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アルミニウム合金の腐食

いきなりですが、問題です。

「アルミニウム合金は耐食性に優れている」

「耐食性に優れている」とは腐食しにくいということです。あなたは○ですか?それとも×ですか?

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 通常の感覚では○でしょう。この手の問題の場合、通常比較対象は鋼だからです。

 しかし航空整備士や航空工場検査員の問題だとすれば×です。この場合比較対象が耐熱合金かチタニウム合金だからです。また、航空機材料でアルミニウム合金といえばジュラルミンという別称がある「高力アルミニウム合金」(アルミニウム合金でありながら通常の鋼ほどの強度がある強度重視の合金)をまずもって思い浮かべなければなりません。これらの高力アルミニウム合金は日常生活でよく見るアルミニウム製品(たとえばアルミサッシやアルミホイル)と比較するならば、腐食しやすいのです。

 この写真は飛行機のとある箇所で見られた腐食です。材料は、航空機の外板によく使われるアルミニウム合金(A2024:通称超ジュラルミン)です。

Ca3g0432

 カーゴで言えば、北海道からの塩鮭から漏れる塩水は航空機の外板を腐食させるため嫌われものだったとのことです。いまどきは塩水が漏れる荷物なんてめったにないでしょうが・・・。 対象となっているものそして比較対象になっているものが「関係者」の間でどのように共通認識になっているかを考えないと間違える問題、というのはよろしくないとは思いますが、この手の問題よくあります。

 技術文書は、関係性によって解釈が違ってくることを避けなければなりません。ただそのことを徹底した文章は、固苦しくて疲れます。逆に自然言語は、関係性の中で意味が違ってくるのが普通であり、面白味でもあります。文学はそのこと抜きに成立しないでしょう。それはまた言語学における意味論の難しいところにもなります。その昔、学生時代に言語学をかじったときに学んだことでもありました。

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コメント

アルミニウム合金はアルミニウムよりも腐食しやすいのですね。私としては新たな知識となりました。最近は犠牲陽極として亜鉛ではなくアルミニウムを使用していることも多いみたいで、そのアルミニウムよりアルミニウム合金の方が腐食しやすいとなれば維持管理の技術が難しくなりそうに思えます。

投稿: jiro | 2012年1月 7日 (土) 17時26分

アルミニウム合金にもいろいろな種類がありますが、純アルミより強度を高くしようとすると、どうしても耐食性が犠牲になる傾向があります。ただ、ガルバニックコロージョンで腐食される側を示すイオン化傾向と、一般的に言う耐食性とは必ずしも一致しませんので注意が必要です。鋼とアルミを接触させるとアルミが腐食されますが、通常言う耐食性では明らかにアルミのほうが優れていますから・・・。

投稿: SUBAL | 2012年1月 7日 (土) 19時31分

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