら、他の人よりは落ち着いていれるでしょう。ただ、乗り継ぎの便があったとしたら高額のキャンセル料を支払っても他の航空会社に乗り換えます。

>一度の飛行で機体の外側には必ず亀裂は入るもので毎回削って亀裂を無くす作業をしていると聞いた事があります。

これは私は聞いたことがありませんし、何かの間違いでしょうね。

投稿: SUBAL | 2011年4月 7日 (木) 01時19分

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