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A.A.Griffthの論文

 20世紀に生まれ発展した「破壊力学」の出発点は1920年にAlan Arnold Griffith(1893 –1963)が発表した論文である、と参考書や教科書にはたいてい書いてあります。応力集中係数では説明できないき裂と破壊の問題を、弾性ひずみエネルギーと表面エネルギーのバランスの問題として解いた論文として紹介されています。

 Griffith理論の明らかに間違った解釈や説明がある分野の本などにあるのを、最近複数見つけました。立川談志が亡くなりましたが、落語の「長屋の花見」状態になっているのかなと推測しています。

 そんなことを調べているうちに、グリフィス論文のオリジナルがネット上に公開されているのを見つけました。

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 "The Phenomena of Rupture and Flow in Solids"というタイトルのグリフィス27歳の論文です。エジンバラ大学(The University of Edinburgh材料科学工学センターのサイトで公開されていました。こちら(pdfファイル6.06MB)。

 私のような市井の民にとっては、インターネット環境と検索ツールがなければ、とてもじゃないけれどどこにあるのかすらもわからず手に入れられるような論文ではありません。ありがたいことです。

 このグリフィスさん、ある本では建築家として紹介されているのですが、建築家ではなくて英国の王立航空研究所の研究者です。破壊力学の礎を作った人として材料科学の分野では有名な人ですが、もうひとつの顔を持っていて、ジェットエンジンの開発者としても歴史に名を残しています。かの論文の6年後1926年には、"An Aerodynamic Theory of Turbine Design"を発表して(こちらはまだ見つかっていませんが)、ジェットエンジンの発明者とされているSir Frank Whittleと論争しているようです。グリフィスは1939年には、ロールスロイスに移籍をして、そこで軸流式ターボジェットエンジンAJ.65を作ります。

 このあたりのいきさつは実に面白いので、「破壊工学 基礎のきそ」と「トコトンやさしい 航空工学の本」にコラムとして書きました。

 グリフィスさんの顔写真ですが、さしずめ左が材料科学者としての顔、右が航空エンジンエンジニアとしての顔でしょうか。天才的な科学者にもいろいろな苦労があるのだなぁ・・・・と。

Griffth

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