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同時代人(Contemporary)

 その単語を何で覚えたかたいていは忘れていますが、私にとっては「同時代人」(Contemporary)という単語は、日本語でも英語でもJan Kottの"Shakespeare our contemporary”「シェイクスピアはわれらの同時代人」という本でした。シェイクスピアは、人間本質を突いていて現代に生きる人間と同時代性を持っている・・・といった内容だったと記憶しています。
 私はシェイクスピアの作品解釈というより「同時代人」という言葉から想像する意味の広がりに、何かめまいのようなものを感じていました。
 昨年4月に還暦を迎えたせいか、「同時代人」という言葉に若いとき以上にリアリティーを感じるようになってきました。たとえば、先日話題にした早野龍五教授。1970年(昭和45年)高校卒なんですね。彼も18歳のころ私と同じニュースに接していたはずだ・・・それだけと言ってしまえばそれだけなんですが・・・。
 昨日、ブログ記事にした志岐デザイン事務所の志岐滋行さん、今日がお通夜だそうです。昭和26年8月12日生まれ・・・1970年(昭和45年)高校卒で、私と同学年です。

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 東京の一等地にデザイン事務所を構えるボスでした。私は、彼の業績についてはほとんど知りませんが、「モノづくり解体新書」だけでも偉大な業績だと思っています。「モノづくり解体新書」の第1巻が出たのは、1992年、今から20年前志岐さん41歳のとき。(ちなみに私は、この年に意を決して前の職場を辞めて教員としての生活をスタートしました)

Mono

 理工離れ、ものづくりの後継者問題・・・等々の議論がされいます。あのシリーズは日刊工業新聞社の本の中でも大きなヒットだったと聞いていますから、多くの少年少女が読んで、その中の何割かは触発されて人生の方向を決めた人もいるはずなのです。製造工程やものの仕組みを絵やイラストで説明する手法を確立して成功したことは、その後類書がたくさん出てきたことからも証明されていると思います。
 志岐さんは、卓越した識見と技量で、多くの若者に影響を与え社会の流れを変える役割を果たした方だと思います。人生の充実という意味で、自分のやってきたことに誇りを持てるという意味で、成功者なのだと思います。
 ただ、でも、同時代人の感覚的推測として、やれたことよりやろうとしてやれていないことのほうが数十倍大きいのだろう思います。貫いてきたもの確かさを確認しながらも、終わりを迎えざるを得ない悔しさを飲み込まざるを得ない。まじめに生きた人生の結末は、およそそんなものでしょう。2年にわたるすい臓癌との闘いだったようです。合掌。

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