« 日本の伝統的木組み | トップページ | 庭の八重桜 »

法隆寺五重塔の模型と大工の親方

 旅の面白さは、現地に行っていろいろな人に出会い、話を聞き、体温・気温・空気のにおいなどを感じ取ることでしょう。法隆寺五重塔にしても、竹中大工道具館にしても情報や画像はいまどきネット検索によって簡単に手に入れることができます。直接話を聞き目で見て触ってみることによってしか分からないことがあります。そのような収穫がひとつでもあれば「楽しかった旅」として記憶に残るのですが、今回の神戸-奈良の旅は、盛りだくさん。
 これから色々なことを考えていく種や肥やしになりそうなことがたくさんありました。そのうちのひとつ、ビデオに収録したものを紹介します。 

にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ
ポチッとクリックで応援

 こういう話は、文献にはあまり出てこないでしょう。私は、石垣のときもそうでしたが技術集団がいたはずで、技術集団はどういう雰囲気でどういう人たちなのか可能な限り想像したいと思っています。その意味では、貴重なお話でした。
 五重塔のようなものを建てるには、当然棟梁による設計があり、今で言う「規格」「要領書」「手順書」「指示書」のようなもので標準化・規格化することが必要だったに違いがありません。現在のように書類に偏重するのではなく、親方からの伝承と修行によって身に着けた「技能」に大きく依存していたであろうことも想像できます。伝統的な技能の継承というシステムとしてはそれでよいのでしょうが、それではイノベーションはどのように実現されるのかは見えてきません。

 棟梁と呼ばれるような集団のトップが、失敗や事故や成功例などから思考と試行を重ねてよりよいものを作り上げたということは考えられることです。しかし、その下にいる大工やその親方たちの「多様性」がイノベーションのきっかけや動力になっていたのではないか。そんなことを想像させるお話でした。ちょっと癖の悪い扱いづらい大工や親方の存在こそ、ブレイクスルーのきっかけになる、私が「つまようじブリッジコンテスト」の中で何度も感じたことにとても符合するお話でした。

 飛鳥の時代に技術革新が急速に進んだ事実の陰にあるものを探りたいと思っていますが、その一端に触れたような気がします。

にほんブログ村 科学ブログへ
アイコンをクリックすると、ブログランキングの応援になります。現在かろうじて2位。

|

« 日本の伝統的木組み | トップページ | 庭の八重桜 »

五重塔」カテゴリの記事

科学技術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/222291/51735695

この記事へのトラックバック一覧です: 法隆寺五重塔の模型と大工の親方:

« 日本の伝統的木組み | トップページ | 庭の八重桜 »