苫小牧市図書館と文化公園の桜
今日は、久しぶりに朝ゆっくりと起きて、午前中は体の定期点検に行ってきました。もう20年以上も付き合っている信頼の置ける町医者のところです。
帰りに文化公園に立ち寄りました。苫小牧工業高校校舎の跡地を公園にして、苫小牧市中央図書館と温室サンガーデンと博物館がある私のお気に入りスポットのひとつです。
桜は、ようやくいくつかが開花したところで多くはまだ蕾です。この桜の木は図書館の入り口前にありますが、苫小牧工業高校機械科実習棟のボイラーによって焼かれて、2つに別れています。ボイラーの爆発事故は、今ではほとんど聞かなくなりましたが、昔はよくあったようです。圧力容器の非破壊検査は、非破壊検査フィールドでは現在でも重要な位置を占めています。
技術は、事故を経て多くの犠牲の中から、2度と同じことを繰り返さないという人類の決意とともに、進化していきます。この桜を見るたびに、技術の中にある痛みのようなものを想います。満開になると、そんなことは忘れさせるほどに美しく咲きほこります。
図書館に立ち寄って「絵とき 非破壊検査 基礎のきそ」を寄贈してきました。実は、私の超音波本と破壊工学本は他の「基礎のきそ」シリーズと一緒にどなたかが苫小牧市図書館に寄贈していただけたようで、収蔵されて本棚に並んでいます。とてもありがたいことです。非破壊検査本は、出来上がったら自分が寄贈しようと思っていました。
カウンターで手続きをしていたら、「お話を聞かせていただけませんか」と中から声をかけられて、この本についていくつかの説明をしてきました。30年前に一人の失業者として「非破壊検査技術」に出会って、この街で仕事をしてきました。お世話になった街ですから、その図書館にはぜひともこの本を置いてほしかったのです。
「工業都市の図書館ですが、理工系の本が物足りない。とてもありがたい」といっていただきました。
私が非破壊検査を始めたころは、読みたい本を自由に買うなんてことは出来ない経済状態でしたから、図書館は貴重でした。しかし、当時の図書館には非破壊検査技術を勉強するのに役立つような本はありませんでした。私は、想像しています。職に迷い、図書館で偶然手に取った本で、目標と希望を見出す若者がいるかもしれないと・・・。とんでもない世界にひきずりこむことになるかもしれませんが、決断はあくまでも自己責任です。何でも勝手に出来ることが自由ではなく、肝心なことを自己決定できることが自由だと思っています。こころ豊かな自由を得るためには、勉強をし知恵を絞り前に進まなければならない。
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