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対数グラフで見る日常食中のセシウム137の経年変化

 Twitterで東大の早野龍五教授公開したデータに、「全国における日常食中のCs-137の経年変化」があります。このデータ、縦軸「放射能濃度」がリニア目盛になっているものと対数目盛になっているものと2種類あります。

 こちらがリニア目盛。

Cs137log

 次が対数目盛です。

Cs137

 指数関数的に変化する事象は、対数目盛にするとグラフが直線状になって直感的に理解しやすくなります。私がなるほどと思ったのは、1986年のチェルノブイリ事故とその後の変化です。リニアグラフでも1986年の当たりにちょっとした変化(特異点)を見つけることができます。しかし対数グラフを見ると、その特異点の意味が直感的にわかるようになります。

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 1986年にCs-137が上乗せされて、その後は似た傾きで減少していることが分かります。

 なぜか対数目盛のグラフは1974年までのデータ、リニア目盛のグラフは1963年までのデータが掲載されています。

 そこで、対数目盛のグラフにいたずらをして見ました。近似線を引いて式を立てて見ました。 

Cs137x1

 どうでしょう。仮に1974年以前のデータがないとしても、対数目盛のグラフからおよそ推測がつくといえるのではないでしょうか。

 それにしてもこのようなデータが地道に採られていたのですね。早野教授は、現在「給食まるごとセシウム検査」を提案されています。 Twitterでの早野教授の主張や、このデータをみて、私もぜひやるべきだと思っています。この提案実現の障害になっているのは、予算よりも「極わずかでも検出されたときの対応に困る」ということらしいのです。

 分かって恐怖におびえるよりは、いっそ分からないほうが良い、ということなのですかね。怖い世の中を渡っていくときの精神衛生を保つ世間知としては分からないこともないのですが・・・。

 現在、いろいろな人がいろいろなことを言っていますが、データから科学的に考えるという視点からはとんでもない主張が流れています。早野教授の提案する検査がされてデータが出てきたら、今の状況では一定の混乱は生じるのかもしれませんが、逆にだからこそやる意味があるのではないか、私はそう思います。冷静で先を見越した判断が必要だと思います。

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科学技術」カテゴリの記事

コメント

SUBAL先生、こんにちは。
Twitter使いこなしていらっしゃいますね。
私も最近IDを取得して登録だけはしてみました。何だか先生の記事を拝見していますとTwitterも楽しそうです。

このリニアと対数の違いが分かるグラフ面白いですね。私も対数にすることで直線的になり、式を比較的簡単に立てることが出来て回帰分析が容易になる、なにより直感的に傾向を把握するという意味で優れているというのが分かります。しかしその一方では対数ではリニアとどの程度の誤差を持っていて、そういうことが分かっていつつ、対数を扱えるようになりたいという話をつい最近飲み会の場で話したばかりでした。

放射線物質のデータ取りはよいと私も思います。
少し話は違うかもしれませんがここへきて、原発の反対賛成を訴える理由反対でも賛成でもなんかはきちがえてるよなぁと思うことがあります。
正直なデータからは、言えることが必ずあり進歩に通じるのだと私は思います。現状を知り未来を予測し、リスクをコントロールしながら発展していくという健全なかたちが、データにより作られるのではないかと思います。

長文すみません。。。毎回このブログは楽しすぎます。

投稿: ニコニコ | 2011年10月 1日 (土) 17時25分

SUBALさん

明日は高専ロボコンの地区大会ですが、今回は欠席です。残念!

三枚目のグラフから私達が少年だった1950年代はCs-137の濃度が今よりずっと高かったと推測出来ますね。原因は米ソなどの核実験でしょう。今までに700発も原水爆実験をしてきたから当然でしょう。

投稿: 271828 | 2011年10月 1日 (土) 18時04分

ニコニコさん 

 楽しんでいただけているようで何よりです。
ニコニコさんは、研究に対数グラフを使いこなしておられるから、この辺の話の面白さはすんなり分かっていただけますね。

 ホットな話題のデータですから、どうしようか躊躇しましたが、公開に踏み切りました。
 
 私たちの知識には限界がありますが、ものを見る目を磨いて何が真実で、だれがいい加減なことを言っているのか、最後のところは自分で判断するツールはもっていたいと思うのです。

 Twitterは、やってはいますが正直なじめません。それでもフォローする人を選べばいろいろな考え方を知ることができるのかなと思っています。ただ発言する人の品性がよく見えるので、ちょっと疲れます。

投稿: SUBAL | 2011年10月 1日 (土) 18時13分

271828さん こんばんは

 こちらの高専ロボコンは、来週です。NHKのTVで「観戦希望者は往復はがきを出すこと」とアナウンスしていましたが、息子に聞くと家族枠があるらしく席はあるようです。
 今年こそ12月は国技館へ、と思っているのですが、情報によると今年はロボット作りがあまりうまくいっていないのだとか。どうなりますか。応援はしてきます。

 5・60年代は、ビキニ環礁やネバダの砂漠やシベリアでがんがんやっていましたからね。
 広島長崎の影響が大きいと考えて、あの式を1945年までさかのぼると、40ベクレル/日という数字が出てきます。平均的な値ですから、場所によっては数百ベクレル/日というところもありそう、ということになります。私が生まれたのは瀬戸内海側の山口県、広島とは直線距離で60kmのところでした。

投稿: SUBAL | 2011年10月 1日 (土) 18時32分

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