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PSP 透視と分解

 2月に入ってカウントダウンになっていますが、もちろんまじめに授業を行っています。
 先日あるクラスで、X線透過写真を見せました。最初から溶接部や鋳物の透過写真を見せても面白くないから、身の回りにあるものを撮影した写真を見せていました。密度が高いとか厚さが厚いとか、ともかくX線を多く吸収した箇所が白っぽく見えることが分かればそれで目的は達します。
 これはそのうちのひとつ、携帯ゲーム機のPSP(少し古いタイプですが)です。

Dscn0388

「ゲーム機と言ってもコンピューターなんだな。冷却用のファンが見えるだろう」と説明するとすると、「先生、ファンってどれですか」との質問。

「ほらここに6枚の羽がついたやつが2つもあるだろう」

「それ、ファンじゃぁないんですよね」

「エエエエッ!!」

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 彼は分解マニアで、PSPも歴代分解しているとのことです。そういえば、超音波の話をしているときに「非破壊検査技術者にとっては部材がスケルトンになって直接見れればどんなに良いだろうと思うことは良くある。非破壊検査技術者に限らず、技術屋はたいてい分解やスケルトン化は好きだな」と話したとき、彼はPSPをスケルトン化した写真をうれしそうに見せに来たことがありました。

Sh380707


Sh380695

 ではこれは何だ、と聞くと「レンズを動かすモーター」だということでした。そういわれて見ると近くにピニオンが見えます。 Sh380731

 

Sh380733

 なるほどね。やはり透過写真を正しく見るには、実際に内部を見てみる経験の蓄積が不可欠なんだ・・・・。

「君も何でも分解してみたくなるスケベな技術屋の精神を持っているのだな」と褒めておきましたが、彼が褒められたと受け止めたかどうかは知りません。

 機械好きの子供にとっては、分解組み立ては良くやり失敗も数多くあるのではと思います。私は、人間の学習能力を考えるときに「分解→組み立て」のプロセスが、「分析→認識」の脳内のプロセスに対応していると考えています。

「若者よ、ドライバーを持て。慎重かつ大胆にそこいらじゅうのものを分解するのだ。分解して組み立てができなくなったときに聞こえてくる"あんた何考えているの、あんな高いものを壊して!!”という親の叱責をものともせずに、"次はうまくやってみせる"とつぶやくのだ!!」

 今日はとんだ授業の失敗談。おあとがよろしいようで・・・。

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コメント

こんばんは。
なるほど、2次元のレントゲン写真では羽根のねじれまで見分けられませんからね。
それにしても、ささやかな失敗のおかげでその生徒さんの長所(?)が発見できたのは良かったかも知れませんね。今後の指導に活かせる…。

投稿: niwatadumi | 2012年2月11日 (土) 21時29分

niwatadumi さん こんばんは

>2次元のレントゲン写真では羽根のねじれまで見分けられませんからね。

そうなんですけれどね。正体が分かってからよく写真を見ると、羽根ではなさそうということが形からわかってきます。早合点は禁物ということですね。

この事例から、透過画像の盲点とその限界の中で像の正体を見抜く面白さに発展させれば、良い授業になるのかもしれません。

投稿: SUBAL | 2012年2月11日 (土) 21時46分

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