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20年目の浸透探傷講習会と現像膜管理のこと

 超音波探傷の講習会が無事終わり、今日から引き続き浸透探傷の講習会が始まりました。今日講義に来ていただいたT氏は、航空機の浸透探傷では知る人ぞ知る方で、もう20年来のお付き合いになります。
 今回で私が担当するのは最後になりますので、お世話になったお礼を申し上げました。それに対する返答は、私にとっては意外なものでした。

「SUBALさんとの20年で、印象深いのは黒ビニールテープを使った現像膜管理方法ですね。あれは他の方法と比べても優れていて良いですね。」

 私はこの歳になってもまだまだ甘ちゃんで、褒められれば悪い気がしない人間ですが、この方にこの件を言われたのは素直にうれしかったです。

 この件は、浸透探傷レベル3のテキストと浸透探傷の実技参考書に「比色ゲージ」を使う方法として掲載されています。JSNDIの浸透探傷レベル3の講習会でも紹介されているそうです。

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 程よい現像膜厚さを示す指標として「下地の色がかすかに見える程度の白」という経験に基づく表現が使われてきました。これは知れば知るほど味のある表現で、何度かなるほどなぁ、とうなったことがあります。ただやはりこの表現による管理は、判断する人の経験が必要なことと「見解の相違」による幅の問題がどうしてもついて回ります。

 研究と言えるかどうかはわかりませんが、この問題について調べ試行錯誤してきた結果は、こちらの2枚のペーパーにまとめてあります(その1その2)。

前者は色彩計を使う方法、後者は高価な色彩計を使わずにオリジナルパソコンソフトを使う方法です。いずれも肝になっているのは下地の色の基準化です。簡単に言えば黒いビニールテープを貼りその上の現像膜白さ測るということです。これで現像膜厚さを数値管理することが可能になると、私は考えました。

 JSNDIからこの考え方を元に「比色ゲージ」を作ってほしいとの要請があってゲージの原案を作りました。

Ca3g0405

 数値管理という私が目指したものとは少しずれてはいるのですが、私のアイデアが採用されました。

 ある意味枯れた技術(古臭いということではなく成熟したという意味です)である浸透探傷技術にほんの少し貢献できたのかなと思います。これに私がかかわったことなど忘れ去られているのだろうと思っていました。それでも良いのです。それでも他ならないT氏が理解していてくれていたわけで、そのことがうれしかったわけです。

 私に許される環境の中でできるところまではやりました。十分有効な研究テーマになると思うだけにその後発展していないのは少々残念です。

 そういえば「非破壊検査 基礎のきそ」の中にこの件を触れていないのは、うっかりしていました。コラムでも書いておけばよかった。これもちょっと残念。

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