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余剰浸透液除去装置

 非破壊試験方法のひとつに浸透探傷試験があります。道具が簡単なため、「簡単な非破壊試験方法」と誤解されることが多い方法です。道具が簡単なのは、人の技能に依存する部分が多いのであって、へたくそがやるときずの不検出が起きやすいともいえるのです。余剰浸透液の除去も経験と腕が必要なプロセスのひとつです。

 課題研究として学生が浸透探傷試験の「余剰浸透液除去装置」の開発に取り組んで、一定の成果を上げた事例を紹介します。

 

 これができたときに、デモをやるから来てくれといわれてみたのですが、正直驚きました。期待以上でした。装置を浸透液が塗られた溶接部でスライドさせるだけで浸透液が綺麗に取れていきます。

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 取り掛かりのアイデアは私が与えました。しかしその後は学生たちの工夫と試行錯誤によって、ここまでの形になりました。学生に話を聞くと、「やって見なければ分からない」へーなるほどがたくさんあり、面白かったです。

 私の中では適正な現像膜管理技術(こちらこちら)とともに、「溶接部の浸透探傷試験のロボット化」構想の重要なキーを握る要素技術の見通しがついたことを意味していました。

 これは特許に相当すると思い、勤務先に「特許申請をしましょう」と持ちかけましたが、あっさり却下。数十万円かかる費用がネックにとのことでした。宣伝費用としては安いと思ったのですが・・・説得できませんでした。

 それならばということで「北海道機械工業会検査技術研究会」で発表して「公開された知見」にすることにしました。その原稿です。

Pt

「excess_penetrant_removal_equipment.PDF」をダウンロード

 このアイデア、実は飛行機のトイレで思いつきました。少ない水で汚物を綺麗に取り去る・・・これはいけると思いました。

 でも陽の目をみませんねぇ。このブログで公開することで、面白いと思う人が出てくるでしょうか。

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非破壊検査」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。
これは素晴らしい!原稿もよく書けていると思います。先を越されたという思い以上に、脱帽です。
次はスプレー缶操作のロボット化でしょうか。動画中の現像作業はプロ技ですが、これは機構的にシンプルにはなりにくいでしょうね。
検査屋が職人であることの最後の牙城ともいえるPTも、いずれ機械にとって代わられるのかと思うと寂しいです。でもこうして検査技術が進化してゆくと思えば、それはまた楽しみでもありますね。学生さんたちの今後の活躍に期待しています。

投稿: niwatadumi | 2011年10月 4日 (火) 23時22分

niwatadumi さん

非破壊検査職人のniwatadumiさんのこの件に関するコメントはうれしいです。
原発の高線量区画のPTはロボット化すべきだと考えて、いろいろ考えてきました。躯体を作る技術は、もちは餅屋さん→ロボットやさんに考えてもらったほうが良いとして、リモートで行う非破壊試験プロセスについての課題を解決したいと考えてきました。
自分的にはかなり具体的なイメージはあるのですが、現状では前に進んでいきそうにありません。
ブログに情報を投げてみました。

投稿: SUBAL | 2011年10月 5日 (水) 00時05分

おはようございます。
凄いです…嘘くさい程白いバックグラウンドに鮮明な浸透指示
模様…完璧じゃないですか。
色々広がりそうで、装置メーカーがほっとかないと思うのですが…
もう直接持ち込みましょう。
でもホント凄いです。学生さんに敬礼です。

投稿: ぐるぐる | 2011年10月 6日 (木) 04時53分

SUBALさん こんにちは

浸透探傷試験は真似事しかしたことが無いのでコメントする立場ではありませんが、特許申請できなかったのは残念です。弁理士に丸投げすると数十万の費用が必要ですが、自力でやれば1万5千円です。
学生さんが発明者に連ねれば一生の思い出、勲章になります。

日曜日はロボコン北海道大会です。苫小牧が両国への切符を手にされる事を期待しています!

投稿: 271828 | 2011年10月 6日 (木) 12時43分

ぐるぐる さん

>嘘くさい程白いバックグラウンドに鮮明な浸透指示模様

水洗性染色浸透液を使っていることから、溶剤除去性浸透液を使って手作業で除去処理をしている場合と比べて、バックグラウンドは良好です。
装置が移動した後には、目に見えるほどの水分は残っておらず、綺麗な状態です。
私は、いわゆるカラーチェックのロボット化は可能なところまで来ていると判断しています。ただ研究開発費を持たない現在の身分では、実用レベルのものを作るのは無理です。

投稿: SUBAL | 2011年10月 7日 (金) 01時22分

271828 さん

弁理士に頼らない特許申請も考えたのですが、内容以前の形式審査ではねられるケースが高く、そのハードルを越えるための労力を考えて断念しました。

学生たちへの教育効果という点を考えても、企業・大学・研究機関の技術者が集まる場での発表、という選択肢にメリットがあると考えました。彼らにとっても大きな自信になったと思います。

群馬高専は賞は取ったようですが、全国大会出場はならなかったようですね。残念でした。苫小牧高専は、どうなのでしょう。最後の追い込みをやっているようですが・・・・うまくいけばとてもユニークなアイデアですが・・・・がんばってほしいです。

投稿: SUBAL | 2011年10月 7日 (金) 01時35分

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