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「かいれい」による震源域地殻変動調査と超音波

海洋研究開発機構(JAMSTEC)が昨日、深海調査研究船を使って東北地方太平洋沖地震による海底地殻変動を調査した結果についてプレス発表をしています(こちら)。
それによると、

「海底地形調査の結果、震源近傍から海溝軸に至る領域が南東~東南東方向に約50 m移動し、上方に約7 m移動した可能性があることが判明しました。」
「これまでに、海上保安庁、東北大学の海底地殻変動観測から、本震の震源域付近の地殻変動観測点においてそれぞれ24mから31mの水平変動が報告されていました。それらに今回の結果を加えることによって、宮城県沖においては、それぞれ海底面の変動は日本海溝の海溝軸まで及んでいることが新たに判明しました。このことは、地震に伴う破壊が海溝軸まで及んだことを示唆しています。」

今回の地震では、翌日には東大の郡司教授がテレビに出てきて「今これを言ってよいのか迷うけれど」と前置きしながら、津波に襲われた地域で大規模な地盤沈下が起きていることをGPSによる観測結果として述べていました。

未曾有の地震と津波であればこそ、冷静な科学的調査研究は行われていくべきでしょう。

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「かいれい」に搭載されている海底調査手段は、音響測深機で、母船に12kHzのマルチビーム音響測深機が搭載されています。母船から海底近くにまで降ろされて曳航される無人探査機「かいこう」には42kHzと38kHzの音を出すサイドスキャンソナーが搭載されています。この「かいこう」は、1999年HⅡロケット7号機が打ち上げに失敗した後、海底に沈んだロケットエンジンを探し当てて脚光を浴びたことがあります。
 このあたりのことは、「超音波技術 基礎のきそ」の執筆時に取材をさせていただいて写真も提供していただき本に掲載しました。

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 超音波は通常20kHzの音のことを言いますからこの基準で言えば、母船の12kHzは別にして「かいこう」の42kHzと38kHzは超音波と言って良いと思いますが、JAMSTECの専門家は超音波測深とは言わないそうです。このあたりはとても面白かったですね(こちらの記事)。
 私は、超音波の下限は周波数ではなくて波長とすべきと考えて、本の中にもそう書いています。空気中(音速340m/s)で20kHzの音は、波長は17mmになります。水中(1480m/s)では20kHzの音の波長は74mm、40kHzになっても37mmです。超音波の指向性や反射特性は周波数ではなくて波長に依存します。この観点から言えば、水中では、80kHz程度より上の周波数を超音波と呼ぶべきなのかもしれません。鋼(縦波 音速5900m/s)では、300kHz(0.3MHz)程度以上の周波数。波長で言えば、20mm以下。
 このあたりは超音波の専門家に言ってもなかなか受け入れてもらえません。まだ異端の考え方です。

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